日本の神話・古事記の情報発信サイト
日本の神様とは、自然の壮大さや日々の暮らしで大切なこと・はじまりのご先祖様やすごい歴史上の人物など、昔の人々が『尊い!』と感じたものを祀ってきた存在です。
特に、太陽の神アマテラスや、国生みの物語で知られるイザナギ・イザナミなどがよく知られています。
日本では、太陽や月、山や海、川といった自然の中にも、台所など身近な暮らしの中にも、神様がいると信じられてきました。また、菅原道真や徳川家康のように、亡くなった後に神様として祀られるようになった人物もいます。
こうした多くの神々を表す言葉が「八百万(やおよろず)の神」です。八百万とは、八百万柱という正確な数ではなく、「数えきれないほどたくさん」という意味。それほど日本には、さまざまな神様がいらっしゃるのです。
神々の物語を伝える書物として有名なのが、『古事記』と『日本書紀』です。しかし、日本神話はこの二つに書かれたものだけではありません。『風土記』などの書物や、神社に伝わる由緒、地域の言い伝えにも、神々のお話が残っています。同じ神様でも、土地や書物によって違った物語が伝わっていることも、日本神話の面白さのひとつです。
いつも前を通る神社にも、思いがけない物語が残っているかもしれません。まずは、名前を聞いたことのある神様や、身近な神社の神様から。その名前と物語を知ると、日本の神々がぐっと身近に感じられるはずです。
アマテラスやスサノオなどの神話の神々から、お稲荷さん・天神さまなど身近な神様まで。名前を聞いたことのある神様が、どのような存在なのかを紹介します。ここでは、仏教などを通じて伝わり、日本で親しまれてきた神様も取り上げています。
| 神様の名前・読み | どんな神様? |
|---|---|
| 天照大御神(アマテラスオオミカミ) | 太陽の神。『古事記』では高天原を治め、天岩戸の物語などに登場します。伊勢神宮の内宮に祀られています。 |
| 月読命(ツクヨミノミコト) | 月に関わる神。アマテラス・スサノオとともに三貴子と呼ばれます。『古事記』と『日本書紀』では、誕生や登場する物語に違いがあります。 |
| 須佐之男命(スサノオノミコト) | ヤマタノオロチ退治で知られる神。荒々しい振る舞いを見せる一方、クシナダヒメを救う英雄としても描かれています。 |
| 瀬織津姫(セオリツヒメ) | 大祓詞(おおはらえのことば)に登場する、祓いに関わる神。川の流れによって、人々の罪や穢れを大海原へ運び去ると語られています。 |
| お稲荷さん(稲荷神/イナリシン) | 稲や食物に関わり、五穀豊穣や商売繁盛などを願って信仰される神様。ウカノミタマなどが祀られますが、祭神の組み合わせは神社によって異なります。 |
| 八幡さま(八幡神/ハチマンシン) | 応神天皇を中心に、神功皇后や比売神などを祀る八幡信仰の神様。武家からも厚く敬われてきました。共に祀られる神々は神社によって異なります。 |
| 天神さま(菅原道真/スガワラノミチザネ) | 平安時代の学者・政治家、菅原道真が亡くなった後に神様として祀られるようになりました。現在は学問の神として親しまれ、受験や学業成就を願う人々が参拝します。 |
| 七福神(恵比寿・大黒天・弁財天など) | 福をもたらす神様として親しまれる七柱の神々。恵比寿さまは漁業や商売、大黒さまは財福や豊穣、弁天さまは音楽・芸能や財福などに関わる神として知られています。由来は神道・仏教・道教などさまざまで、日本では神仏習合の中で広く信仰されてきました。 |
※神話や祝詞に記された役割と、後世に広がった信仰・ご利益は区別して紹介しています。稲荷神・八幡神・七福神などの呼び名は、必ずしも一柱だけを指すものではありません。
