そもそも古事記とは
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そもそも古事記とは? About KOJIKI

葦原許色男アシハラシコオ
葦原醜男アシハラシコオ

アシハラシコオ
アシハラシコオ

葦原許色男とは

オオクニヌシの別名。

根の国を訪れたオオクニヌシは、スセリビメと恋に落ちた。スセリビメは早速、父であるスサノオにオオクニヌシを紹介する。

その時スサノオは、オオクニヌシを「地上世界にいる醜男(しこお)じゃないか」と呼んだ。なお悪口かどうかは不明である。

名前の由来

葦原許色男/アシハラシコオ

葦原(あしはら)
 ⇒葦原之中国(あしはらのなかつくに)のことで、高天原と黄泉の国の真ん中にある地上世界の事。人や国津神が住んでいるとされる世界。

許色男(しこお)
 ⇒醜男(しこお)のこと。強く、たくましい男という意味。
  醜/鬼(しこ)は強く頑丈なことを表す。また、威力や霊威を称えた言葉でもある。

葦原許色男は『日本国を治める強く偉い人』という意味。
また、『葦原のように野性的で力強い男」という意味もある。

他に、醜男(しこお)は醜い男という意味もあり、醜い男は今で言うブサイク。
なのでアシハラシコオは『地上世界にいるブサイク』という意味も考えられる。

アシハラシコオの別名

大物主葦原許色/オオモノヌシアシハラシコ
葦原醜男・葦原志許乎命/アシハラシコヲノミコト
大穴牟遅神/オオナムチノカミ
大己貴・大汝命/オオナムチノミコト
大穴持・大名持神/オオアナモチノカミ
大穴六道尊/オオアナムヂノミコト
国作大己貴命/クニツクリ オオナムチノミコト
国作坐志大穴持命/ クニツクリマシシ オオナムチノミコト
天下治めし大穴持神/アメノシタオサメシ オオアナモチノカミ
五百津鉏々なお取り取らして所造天下大穴持命/イオツスキスキ ナオトリトラシテ アメノシタツクリシシ オオカミ
大国主命/ オオクニヌシノミコト
八千矛神/ヤチホコノカミ
廣矛魂神/ヒロホコのカミ
大物主神/オオモノヌシノカミ
倭大物主櫛甕玉神/ヤマトオオモノヌシ クシミカタマノカミ
大物主櫛甕玉命/オオモノヌシ クシミカタマノミコト
三諸神/ミモロノカミ
三輪大神/ミワノオオカミ
大國玉・大國魂大神/オオクニタマノカミ
顕国玉・宇都志国玉神/ ウツシクニタマノカミ
兵頭大神/ヒョウズノオオカミ
農耕祖神/タヅクリノオヤノカミ
伊和大神/イワノオオカミ
八戸掛須御諸神/ヤトカカスミモロノカミ
八戸挂須御命/ヤトカカスミモロノミコト
所造天下大神/ アメノシタツクラシシ オオカミ
幽冥主宰大神・幽冥事知食大神/カクリゴトシメス オオカミ
杵築大神/キヅキノオオカミ
出雲大神/イズモノオオカミ
出雲御蔭大神/イズモミカゲノオオカミ
国造之大神/クニツクラシノオオカミ
国堅大神/クニカタメマシシ オオカミ
国占神/クニシメシタマイ カミ
大地主大神/オオトコヌシノカミ
天下地主神/アメノシタ トコヌシノカミ
大国作神/オオクニツクラシシカミ
縁結神/エンムスビノカミ
福神/フクノカミ
大黒様/ダイコクサマ

など

アシハラシコオの神話

古事記

系譜(天照大御神と須佐之男命)

スサノオのずーっと後の6代目くらいにオオクニヌシが生まれる。
オオクニヌシの別名はアシハラノシコオも含め、5つある。

根の堅洲国(ねのかたすくに) >>
根の国を訪れたオオクニヌシは、スセリビメと恋に落ちる。
スセリビメは早速、父であるスサノオにオオクニヌシを紹介した。
スサノオはオオクニヌシを「地上世界にいる醜男(しこお)じゃないか」と呼んだ。
そしてオオクニヌシの試練がはじまる・・。

アシハラシコオの伝承の地

奪谷(うばいたに) 兵庫県

オオクニヌシとアメノヒボコがこの谷を奪い合ったことに由来する。
二柱の土地争奪が激しかったことを記載している。
その激しい土地争奪戦は、谷の地形をつる草のように変形させるほどであったという。
奪谷の場所は不明。

伊奈加川(いなかがわ)

アメノヒボコとオオクニヌシが国の争奪をしていた時に、声高く鳴く馬がいて、この川で出会った。だから伊奈加川(いなかがわ)という。
伊奈加川は、兵庫県穴粟市を流れる菅野川(すがのがわ)である。

宇波良(うはら)の村 兵庫県

宇波良の由来について。
オオクニヌシが国を自分の所有にした時に「この地は狭い。室の戸のようだ」と言った。
だから表戸(うわと)という。

御方里(みかたのさと)兵庫県

御方の由来について記載されている。
オオクニヌシとアメノヒボコが黒土の志爾嵩(くろつちのしにだけ)に登り、各々つる草の様に細長くのびた黒蔓( ツヅラ)を三条(みかた。3つという意味)、足に着けて投げた。
その時、オオクニヌシのツヅラが
・1つめ⇒但馬の気多郡(けたのごう。兵庫県豊岡市・城崎町の南部)
・2つめ⇒夜夫郡(やぶのごう。兵庫県養父市・養父町)
・3つめ⇒村
に落ちた。オオクニヌシのツヅラが落ちたこの村を『三条(みかた。御方)』という。
一方で、アメノヒボコのツヅラは全て、但馬国(たじまこく。兵庫県のこと)に落ちた。
だから、アメノヒボコは但馬の出石(兵庫県豊岡市・出石町)の土地を治めることになったという。

