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ゆかりの地巡り
投稿日:2022/08/05 最終編集日:2022/08/05
古事記冒頭
この世のはじまりに、高天の原に天之御中主神、次に高御産巣日神、次に神産巣日神という三柱の神が現れました。これらの神は(イザナミ・イザナギ神のように夫婦神ではなく)独り神であられまして、姿を隠されました。
(意訳などについては諸説あると思いますが、簡単なまとめ書きまで。ご容赦ください。)
さて!なんと!!今回古事記の内容の紹介は以上です!!お疲れ様でした!!
古事記読み出して5秒!そして以降、天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)はまったく登場もしないのでここだけ読めばバッチリ!
もう少し気になる方は、ラノベ風古事記の 日本神話『日本のはじまり』 まで。よかったらどうぞ。
https://kojiki.co/nihonshinwa/episode01.html
※後加筆
本記事編集中に、ご紹介する内容がカブるという奇跡が起きましてびっくりしております。いや本当にもう、びっくりです。
天之御中主神のご紹介として最近本サイト下文にも掲載されました。よかったら一緒にどうぞ。
こんにちは。ぴちょんさんです。
今回は天之御中主神をお祀りする、京都の木島坐天照御魂神社(このしまにますあまてるみたまじんじゃ)【蚕の社(かいこのやしろ)】の話。
京都でも、京都駅前のビルが立ち並ぶエリアでもなく、東山のような高級料亭などが立ち並ぶエリアでもなく、大学などがあってどちらかと言うと下町の雰囲気に包まれた比較的静かなエリアにある神社です。
▼もくじ
木島坐天照御魂神社(蚕の社)
神社名 木島坐天照御魂神社
御祭神 天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)【以降”アメノミナカヌシ神”記載】
大国魂神(おおくにたまのかみ)
穂々出見命(ほほでみのみこと)
鵜茅葺不合命(うがやふきあえずのみこと)
瓊々杵尊(ににぎのみこと)
所在 京都府京都市右京区太秦森ケ東町
HP https://ja.kyoto.travel/tourism/single01.php?category_id=7&tourism_id=290
(神社が直接運営するHPなどがなかったため、上記は京都市観光協会”京都観光Navi”より)
京都の路面電車、嵐電の「蚕ノ社」駅というそのままの名前の駅を降りると住宅街、下町の雰囲気でした。駅からすぐに表参道入口の鳥居を入り人通りや車通りも多少ある住宅街を駅から歩いて5分、セブンイレブンの向かいに立派な鎮守の森が見えました。住宅街にありながら立派な木々などが茂り中は少しひんやりとして気持ちよく、小学生や近所の方のお散歩する姿も見られ、地域に愛された神社という雰囲気でした。
(私の記事では毎回ご紹介しておりますので一応書きますが、)いただくことができませんでした。
社務所に神社の方がいるときといないときがある?のか、訪れた時期が2022年でしたのでコロナ禍の影響?かあるいは他の理由があるかは分かりません。
ただし、ネットなどの情報を見てみると御朱印をいただいている方もいらっしゃるようです。公式HPなどがないため不明ですが、社務所を覗いてみてもしいただけたらラッキー☆ですね。
(※2022年5月時点の情報)
「木島(地名)の地に鎮座する天照御魂神の社」という意味だそうです。
もとは、天照御魂神(あまてるみむすびのかみ)という太陽神をお祀りしていた名残だと考えられているようです。ここで注意なのですが、天照御魂神と天照大神(皇祖神)は異なる神様だそうです。
また通称を蚕の社と言い、上記に触れたように嵐電の駅名にもなっています。これは、上の写真の本殿右側に蚕養神社(こかいじんじゃ、東本殿)があり、ここから通称で親しみをもって呼ばれているそうです。