参考:『古事記』『日本書紀』、大祓詞、および各神社の由緒・祭神の説明。神社ごとの伝承は、その神社における由緒として扱っています。
ここからは、『古事記』に登場する神々を、物語の流れに沿って紹介します。系図・相関図で神様どうしのつながりをたどりながら、気になる神様の名前のリンクから詳しい解説をご覧ください。
日本で一番最初に生まれた神様。最初の5柱は特別に「別天つ神(ことあまつかみ)」と呼ばれていて、さらに最初の3柱は「造化の三神」と呼ばれている。
別天つ神の後に生まれた12柱の神様。12柱もいるのになぜ七代なのかというと、トヨクモノまでは性別の無い独神(ひとりがみ)だったんだけど、ウヒヂニ以降は男女ペアで生まれてきたので、2柱セットで数えられた。
イザナキとイザナミが産んだ日本の島々。私たちが住んでいる島も実は神様。
2柱の子に含まれない
大八島国
六島
イザナギとイザナミが産んだ神様たち。人間が島に住めるように、家関連の神様や自然の神様から産んでいる。
家宅などに関わる七神
海と川の三神
速秋津日子・比売に続く八神
風・木・山・野の四神
大山津見・鹿屋野比売に続く八神
神生みの締めくくり
病床から生まれた神々
イザナギの涙から生まれた神
ヒノカグツチ殺害の際、剣についた血や、その死体から生まれた神々。
剣の血から生まれた神々(八神)
迦具土神の死体から生まれた山津見(八神)
剣の別名
黄泉の国のイザナミの体に宿った雷神と、逃げるイザナギを助けた神様たち。
八柱の雷神
黄泉の境界の神々
禊(みそぎ)で道具を脱ぎ捨てた際や、体を洗った時に生まれた神様たち。最後に最も貴い三柱が誕生する。
脱ぎ捨てた物から化生した十二神
災厄と直しの神々
海の六神(綿津見・住吉)
三貴神
アマテラスとスサノオの誓約(うけひ)で生まれた八柱の御子神たち。
アマテラスの勾玉から生まれた五神(男神)
スサノオの剣から生まれた三神(宗像三女神)
アマテラスを岩戸から誘い出すために知恵を絞り、祭祀を行った神様たち。
出雲に降りたスサノオと、オロチの犠牲になりそうだった少女とその両親。
スサノオから大国主神、さらにその子孫へと続く長い家系。出雲の国造りを支えた一族。
スサノオ〜大国主の直系
大国主以降の系譜(主要神)
オオクニヌシ(当時はオオナムヂ)が、兄弟たち(八十神)のいじめに耐えながら出会った神々と兎。
スサノオの試練を乗り越え、強力な協力者と共に地上の国を完成させた神様たち。
根の国の神々
国造りの協力神・御子神
スサノオの子である大年神。農耕や生活の細部を司る八百万の神々の源流。
大年神と主な御子神
高天原から地上を統治するために派遣された神々と、降臨したアマテラスの孫ニニギ。
ニニギの子から、初代天皇である神武天皇へと繋がる、海と陸の物語。
『古事記』に登場しない神様や、『日本書紀』『風土記』『祝詞』、神社の由緒、神仏習合や民間信仰の中で広く親しまれてきた神様たちです。ここでは、細かな系譜よりも「どんな神様として知られているか」が分かるように、代表的な神様をまとめています。
| 神様の名前・読み | どんな神様? |
|---|---|
| 菊理媛(ククリヒメ) | 『日本書紀』の黄泉平坂の場面に登場する女神。白山信仰の祭神としても知られています。 |
| 天津甕星(アマツミカボシ) 別名:天香香背男(アメノカガセオ) | 『日本書紀』の国譲りに登場する星の神。最後まで従わない神として語られます。 |
| 経津主神(フツヌシ) | 『日本書紀』の国譲りで、タケミカヅチとともに派遣される神。香取神宮の祭神として有名です。 |
| 保食神(ウケモチ) | 『日本書紀』に登場する食物の神。月夜見尊との物語で知られ、『古事記』の大宜都比売とも比較されます。 |
