ツクヨミノミコト

(月読命・月弓尊)

古事記に出てくる日本神話の神様『ツクヨミ』について、わかりやすく解説します。

ツクヨミ

ツクヨミについて

アマテラス、スサノオと同じ、三貴神のうちの一人。太陽神のアマテラスと対になる、月の神様とされています。

しかし、とにかく、文献の記述が少ない・・・

イザナギに『特別な子供』って言われた三貴神のうちの一人なのに、あまりにも存在感が無さすぎて、古代からずーっと放置をされてきたようです。すると、寂しくなったのか、23代 顕宗天皇の時代に人に憑いて「ちゃんと祀って・・・」と訴えてきたとか。

それでもそのうち忘れられてしまい、また寂しくなったのか、今度は49代 光仁天皇の時代に暴風雨を撒き散らすなど、地味に嫌がらせをしてきて、貢物を献上させるとか・・・コミュ症のくせに意外とかまってちゃんな性格のようです(笑)

ただ、『ツクヨミ』って名前からして、物静かでミステリアスなイケメンが想像できるからか、今では人気のある神様です。一般的には男神と考えられていますが、特に性別の記述があるわけでもないので、創作などで女神として扱われることも多いです。

 

名前の意味や由来について

ツクヨミノミコト

ツク→月。
ヨミ→夜、闇、黄泉など
ノミコト→神さまの「様」的なやつ。

つまり「真っ暗な夜の空に浮かぶ、月の神様」という意味になります。ロマンチック!!

ただ、「ヨミ」に「黄泉」(死者の国)という意味もあることから、死の神様という説も・・・うぅん。中二心をくすぐる素晴らしいお名前です♡

月読命

月→つき。
読→よむ。読む、解く、数えるなど。

『月読命(月を読む神様)』。
昔は月の満ち欠けで暦を読んでいたことから「月を読む暦の神様」とも言われる。

月夜見(霊)尊

月夜→つきよ。古くは「ツクヨ」という。「月の照らす夜」や「月の光」のこと。
見(霊)→み。神様の霊。

最初の「ツクヨミ」の、単語を分ける場所を変えたバージョン。

月弓尊

三日月が弓の形をしていることから、月読(つくよみ)が月弓(つくゆみ)に変化するのに伴って、漢字も「弓」が当てられたのではないかと考えられる。

どのみち、月の神様w

 

ツクヨミの別名

古事記

月読命/ツクヨミノミコト

日本書紀

月弓尊/ツクユミノミコト
月の神/ツキノカミ
月夜見尊/ツクヨミノミコト

別名

月夜霊/ツクヨミ
月読神/ ツクヨミノカミ
月読尊/ ツキヨミノミコト
月予見命/ ツキユミノミコト
月神/ ツキノカミ
月山神/ ツキヤマノカミ

 

ツクヨミが出てくる神話

古事記

禊 >>

イザナギは黄泉国に 行った後、筑紫の日向で禊を行う。
左目を洗うとアマテラス、右目を洗うとツクヨミ、鼻を洗うとスサノオが生まれる。

三貴子の分治 >>

イザナギは三貴子の誕生をとても喜ぶ。
そして、ツクヨミに夜の世界を治めるよう言う。

この後、古事記には一切出てきません(笑)

風土記

桂里の由来

ツクヨミが葦原の中つ国(地上)の保食神の所にやってきた。その土地にあった桂の木に、ツクヨミは寄り添いながら立った。
そこで、その木のある処を「桂の里(京都府西京区桂)」と名付けた。「桂」の地名はこの話がはじまりとする説話がある。
昔は、桂にもツクヨミを祀っている神社があったが、856年に桂川の氾濫を避けて社を移動。現在は、京都市西京区松室山添町に月読神社が残っている。

桂の木に寄りかかってるツクヨミかっこいい。。。

日本書紀

一書(あるふみ/別説って意味)

ツクヨミの出生について

・沢山の神様を生んだイザナギとイザナミは相談をして、共にツクヨミを生んだ
・イザナギが右手で白銅鏡(ますみのかがみ)を取った時に、ツクヨミが生まれた

昼と夜が出来たわけ

ツクヨミは、アマテラスに保食神に会いに行くように言われ、彼女に会いに行った。会いに来たツクヨミに対し、保食神は口から食事を出してもてなした。

保食神のもてなしにブチ切れたツクヨミは、彼女を殺してしまう。
その事が原因で、アマテラスとツクヨミは喧嘩をした。そして、アマテラスは昼、ツクヨミは夜と、別々の世界に住むことになった。こうして世界に昼と夜ができた。

