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ゆかりの地巡り
投稿日:2022/06/23 最終編集日:2022/06/26
昔、むかし。神代の昔。
スサノオ神は田んぼのあぜを壊したり馬の皮を逆剥ぎにしたり、アマテラス神にイタズラをしました。あまりにひどいイタズラにアマテラス神は怒り、天岩戸という洞窟に隠れ、大きな岩で入り口を封じてしまいました。
太陽神のアマテラス神が洞窟に隠れてしまったことにより、世界は太陽の上がらない常夜の世界になっていまいました。食べ物が育たなくなったり、病気になったりと大変なことが次々と起こります・・・。
(意訳などについては諸説あると思いますが、簡単なまとめ書きまで。ご容赦ください。)
さて、このあとどうなってしまったでしょうか。
続きが気になる方は、ラノベ風古事記の 上つ巻 日本神話編 まで。よかったらどうぞ。
https://kojiki.co/nihonshinwa/episode10.html
今回は、有名な天岩戸神話の舞台とされている、天安河原・天岩戸の話。
▼もくじ
天岩戸神社・天安河原宮のご紹介
こんにちは。ぴちょんさんです。
神秘的な雰囲気に包まれた場所ですので、パワースポットなどと多くの記事などでも紹介されていますね。
神社名 天岩戸神社 天安河原宮
御祭神
東本宮 大日霎尊(おおひるめのみこと) 【天照皇大神の別称】
西本宮 天照皇大神(あまてらすすめおおみかみ)
天安河原宮 思兼神(おもいかねのかみ) 八百萬神(やおよろずのかみ)
所在 宮崎県西臼杵郡高千穂町大字天岩戸
HP https://amanoiwato-jinja.jp/
道中の周辺の町や田畑の雰囲気から、日本の原風景と言いますでしょうか、美しい田舎町と言った雰囲気でとても安らぎがあります。先ず大駐車場に近い天岩戸神社は、大きくて立派で厳かな雰囲気でした。
天安河原宮は、天岩戸神社から美しい河原のほとりを歩き洞窟の中にあるお宮に参拝します。後に述べる高千穂峡の近くということもあり、山や川、谷は緑に包まれ美しく、優しい川のせせらぎが響き渡る。実に趣が深く神聖な空気に包まれています。
天岩戸神社、天安河原宮と書かれています。
いずれも「天」の文字が特徴的に書かれていました。
西本宮は、アマテラス神がお隠れになった天岩戸をおまつりする神社。
東本宮は、アマテラス神が天岩戸から出られた後、最初に住まわれた場所をおまつりしているんだとか。
西本宮から東本宮に行くには、橋を渡ってちょっと距離を移動しなければいけません。(私は正直、初めて行ったときには分からなくて西本宮と安河原宮だけ立ち寄り、東本宮には寄れませんでした。)
西本宮から天安河原宮には、岩戸川のほとりの参道を歩いて向かいます。
なお、階段や舗装されていない箇所もありますので、公式HPにもあるように車いすやベビーカーでは行けません。また高いヒールなども歩くには厳しいと思います。歩きやすい靴で行くとよいでしょう。
道中は岩と緑に包まれた川沿いの遊歩道を歩いていきます。川は比較的優しい流れで自然も美しく、雰囲気がとても好きです。美しい川沿い、天安河原宮のある洞窟を目指して小さな橋や階段を超えながら、神聖な空気に包まれて一歩一歩進んで行きます。
洞窟の中にある神社って同じく宮崎県の鵜戸神宮なんかもありますが。結構珍しいですよね。
洞窟は大きくて中は広かったですが、私の所見では思ったよりも奥行きはなかったです。ただそれでも、アマテラス神の伸長などが人間のサイズだったとして、一人でポツンと居るにはだいぶ広く感じました。
またここを塞ぐ岩があったとすると、とてつもない大きさの岩だったことが分かります。
アマテラス神を出そうと奮闘する神々に、アマテラス神は「あら、岩戸の外の様子が・・・」と、ちょっとだけ岩を動かして外を覗きました・・・。
いやいや「ちょっと動かしてみました」ってサイズの岩じゃなくない?! と思ってみたり。その巨大な岩をも動かすアマテラス神を引き出したというアメノタヂカラオ神は、それ以上の力があったということでしょうか。
個人的にやってみればよかったこと
・アメノウズメ神のように小躍りしてみる。なんならアメノウズメ神よろしく踊り踊った挙句、半裸になってみる。
・鏡を向けてみる。
半分冗談です。もしやってみる方がいても、周辺の方の迷惑にならないようにしてください。なお私は一人旅で周りに人も多かったので、恥ずかしくてやらずに帰ってきました。笑
天安河原宮の前には、流れが緩やかな浅瀬が広がっています。
そこでは多くの子供たち、親子連れが水遊びしていました。私が行ったのは真夏でしたが、山中の川の上流なので水は少しひんやりして気持ちがよかったです。逆に言えば春や秋だと、遊ぶには少し水温が低いでしょうか。
皆さんもタオルを持って行って河原に足を入れてみたり、浅瀬の川を渡ってみるのもよいかもしれません。自然を肌で感じることができてよい気分転換になりました。
例えばアマテラス神の像があったり、またアメノタヂカラオ神(天之手力男神)の像が境内にあります。