| 稚日女尊(ワカヒルメ) | 機織りや神衣に関わる女神。スサノオの乱暴な行いに関わる場面で語られます。 |
| 五十猛神(イソタケル) | 樹木や植林に関わる神として知られます。スサノオの子とされ、紀伊の神社信仰とも結びつきます。 |
| 高龗神(タカオカミ) | 雨や水に関わる神。貴船神社など、水の信仰と深く結びつく神様として知られています。 |
| 神様の名前・読み | どんな神様? |
|---|---|
| 八束水臣津野命(ヤツカミズオミツヌ) | 『出雲国風土記』の国引き神話に登場する神。出雲の土地を引き寄せる力強い物語で知られます。 |
| 佐太大神(サダノオオカミ) | 『出雲国風土記』に見える神。出雲の佐太神社の信仰とも関わり、地域の重要な神様として伝わります。 |
| 夜刀神(ヤトノカミ) | 『常陸国風土記』に登場する蛇の姿をした土地の神。開発と土地の神との関わりを考えるうえでも有名です。 |
| 伊和大神(イワノオオカミ) | 『播磨国風土記』に登場する大神。大汝命や大国主神と関係する神として語られます。 |
| 賀茂別雷神(カモワケイカヅチ) | 『山城国風土記』逸文に伝わる賀茂信仰の神。上賀茂神社の祭神としても知られています。 |
| 豊宇賀能売神(トヨウカノメ) | 『丹後国風土記』逸文に見える神。天女伝説や豊受大神信仰と結びつけて語られることがあります。 |
| 武塔神(ムトウノカミ) | 『備後国風土記』逸文の蘇民将来伝承に登場する神。スサノオと重ねられる神として知られます。 |
| 神様の名前・読み | どんな神様? |
|---|---|
| 瀬織津比売(セオリツヒメ) | 祓戸四神の一柱。大祓詞に登場する祓いの神。罪や穢れを川から大海原へ運び去る神として語られます。 |
| 速開都比売(ハヤアキツヒメ) | 祓戸四神の一柱。大海原に運ばれた罪穢れを飲み込む神。祓戸四神の流れの中で重要な役割を持ちます。 |
| 気吹戸主(イブキドヌシ) | 祓戸四神の一柱。罪穢れを根国・底国へ吹き放つ神。祓いの力がさらに遠くへ移される場面に登場します。 |
| 速佐須良比売(ハヤサスラヒメ) | 祓戸四神の一柱。根国・底国で罪穢れをさすらわせ、失わせる神。大祓詞の祓いの流れを締めくくります。 |
| 大宮売神(オオミヤノメ) | 宮中や神前での言葉・所作に関わる神として知られます。祝詞や祭祀の世界と関係の深い神様です。 |
| 神様の名前・読み | どんな神様? |
|---|---|
| 稲荷大神(イナリオオカミ) | 稲や食物、商売繁盛の神として広く親しまれています。伏見稲荷大社をはじめ、全国の稲荷社で信仰されています。 |
| 八幡大神(ハチマンオオカミ) | 応神天皇を中心に祀る八幡信仰の神。武家や地域の守り神として、全国に広まりました。 |
| 金刀比羅大神(コトヒラオオカミ) | 海上安全や航海守護の神として知られます。讃岐の金刀比羅宮の信仰で有名です。 |
| 丹生都比売神(ニウツヒメ) | 高野山と縁の深い神。丹生都比売神社の祭神として、神仏習合の歴史とも深く関わります。 |
| 高野御子大神(タカノミコノオオカミ) | 丹生都比売神とともに、高野山の信仰と結びつく神。弘法大師を高野山へ導いた神としても伝わります。 |
| 洩矢神(モリヤノカミ) | 諏訪地域の信仰で語られる神。諏訪大社の神話や地域の伝承を考えるうえで知られています。 |
| 神様の名前・読み | どんな神様? |
|---|---|
| 天神さま(菅原道真/スガワラノミチザネ) | 平安時代の学者・政治家。現在は学問の神として広く親しまれています。 |