ラノベ風 昼と夜が出来たわけ >>

農業の神様として信仰されるツクヨミ

保食神を殺した時に、保食神の死体から様々な穀物が生まれた。

そのことから、ツクヨミは五穀の種を得るきっかけを作ったとされる。
また、暦は作物の種まきや収穫の時期をはかるものであることから、ツクヨミは『農業の神様』として広く信仰されている。

漁業の神様として信仰されるツクヨミ

月の満ち欠けと海の潮の満ち引きはとても深い関係があり、魚の産卵などに影響を与える そうだ。そのことから、ツクヨミは『漁業の神様』としての信仰もある。

月と黄泉の国の関係

月の満ち欠けが死の起源を示すと考えれていることから、不老不死の信仰と結びつけられたりする場合もある。

ちなみに、イザナギから「夜の食国を治めよ」と命ぜられるツクヨミの治める夜の国は、イザナミがいる黄泉の国という説もある。

とにかく記述が少ないので、解釈がたくさんあって、もはやなんでもアリ状態。

ツクヨミの存在が姉や弟の活躍に比べると、存在感が薄い件について

・アマテラスが神々の中心であったため、ツクヨミが活躍する場がなかったという説。
・本来は太陽神と月神との組み合わせであったのに、スサノオが誕生したことにより、ツクヨミの存在が弱まったという説。
・アマテラス(温和な存在)とスサノオ(荒ぶる存在)という対照的な性格を持った神の  間に、ツクヨミ(静かな存在)を置くことで、バランスを保っているとする説。

など、諸説ある。

葛野坐月読神社

第23代顕宗天皇の時代に、家臣の阿閉臣事代(あえのことしろ)が任那(みまな/古代に存在した朝鮮半島南部の地域)へ派遣されたときの話。

ツクヨミが阿閉臣事代に憑依して「わが祖タカミムスビはは天地を造った功績のあるすごい神様。 だから田地をわが月の神に奉って欲しい。私の言ったとおりに献上したら慶福が得られるだろう」と、神託(しんたく/神様のお告げのこと)をしたので阿閉臣事代は京に帰って、詳しく天皇に申し上げた。

天皇は、壱岐島(長崎県壱岐市にある島)から月の神を勧請して、山代国葛野郡(京都 府にあった郡)の歌荒樔田(うたあらすだ)の地に『葛野坐月読神社』を創建した。

そして、壱岐の県主(長崎県壱岐市にある壱岐島を支配していた者)の祖先である押見 宿禰(おしみのすくね)に祠(ほこら/神様を祀る小さな社)を祀らせたという。

にても、エライ神様の名前を使ってちゃっかり自分も祀らせるとか、コミュ障の極み・・・♡

白兎とアマテラスの伝承

昔、 アマテラスが霊石山(れいせきざん)に降臨すると、山の頂上に仮宿を作ろうと周りを眺めていた。

すると、一匹の白兎が現れ、アマテラスの服の裾をくわえて山の中を案内した。
アマテラスが、その案内に従ったところ、中山よりはるか山の尾続きに二つの大石があり、白兎がアマテラスをそこへ誘った。

この石を『皇居石(こうきょいし)』と呼び、アマテラスを案内した場所を『伊勢ヶ平(いせがなる)』と呼ぶ由縁だという。
アマテラスはそこで仮宿を造り、しばらくとどまることにした。

姿を消した白い兎の正体はツクヨミで、その後この白兎を『道祖白兎大明神(どうそはくとだいみょうじん)』と呼び、中山の尾続きの四ヶ村の氏神として祀った。(以下略)

アマテラスと喧嘩して月に籠ったくせに、可愛すぎる。

鳥取県八頭町土師百井(はじももい)の慈住寺(じじゅうじ)、同町下門尾(しもかどお)の青龍寺(せいりゅうじ)に伝わる記録や縁起(由来)によると、霊石山(れいせきざん)・中山(なかやま)尾続きの土師百井、池田、福本、下門尾、門尾集落は白兎神社大兎明神(はくとじんじゃだいとみょうじん)を祀っていたとされる。

 

ツクヨミの御利益

❀農業守護❀五穀豊穣❀豊漁❀航海安全❀家内安全❀安産祈願❀暦の神様 ❀諸願成就 ❀農業守護

など

 

ツクヨミの祀られている神社

月読宮/内宮別宮
月夜見宮/下宮別宮
月夜見神社/松尾大社摂社
月読神社(長崎)
西照神社
稲荷鬼王神社
月山神社

各地の月読神社や月山神社など。


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