この神社にお祀りされ、この世のはじまりの最初に現れたとされるアメノミナカヌシ神ですが。先にも書いたように古事記を読み始めて5秒で登場しながら、そのあと一切出てきません。加えて、神社名にもあるように天照御魂神をお祀りしていたこちらの神社がいつ、なぜアメノミナカヌシ神が祭神になったのかも分かりません。
仕方がないので色々とネットで調べてみても「〇〇という説があるが、それを否定する説もある」って。いやもうなんも分からんやないか。(笑
もう謎だらけです。僕はお手上げです。 ←ライターあるまじき説明文
知っていますか?京都三珍鳥居。下の写真に示すように、蚕の社の敷地内には3つの柱を持つ三柱鳥居(みはしらとりい)があります。この形状の珍しさや不思議な雰囲気から、パワースポットなどとしても紹介されることがあるそうです。ただしこの場はかつて湧水が豊富であったと言われる中にあり、また普段は水が入っていなくとも柵があって入ることはできませんのでご注意ください。
ちなみに、なぜこのような形状であるかは諸説あるそうで、簡単に言うなら謎です。なんなら、いつ建てられたかも謎だそうです。普段は不明な点でも「こういったご由緒があると言われているみたいですよ」などと自分なりに調べて書くようにしているのですが、もうこの記事で”謎です”という書き方で締めるのは慣れてきました。
なお他の2つは、京都御苑と北野天満宮にあるそうですよ。
この地には昔からの庶民信仰で「土用の丑の日にこの三柱鳥居の前の池に手や足を浸すと、諸病に効く」という言い伝えがあるそうです。これまで養蚕の神様などの紹介はしてきましたが、病気に効くという伝説が残るというのは面白いですね。
過去の書物を見ると、昔の京都では ・石清水八幡宮 ・伏見稲荷大社 ・木島坐天照御魂神社 が有名だ!と言われるくらい、歴史があり観光地として知られていたようです。こういったことから、昔から多くの伝説や逸話が残っているのも納得できますね。
(本当は、土用の丑の日に合わせてこの記事をご紹介する目的でこれを書き始めましたが、記事が間に合わなかったため、やってみたい人はまた来年トライしてください。笑)
ここ木島坐天照御魂神社には、上記まではアメノミナカヌシ神を中心に書いてきましたが、他にもお祭りされている神様がいます。
ただし、
大国魂神(おおくにたまのかみ)・・・倭大国魂神(やまとのおおくにたまのかみ)に同じ??
穂々出見命(ほほでみのみこと)・・・火折尊(ほのおりのみこと:山幸彦)に同じ??
については、一般的に広まっている表記と異っているのか、違う神なのか調べても分かりませんでした。またいくつかの説があってどれを正しいとすればよいか分かりません。力不足ですみません。また分かりましたら編集するなどして書き足していきたいと思います。
鵜茅葺不合命(うがやふきあえずのみこと)・・・神武天皇の父に当たり、火折尊の子。
瓊々杵尊(ににぎのみこと)・・・神武天皇の曾祖父。天孫降臨で有名。
の神様が祭られているようです。
・造化三神(ぞうかさんしん)
天之御中主神、高御産巣日神、神産巣日神 の3神のことで、天地開闢の時に高天原に最初に現れた神。この3神が現れたとき、世界はドロドロの泥水のような状態だった。
・別天津神(ことあまつかみ)
造化三神のあとに現れた 宇摩志阿斯訶備比古遅神、天之常立神 の2神を加えた5神を合わせて言う。この2神が現れるころには、世界に地となるクラゲのようなブヨブヨが浮き始める。
今日はものすごく簡単に、古事記の冒頭に出てくる神様に関する語句を2つだけ。私も勉強中の身ですので、短くまとめてみました。私も勉強したことをここに書きながら、読んでいただけた皆さんと一緒に詳しくなっていけたらと思っています。
さて今回紹介した蚕の社、興味を持っていただけましたでしょうか。
