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兎神とは
オオクニヌシとヤガミヒメの恋のキューピット。
淤岐島に流されたウサギが、ワニを騙して気多之前まで渡ろうとしましたが、騙していたことがバレて皮をむかれてしまいます。皮をむかれて苦しんでいる時に、オオクニヌシに助けて貰いました。喜んだウサギはオオクニヌシに「あなたの求婚は成功するでしょう」と予言をしました。
名前の由来
素兎(シロウサギ)とは素の兎と言う意味で『毛のない素肌のウサギ』をあらわします。
素っ裸のウサギという意味です。
また、古事記の因幡の白兎にみられるように、ウサギは幸運を導く霊力があるとされています。一方で、オオクニヌシとヤガミヒメの結婚を予言している話から、因幡の白兎は隠岐島の巫女ではないかとも考えられているそうです。
ウサギガミの別名
因幡の白兎/イナバノシロウサギ
兎神/ウサギガミ
兎/ウサギ
白兎神/シロウサギノカミ
など。
ウサギガミの神話
兎とワニ(大国主神) >>
お兄さん達の荷物持ちをしながら、因幡のヤカミヒメの所に行くことになったオオナムチ。
途中で皮を剥がれ苦しんでいるウサギと出会い、ウサギを助けた。喜んだウサギは予言をする。
因幡国(鳥取県東部)の話に『兎(うさぎ)』という名前で登場します。話の舞台は『因幡の高草郡』。内容は古事記の『稲羽之素兎』の説話とほぼ同じです。
ですが、古事記と少し違う内容もあります。
この話ではオオクニヌシに助けて貰ったウサギが「オオクニヌシの求婚が成功する」と前祝をした話も記されておらず、ウサギが八十神(ヤソカミ。オオクニヌシのお兄さん達)に騙された事も記されていません。
ちなみにワニについては『海の中にワニという魚がいた』と記載されています。
ウサギガミの伝承の地
鳥取市北西部の砂浜海岸。
因幡の白兎神話の伝承地とされています。海岸の西に杖突坂(恋坂)の岬があり、その沖に淤岐の島(おきのしま)と呼ばれる岩島があります。両者を繋ぐように、ワニザメの背中に似た岩礁が連なっています。砂丘上に白兎神を祀る『白兎神社』があります。
白兎海岸の西端に突出した岬。
白兎がワニに皮をむかれて怪我をして上陸した岬とされています。
気多之前から北方150メートル沖合にある神話の島で、白兎が流れついた島だといわれています。沖の平坦な所は千畳敷と言われ、東西に通じる洞窟もあるそうです。島と岬の間の波間に見え隠れする岩礁は、ワニの背に例えられています。
淤岐之嶋は特定の場所ではなく、ただ『沖にある島』を指すという説もあります。
兎が傷口を洗った『水門(みなと)』。白兎神社境内にある池。
昔、内海より内海中村まで一面が湖水となっており、池の周囲には蒲草が多く密生していたといいます。この池は、旱天や豪雨の時でも水位の増減がないとされており、別名『不増不減の池』とも呼ばれています。
白兎が蒲の花を敷いて体を干した山であるといわれています。
白兎神社の社地の南方にある日当たりの良い砂丘で、頂上には松の木が生い茂っていましたが、現在は砂を取り民家となっているそうです。
白兎が怪我をして体を横にしていた山。
社地の西方に当たり、羽柴秀吉が此の所に陣し、大崎城(鳥取県鳥取市気高町奥沢見に存在した城)を攻めた所であるといわれています。別名『本陣山』とも言われています。
白兎の東隣にある村の一部。
白兎がここに伏して居たと伝えられていることから、白兎の住居があったと考えられる地だそうです。
鳥取県東部は、因幡(いなば)と呼ばれ、その中心は、かつて八上郡(現在の八頭町・若桜町・鳥取市河原町あたり)にあったとされています。鳥取県八頭町には白兎伝説が色濃く残されており、古くから白兎神への信仰が脈々と息づいています。また、アマテラスが降臨したという伝説も残っているそうです。
その他
白兔は因幡の白兎の神話の内容から、『皮膚病に霊験のある神様』として信仰されています。また医療の神様としての信仰もあります。
さらに、オオクニヌシとヤガミヒメとの縁を見事に取り持ったことから『特定の人との縁結びの神様』として、叶わぬ恋を叶え、特定の人との親交をより深めると信仰されています。遠い国の人も白兎に願えば、早く国に帰れるとも信じられています。
ウサギがワニを騙す民話は東南アジアに多くあるそうです。
御利益(神徳)
開運・子孫繁栄・縁結び など
祀られている神社
●白兎神社(鳥取県鳥取市)
●福本白兎神社(鳥取県八頭郡八頭町福本)
など