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ゆかりの地巡り
投稿日:2023/09/08 最終編集日:2023/09/05
こんにちは!『古事記FUN!!』ライターのY.Yです。
今回のゆかりの地めぐりの舞台は、岐阜県郡上市。
天岩戸神話ゆかりの地をご紹介します。
天岩戸神話
最高神アマテラスは、弟スサノオの悪行に耐えかねて岩戸に引きこもってしまいます。世の中が真っ暗になり困った神々は、天安河原で話し合い、アマテラスを岩戸から引きずり出すための作戦を決行する…というのが天岩戸神話のあらましです。
五伴緒神はじめ、記紀神話の重要人物(神)の初登場回としても有名で、個人的にも大好きなお話です。
ラノベ古事記での天岩戸神話は以下の通り
岩戸隠れ&岩戸開きの舞台は高天原(天上界)ですが、天岩戸と呼ばれるスポットは、九州から東北まで、日本各地に存在しています。
また、岩戸開きの際にタヂカラオによって投げ飛ばされた岩戸は、下界に落ちて長野の戸隠山などの山々になった、という伝説もあります。
今回は、数ある天岩戸神話ゆかりの地の中から、「天岩戸のかけら」と伝わる奇岩を訪ねました。
郡上 戸隠神社へ
岩戸のかけらと伝わる奇岩があるのは、郡上の戸隠神社。神社に向かう道は少しハードです。郡上八幡の街から吉田川を渡り、国道256号をひたすら進むと、左手に看板が見えてきます。途中には九十九折の坂道もあります。
看板を左折すると、まず迎えてくれるのは御神木。戸隠神社の一本杉です。
樹高は三十三メートル。平安後期(九三八)に植えられたとされています。樹齢千年を超える巨木で、岐阜県指定天然記念物です。もともとは二本あったようですが、片方は落雷により枯死してしまったとのこと。
参道の先には鳥居と社叢が見えます。戸隠神社社叢も岐阜県の天然記念物に指定されています。
参道脇には、シバザクラが咲き乱れていました。
戸隠神社の鳥居。
美しい両部鳥居です!
境内を散策してみましょう。
御祭神は、天岩戸を投げ飛ばしてアマテラスを外に引きずり出した天手力男命(タヂカラオ)。高天原の筋肉担当です。
創建時期は不明。戸隠神社と称するようになったのは明治時代になってからで、古くは「正六位上 国津明神」、「九頭宮」と呼ばれていたようです。九頭というと九頭龍伝説を思い出します。岐阜県は白山信仰が盛んなので、この地には、かつては九頭龍王(白山明神)が祀られていたのかもしれません。ちなみに、長野の戸隠神社(九頭龍社)でも、(白山信仰とは系統は異なるものの)九頭龍大神と呼ばれる神様(地主神)が奉斎されています。
10月上旬~中旬には、「九頭の祭」と呼ばれる祭礼が行われるとのこと。山車、獅子舞、馬追い神事の他に神楽なども奉納される盛大なお祭りのようです。安土桃山時代から江戸時代初期の頃の旱魃の際に、天岩戸開きを再現したのが祭りの始まりといわれています。
天岩戸のかけらとされる重ね岩
さて、岩戸のかけらを見に行きましょう。重ね岩は拝殿右側の階段を少しのぼったところにあります。
看板と説明書きがありました。
重ね岩
村指定・天然記念物(戸隠神社)
・古事記に天の岩戸伝説がある。天照皇大神がおかくれになった高天原の岩戸を、手力雄命が引きあけた時に飛散した岩戸のかけらと言われている。
上下の大岩が小さな接点で微妙に重なり片手でも動かすことができる奇岩である。
上岩 四十二トン
下岩 百四十四トン 推定
和良村
こちらが重ね岩です!
上岩には注連縄がまかれていました。かなり巨大で、片手で動かせるとは到底思えません。とても迫力があります!
境内の岩座(磐座)
境内には、重ね岩以外にも多くの巨岩(岩座・磐座)が存在し、「九頭の宮の岩座」としてあつく信仰されているようです。
重ね岩などの「下ツ岩座」に加え、滝口岩・女岩・曲岩で構成される「中ツ岩座」も参拝が可能です。磐座好きにはたまらないスポットです。
● 郡上 戸隠神社 アクセス
〒501-4517 岐阜県郡上市和良町宮地1
最後に
最後までお読みいただき、ありがとうございます。今回は、天岩戸神話ゆかりの地として、郡上市の戸隠神社にある「重ね岩」をご紹介しました。いかがでしたでしょうか?日本古来の磐座信仰を色濃く残す場所でもあり、Y.Yイチ押しのスポットです。
さらに、戸隠神社周辺には
・乙姫様と呼ばれた大蛇が住み着いていた蛇穴
・鬼の首とされる頭蓋骨が安置されている念興寺
・コウモリがたくさんいる郡上鍾乳洞
など、他にも興味深い場所が沢山あります。郡上周辺を観光する際は、是非参考にしてみてください!
それでは、また次の記事でお会いしましょう!
主な参考文献・URL
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