そもそも古事記とは
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宇都志国玉神・顕国玉ウツシクニタマノカミ

ウツシクニタマノカミ
ウツシクニタマノカミ

ウツシクニタマとは

オオクニヌシの別名。

オオクニヌシは他にも多くの名前が伝えられており、農業・山林・鉱業・縁結び・医薬の開発・禁厭の法(鳥や害虫から作物を守る方法)を授けた神様として大物主神(オオモノヌシノカミ)・宇都志国玉神(ウツシクニタマノカミ)・大国玉神(オオクニタマノカミ)とも呼ばれています。

名前の由来

顕国玉・宇都志国玉神/ ウツシクニタマノカミ

現し⇒うつし。顕し。現実にこの世に生きていること。
 国⇒くに。国家、国土。
 魂⇒たましい。霊魂。身体に宿って心の働きをつかさどるとされるもの。古来、肉体から独立したものと考えられた。こころ、精神。
 神⇒神様。

宇都志国玉は現国御魂(ウツシクニタマ)とされています。
ウツシクニタマノカミは『国土の魂の神様』という意味。国土を神格化したものと思われます。

ウツシクニタマノカミの別名

宇都志国主神/ウツシクニヌシノカミ
大國玉・大國魂大神/オオクニタマノカミ
大国主命/ オオクニヌシノミコト
大穴牟遅神/オオナムチノカミ
大己貴・大汝命/オオナムチノミコト
大穴持・大名持神/オオアナモチノカミ
大穴六道尊/オオアナムヂノミコト
国作大己貴命/クニツクリ オオナムチノミコト
国作坐志大穴持命/ クニツクリマシシ オオナムチノミコト
天下治めし大穴持神/アメノシタオサメシ オオアナモチノカミ
五百津鉏々なお取り取らして所造天下大穴持命/イオツスキスキ ナオトリトラシテ アメノシタツクリシシ オオカミ
葦原許色男/アシハラシコオ
大物主葦原許色/オオモノヌシアシハラシコ
葦原醜男・葦原志許乎命/アシハラシコヲノミコト
八千矛神/ヤチホコノカミ
廣矛魂神/ヒロホコノカミ
大物主神/オオモノヌシノカミ
倭大物主櫛甕玉神/ヤマトオオモノヌシ クシミカタマノカミ
大物主櫛甕玉命/オオモノヌシ クシミカタマノミコト
三諸神/ミモロノカミ
三輪大神/ミワノオオカミ
兵頭大神/ヒョウズノオオカミ
農耕祖神/タヅクリノオヤノカミ
伊和大神/イワノオオカミ
八戸掛須御諸神/ヤトカカスミモロノカミ
八戸挂須御命/ヤトカカスミモロノミコト
所造天下大神/ アメノシタツクラシシ オオカミ
幽冥主宰大神・幽冥事知食大神/カクリゴトシメス オオカミ
杵築大神/キヅキノオオカミ
出雲大神/イズモノオオカミ
出雲御蔭大神/イズモミカゲノオオカミ
国造之大神/クニツクラシノオオカミ
国堅大神/クニカタメマシシ オオカミ
国占神/クニシメシタマイ カミ
大地主大神/オオトコヌシノカミ
天下地主神/アメノシタ トコヌシノカミ
大国作神/オオクニツクラシシカミ
縁結神/エンムスビノカミ
福神/フクノカミ
大黒様/ダイコクサマ

など

ウツシクニタマノカミの神話

古事記

系譜(天照大御神と須佐之男命)

スサノオのずーっと後の6代目くらいにオオクニヌシが生まれる。
ウツシクニタマを含め、別名は5つある。

風土記

度会郡(ワタラヒノゴウ)

畝傍の橿原の宮(奈良県橿原市橿原神宮)で神武天皇が、天の日別命に命令して、良い国を求めた時、度会の賀利佐の峰(かりさのみね。伊勢神宮外宮の南東の高倉山)に煙が立っていました。天日別がその煙を見てこう言いました。

「ここには土地の神様がいるらしい」
礼に従って、使者を派遣して様子を伺わせました。

使者が帰って「大国魂(オオクニタマ。立派な土地神の意味で、古事記ではオオクニヌシの別名)がいらっしゃいました」と報告をします。

そこで賀利佐に向かってみると、オオクニヌシが使いの者を出向かせて、天日別を迎えました。次に天日別が無事に川を渡って来られるようにと橋を造らせました。

ところが一晩では橋を造り終えません。
天日別が川を渡る時刻になり、とっさに手近にある梓弓(あずさゆみ。梓の樹で造った丸木の弓。巫女が神霊を呼び寄せるのに使う)を用いて仮の橋を作り渡しました。

その時にオオクニヌシは、弥豆佐々良姫命(ミヅササラヒメノミコト)を天日別の補佐役として献上するために参上させました。

ミヅササラヒメノミコトは土橋郷の岡本村(つちはしのさとのおかもとむら。三重県伊勢市岡本町。外宮の東南)で待ち、天日別が国情視察に出かけた時に、出会いました。天日別が「良い女性と川を渡って出会えたものだ」と言いました。

そこで天日別とミヅササラヒメノミコト渡り会えたことから『度会』と名付けられたそうです。

ウツシクニタマノカミの伝承の地

(別名が多くてややこしいので、オオクニヌシで統一しています)

境内に松の木なし(大國魂神社の七不思議)

これは神様がまだ現世の神様として散歩をしているときの話。
八幡神とオオクニヌシが「武蔵野の野原に行こう」ということで出かけたものの、暗くなっても宿が見当たらない。

八幡神は「ここで待ってて、俺が宿を捜してくる」と言って出かけたが、帰って来なかった。待ちぼうけをうけたオオクニヌシはこう言ったそうだ。

「まつは悲しいもの辛いもの」
「まつは大嫌いだ、まつのはいやだ」

この話から、大國魂神社では『待つ』を『松』にたとえて、植物の松を嫌うようになった。今でも大國魂神社の境内には松の木が一本もなく、松を植えてもすぐに枯れてしまうといわれている。また府中では、正月の門松にも松を使わない習慣が残っている。

その他

くらやみ祭『野口仮屋の儀』

「野口仮屋の饗膳勧盃の古式」 の縁起より。
むかしむかし、武蔵国を造ったオオクニヌシが、はじめてこの府中に降り立った時のお話。

オオクニヌシはある民家に一夜の宿を頼んだが素っ気なく断られ、次に野口家に参り宿を頼んだ。その晩はちょうど主人の妻が出産中であり、お産の穢れを伝えた。

オオクニヌシは、 「お産は決して忌まないから」とのことであったので、主人は丁寧にオオクニヌシを接待した。大國魂神社では毎年くらやみ祭 『野口仮屋の儀』が執り行われている。

御利益(神徳)

縁結び・子授け・夫婦和合・五穀豊穣・養蚕守護・医薬・病気平癒・産業開発・交通・航海守護・商売繁盛・方除・造酒・製薬・人間生活の守護・禁厭(まじない)・農業守護・安産 など

祀られている神社

神社一覧

北海道神宮
大國魂神社

その他

甲子碑・全国各地の出雲・伊豆毛(いずも)・出雲伊波比(いずもいわい)・出雲大神宮・大己貴・大穴牟遅・大穴持・大名持・大御和・兵主・子(ねの)神社と呼ばれる神社など