| 平将門(タイラノマサカド) | 平安時代の武将。将門塚や神田明神などと関わり、強い信仰を集めてきました。 |
| 崇徳天皇(ストクテンノウ) | 保元の乱に関わる天皇。後世には怨霊信仰や鎮魂の対象としても語られ、神として祀られました。 |
| 徳川家康(東照大権現/トウショウダイゴンゲン) | 江戸幕府を開いた人物。死後、東照大権現として祀られ、日光東照宮などで知られています。 |
| 豊国大明神(豊臣秀吉/トヨトミヒデヨシ) | 天下統一を果たした豊臣秀吉を祀る神号。京都の豊国神社などで知られています。 |
| 神様の名前・読み | どんな神様? |
|---|---|
| 恵比寿(エビス) | 漁業や商売繁盛の神として親しまれる神様。七福神の中では日本由来の神とされます。 |
| 大黒天(ダイコクテン) | 財福や豊穣に関わる神。日本では大国主神と重ねて信仰されることもあります。 |
| 弁財天(ベンザイテン) | 音楽・芸能・財福に関わる女神。水辺に祀られることも多く、龍神信仰とも結びつきます。 |
| 毘沙門天(ビシャモンテン) | 武神・守護神として知られる神。仏教の四天王の一尊、多聞天としても信仰されます。 |
| 福禄寿(フクロクジュ) | 幸福・財産・長寿を象徴する神。中国由来の福神として親しまれています。 |
| 寿老人(ジュロウジン) | 長寿をもたらす神として知られます。福禄寿と同じく、中国由来の福神です。 |
| 布袋(ホテイ) | 笑顔と大きな袋で知られる福の神。実在した中国の僧をもとにした神様とされます。 |
| 神様の名前・読み | どんな神様? |
|---|---|
| 龍神様(リュウジンさま) | 水・雨・川・海・滝などと結びつく龍の神格。神社やお寺、民間信仰の中で幅広く親しまれています。 |
| 牛頭天王(ゴズテンノウ) | 疫病除けの神として信仰され、スサノオと重ねられてきた神格。祇園信仰とも関わります。 |
| 宇賀神(ウガジン) | 蛇や龍、水、財福と結びつく神格。弁財天信仰と一体になって祀られることもあります。 |
| 荼枳尼天(ダキニテン) | 仏教由来の神格。日本では稲荷信仰と結びつき、白狐に乗る姿でも知られます。 |
| 妙見さま(ミョウケン) | 北極星や北斗七星への信仰と関わる神仏習合の神格。星の信仰として各地で親しまれています。 |
| 摩多羅神(マタラジン) | 天台宗や芸能、境界の信仰などが重なる神。中世的な信仰の広がりを感じさせる神様です。 |
| 三宝荒神(サンポウコウジン) | かまどや火、家を守る神として親しまれる神様。台所の神様として民間信仰にも広く見られます。 |
※ここでは分かりやすさを優先し、代表的な信仰ごとに分類しています。神様によっては、古い文献の神名、神社の祭神、仏教由来の神格、地域の伝承が重なって伝わる場合があります。
いかがでしたか?
日本の神様の名前や物語を少し知るだけでも、国内旅行や、神社めぐりはぐっと楽しくなります。いつも何気なく通っていた神社にも、『古事記』や『日本書紀』、地域の伝承につながる物語が残っているかもしれません。
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執筆のためのリサーチノート・参考文献
Writer’s Note:
本記事は、國學院大學の公開資料や古典文献・研究資料、各神社の由緒などを参考に、作家・クリエイターであり、古事記学会会員でもある小野寺 優(ラノベ古事記 著者)が執筆しています。本文の記述や研究者の解釈をご紹介しながら、物語を楽しむ視点から、著者自身の考察も添えています。
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