アメノタヂカラオ神は、岩戸隠れの際に岩戸の脇に控えており、アマテラス神が岩戸から顔をのぞかせた時、岩戸から引きずり出したとされる神様です。それにより世界に明るさが戻ったとされます。
また周辺にも多くの神社があり神様の像もあるので、河原を散策しながら見て回るのもよいかもしれません。詳しくは神社のHPでも紹介されていますので、よかったら見てみてください。
リンク先:天岩戸神社HP 天岩戸五社
天孫降臨の舞台!? 高千穂峡へ
天岩戸神社から5kmほどのところに、高千穂峡があります。高千穂神社などはまた機会があればご紹介したいと思いますが。
アマテラス神の孫、瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)が神々の住む高天原から地上に降り立ったとされる天孫降臨。その有力候補地とされるのが、宮崎県の高千穂町だと言われています。
天岩戸神社においでの際は多くの方が立ち寄ると思いますが、夏には涼しく避暑地として観光なども賑わっているところです。
神聖な雰囲気に包まれ、古事記の中でも有名な岩戸隠れの場面にゆかり深い天岩戸神社、天安河原宮。
私も雰囲気が好きな神社の一つです。この記事を読んでいただいた方にも、いつか訪れるきっかけとなったら嬉しいです。
ぴちょ的まとめ
歴史・見どころ | 古事記の有名な天岩戸隠れの場面にゆかり深く、歴史深い |
ご利益 | アマテラス神をお祀りしていて、厄除けなどのご利益があると言われている |
パワースポット | 自然にあふれ、神聖な空気に包まれている |
アクセス | 駐車場は広い。公共交通機関は下調べ要 |
お買い物・グルメ | 門前に売店やカフェなど多少はある |
はしがきに 御祭神の八百万の神について。個人的な雑感
色々な神社を旅してきました。今回ご紹介した天安河原宮の御祭神は 思兼神(おもいかねのかみ)に加えて八百萬神(やおよろずのかみ)【以降:八百万の神】」となっています。八百万の神が御祭神って、他の神社などでありますか?あまり見ない気がします。(もし結構あるよ!という場合は勉強不足でごめんなさい。よかったらツイッターなどで教えてください。)
私はクリスマスにはクリスマスツリーを立て、大晦日には近所のお寺で除夜の鐘を聞き、そのまま日が変わって近所の神社にお参りするような、おそらくは平均的な家庭に育ちました。考えてみれば1週間でキリスト教・仏教・神道という3つの宗教の祭事を行うって。他の国や宗教ではあるのでしょうか。
私が思うに(もちろんいくつかの書籍などを参考にして勉強しておりますが)、この 八百万の神 という考え方こそ「無宗教であるような多信仰であるような不思議な国」を作った根の部分にあると思うんです。
八百万の神 という考え方があるから「八百万の神の中に」もう少し、外国の神や他宗教の神を「含めてしまって」も信仰できる。祭事として楽しめる。受け入れることができる。手を合わせて大切にすることができる。例えば一神教の宗教があって、それではこのような考え方はできるのだろうかと考えています。
神や信仰に寛大なこのような在り方って、とても素晴らしいと言うか、横柄に言ってしまえば「生きやすい・やりやすい」と私は感じております。そういう日本という国が好きです。(もちろん人により信仰の仕方や程度の差異はあると思いますが、細かな点についてはすみませんが割愛します)
そういう意味で、 八百万の神 という考え方、在り方というのが私は好きで。この天安河原宮の御祭神でもありますので、ひときわ行けてよかったという思いがあります。
(※あくまで個人的な考えを掲載しております。一般的に、宗教や文化に対しての考え方やとらえ方は諸説あり、各人によっても異なりますので、あくまで個人的な考えということでご勘弁ください。)
余談 遠いからこそ、どう向かうかという旅の楽しみ
上にも書いたように、公共交通機関ではちょっと行きにくい天岩戸神社。高千穂なんかを一緒に歩くといいと思います。
では高千穂方面に行くまでに、 熊本側から行くか 宮崎から行くか 大分から行くか なかなか悩みどころですよね。
熊本は。阿蘇山を観て。
名物は、熊本ラーメン、カラシ蓮根、馬刺し、赤牛・・・。
宮崎は。青島神社、鵜戸神宮、潮嶽神社、記紀関連の神社などが多い土地ですよね。
名物は、マンゴー、地鶏炭火焼、肉巻きおにぎり、チキン南蛮・・・。
大分は。温泉いいですね、八幡総本宮の宇佐神宮も立派な神社でした。
名物は、鶏天、鶏飯、日田やきそば、大分からあげ・・・。
……と、色々書いてみましたが。私、バイクが好きで。バイクで旅をするのも好きで。天岩戸神社にはもう3回行きました。上記の神社にも全部行きました。まだまだ書きたいこともあるんですが、また別の記事でこれから少しずつご紹介できたらと思います。
近所に住んでいる人でなければ、電車やバスでは乗り換えや時間に少し難がある。でも行けば魅力が多い。どの方面から行くか、なにを食べ、なにを観ながら向かうか。そんな旅全体として、よかったら九州の地図を広げて楽しい想像をしていただけましたら幸いです。
今日はここまで。
貴方にも善い神縁がありますように。 — ぴちょんさん —
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