~御方里の別説~

オオクニヌシが形見(土地の占拠の標示)として、杖をこの村に立てた。
なので、杖を立てた村の事を『御形(みかた)』という。
また、オオクニヌシはこの地を治めて、土地から去る時に、その行在(あんざい:高貴な方の仮の住まい)の証に愛用の杖を形見として、その村に刺した。
御形代(形見代)ということで『御形(みかた)』という名前がついたという説もある。

粒丘(いいぼおか)兵庫県たつの市揖保町

ある日突然、海の彼方から船がやって来た。アメノヒボコ率いる新羅軍である。
アメノヒボコは上陸すると、「あなたがこの国の王であるなら、私に定住する所を分けて頂きたい」とオオクニヌシにお願いした。
オオクニヌシはアメノヒボコの高慢な態度にカチンと来たので、アメノヒボコに「あんたの住むところはそこにあるよ」と海を指さした。『あなたに分ける土地はない』という事を遠回しに伝えたのである。

するとアメノヒボコは「ならばこうしよう」と海水を剣でかき回しはじめた。なんとアメノヒボコは、海に住むところを作ったのである。
「コイツはヤバイ」
そう思ったオオクニヌシは、先に国を治めようと思い、粒丘に着いて食事をした。
この時、口からポロポロと米粒が落ちた。だから『粒丘(いいぼおか)』という。

ちなみに、アメノヒボコノミコト(天日槍命)は記紀に伝わる古代朝鮮半島・新羅の王子様。播磨国風土記の中では、韓国から渡って来てオオクニヌシと激しい国土争いを繰り広げている。

玖淵郷(くたみのごう)

オオクニヌシが、天つ神の食糧となる米を作る田んぼの倉を造るための場所を求めて、巡行した。その時、「にわか雨の久多美の山」と言った。だから『久多美(くたみ)』という。

玖淵郷は
・島根県出雲市東郷町
・野石谷町の一部
・久多見町
・東福町一帯
の地域が比定地と考えられている。

出雲の御崎山(いずものみさきやま)

別名「八雲山(やくもやま)」または「蛇山(へびやま)」とも。
旅伏山から弥山までの山麗にオオナムチの社(杵築大社。出雲大社のこと)があると記載されている。

比定地は、島根県出雲市・大社町付近と考えられ、出雲大社がある場所とされる。
この出雲の御崎山というのは、古事記に登場する宇迦山(うかのやま)に該当するという。宇迦(うか)の山は、オオクニヌシが、スセリビメを妻として迎え、一緒に住んだところ。

稚児岩(ちごいわ)

稚児岩は、島根県安来市伯太町上小竹の永江山の切り立った断崖の上にある、高さ20m、幅5mの直立した大岩。
オオクニヌシが、越の八口(こしのやぐち。新潟県岩船郡・関川村八つ口とされる)を治めて帰る時に、この岩の頂きに立ち
「私が国作りをして治めている国は、天つ神の子孫が平和に世を治めて下さい。
ただ、八雲立つ出雲の国は、私がいる国として、青く木の生い茂った山を垣のごとく巡らして、玉のように愛でに愛でて守りましょう」
と出雲国の平定と堅持を宣言したという。
なので島根県安来市伯太町東母理・西母理を中心とした地域を『母理(もり。守りが由来とされる)』というそうだ。

また、オオクニヌシが永江山から宝玉を転がして、その玉が留まったところを鎮座の地としたという言い伝えもあり、その玉は島根県安来市伯太町下小竹にある『玉神社』にご神体として祀られている。

その他

神出神社(かんでじんじゃ)の社伝

神出神社の社伝より一部抜擢。
スサノオとクシナダヒメの二柱が、雌岡山に降りて、薬草を採取し、住民の病を治療したり、禁厭(まじない)を教えて災厄を祓い、農耕を指導して生活の安定をはかるなど、多くの業績により住民からとっても尊敬された。 二柱の間には多くの神様が生まれ、オオナムチもこの地で誕生したという。
このことから、この地を『神出(かんで)』と呼ぶようになった。

雌岡山(めっこうさん)について

兵庫県神戸市・西区神出町にある山。東に約2km離れた雄岡山と2つのため池を挟み対峙する。山は古くから信仰の対象とされ、共に『ふるさと兵庫100山』に選定されている。
また、山頂には神出神社をはじめ裸石神社、姫石神社があり、牛頭天王(スサノオの別名)も祀っていたことから、古くは『天王山』とも呼ばれていた。

御利益(神徳)

縁結び・子授け・夫婦和合・五穀豊穣・養蚕守護・医薬・病気平癒・産業開発・交通・航海守護・商売繁盛・方除・造酒・製薬・人間生活の守護・禁厭(まじない)・農業守護・安産

祀られている神社

神社一覧

神出神社
御形神社
國魂神社
射楯兵主神社
伊和神社

その他
甲子碑・全国各地の出雲・伊豆毛(いずも)・出雲伊波比(いずもいわい)・出雲大神宮・大己貴・大穴牟遅・大穴持・大名持・大御和・兵主・子(ねの)神社と呼ばれる神社など。