また今回は「古事記に最初に出てくるので勉強があまりいらない」というご紹介のもと、記事を書かせてもらいました。古事記になにか敷居の高さを感じたり、難しいと感じる方がもし見ていただけたなら、一部の場面を読んでみたりするだけでも、なにも知らないよりもちょっと神社参りが面白くなる?!その理由がお伝えできたのなら嬉しく思います。
また京都は歴史観光地が多い地域ですが、修学旅行で行くことの多い東山や金閣寺・銀閣寺周辺、嵐山などの超有名観光地から蚕の社はちょっと離れ、住宅街の雰囲気で他の観光客も少なめです。嵐電にゆられながらゆっくりと参拝し、思いを馳せるにはとてもよい場所だと思いますよ♪
歴史・見どころ | 京都でも最古とされる神社の1つです。間違いなく歴史あり |
ご利益 | 1説には、 学問の神・祓いの神 とされている |
パワースポット | 三柱鳥居はパワースポットと多く紹介されている |
アクセス | 嵐電 蚕ノ社駅 より徒歩5分 |
お買い物・グルメ | 周辺に多少はあるが、お土産などは繁華街までアクセスがよいためそちらがおすすめ |
はしがきに 皆さんは経験がありますか?記紀探求をはじめるとチラついて見えはじめる氏族の影
木島坐天照御魂神社に当初お祭りされていたとされる、天照御魂神。上にも書いたように、天照大神とは違う神様だそうです。
そこで天照御魂神とは?というのを調べていくと、尾張氏という氏族が古くはこの神様を信仰しており、尾張氏が開拓した土地などで天照御魂神を祭る神社が立てられた歴史が見て取れるようです。またその後、尾張氏が立てたこの木島坐天照御魂神社やその周辺を秦氏という氏族が継承し、秦氏は渡来人系の氏族であったため養蚕などの技術があり、蚕養神社がのちに一緒に建てられたのでは。。。という説があるんだとか。
また他の一説には、天日神命(あめのひのみたまのみこと)という対馬氏という氏族の神様と同じで、対馬氏が関わっているのではないか。。。という説もあるんだとか。
そもそも記紀には、熊襲という氏族や歴史の教科書にも登場する宗賀(蘇我)氏などの氏族が登場します。個人的にはそういった氏族の影が、未だ各地の神社や地名、名産物や食べ物などに影響を与えていると思うと、すごくロマンを感じるんですよね。
彼らが何を食べ何を着ていたのか。どんな楽器でどんな歌を歌っていたのだろうか。狩猟民族なのか農耕民族なのか。。。思いを馳せればきりがありませんが。
一方で、敗れたとされる氏族はどのような思いであっただろうか・・・。私は蝦夷の母禮と阿弖流為の物語が好きで。(好きで、と言ってもあまり笑顔で読める愉快な話でもないのですが。)母禮と阿弖流為の碑などにも訪れて来ました。その話はまた機会があったときに。
古事記や神社について知りはじめるとチラつきはじめる古き氏族たち。今日は 古事記を読み始めて5秒で出てくる という、これから読んでみようという方に向けた記事を書かせていただきました。
一方、それだけを見ても歴史や氏族の影などが見えてくる。もっともっと探求する隙がある。また、当時の人々や暮らしに思いを馳せることができる。。。→ それを考えていくと、現在の日本や文化も見えてくる。
皆さん、記紀に詳しい方・そこそこな方・全然な方。色々な方がいると思いますし、楽しみ方や触れ方はその数だけあると思います。
今回は謎だらけの天之御中主神を取り上げながら、例えば数学のように1+2=3と必ず答えがあるわけではない「謎=考える余地」という部分。私にはそこが魅力であり、楽しみである部分です。私一個人の楽しみ方ですが、ここまで読んでいただいた方にも是非興味を持っていただき、自分なりの楽しみ方を見つけてもらえれば嬉しく思います。
木島坐天照御魂神社(蚕の社)と天之御中主神について書かせていただきました。
ここまで読んでいただけた貴方が、いつか訪れるきっかけになれば嬉しいです。
今日はここまで。
貴方にも善い神縁がありますように。 — ぴちょんさん —
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