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天地が初めて分かたれ、混沌とした宇宙が形を成し始める瞬間に現れる神々の中でも、国之常立神は極めて特異かつ重要な存在!
▼もくじ
古事記・日本書紀での描かれ方
この神様は、文献によって登場の仕方がガラリと変わる、とてもミステリアスな存在なんです。
古事記では、特別な5柱の神様(別天津神)が現れた後、いよいよ本格的に世界が形作られていく「神世七代(かみよななよ)」のトップバッターとして登場します。
独神(ひとりがみ)で、姿を見せない「隠身(かくりみ)」の神様ですが、それは「大地という揺るがない土台」そのものになったからだと考えられています。
面白いことに、日本書紀(本文)では、この国之常立神が宇宙で最初に出現した神様とされています。 ドロドロした混沌の中から、葦(あし)の芽がパッと吹き出すように現れたと言われていて、一切の濁りがない純粋な男性神「純男(すごおとこ・すなお)」とも呼ばれています。
| 神様の名前 | 日本書紀の「本文」 | 日本書紀の「第六の一書」 |
|---|---|---|
| 国之常立神 | 第1番目 (トップバッター!) |
第3番目 |
| 天之常立神 | 登場しない | 第1番目 (まさかのトップ!) |
| 「純男」の記述 | あり (国之常立神のこと) |
あり (天之常立神のこと) |
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宇宙で一番最初に現れた「陰(女性)」の要素を全く含まない「陽(男性)」の神様のことを「純男」と呼びます。
国之常立神とは
一言で言うと、「この地上界の『床(とこ)』を、永久不変に固めてくれた神様」です。
派手な冒険をしたり、誰かと戦ったりするエピソードはありません。でも、それはこの神様が「人格」というよりも、私たちが生きるための「場」や「物理法則」そのものだから。 「目には見えないけれど、絶対にそこにあって、私たちを支えてくれている安心感の塊」のような神様なんです。
名前の由来・意味
「クニ・ノ・トコ・タチ」という響きには、力強い大地のエネルギーが宿っています。
つまり、「大地が永遠に揺るがない土台として、そこに力強く存在していること」を神格化した名前です。
登場する神話(世界の「垂直の軸」を作る)
昨日の「天之常立神」が天の軸なら、この「国之常立神」は地の軸。
この二柱が揃ったことで、宇宙には「上と下」という垂直の軸が完成しました。これにより、天の神様の意志が地上へとまっすぐ降りてくるための「通り道」ができたんです。
これが後の「天孫降臨」へと繋がっていく、壮大な物語の準備作業だったんですね。
伝承の地
山頂に国常立神社があります。天から降ってきたと言われるこの山の頂にこの神様を祀ることで、天のエネルギーを地上の土台にしっかり定着させている、と言われています。
標高1,000mを超える聖地。まさに「宇宙の本体」として、悠久の時間を見守り続けています。
歴史の中で「再発見」された神様
実はこの神様、中世から近代にかけて、神道家たちの間で「宇宙の最高神」として再注目されました。
「厳しいけれど、絶対に正しい秩序を守る神様」として、世の中が乱れた時に「立て替え・立て直し」をしてくれる、という独自の信仰(大本など)にも繋がっています。
時代が混迷するほど、人々はこの「揺るがない土台」を求めたのかもしれませんね!
御利益(神徳)
「根源の神様」ならではの、どっしりと大きな御利益があります。
物事の始まり(第一代)を司るため、新しい挑戦や再スタートを強力に後押ししてくれます。
「常(トコ)」の力で、家庭や仕事の土台をビクともしないものにしてくれます。
「純男(一切の濁りがない)」の力で、不運や悪い気を根底からリセットしてくれます。
私たちの住む場所そのものを守ってくれる、マクロな守護です。
祀られている主な神社
大地と魂の再生を感じられる、パワフルな場所ばかりです。
国常立神社(奈良県・天香久山山頂)
世界の中心を思わせる、静謐な祈りの場です。
御嶽神社(長野県)
山岳信仰の中心。死と再生を司る神様として崇敬されています。
城南宮(京都市)
方除けの大社として、都(地盤)を守護しています。
御岩神社(茨城県)
日本最古の霊山。国之常立神をはじめ、188柱もの神様が山全体に宿っています。
など
執筆のためのリサーチノート・参考文献
Writer’s Note:
本記事は、國學院大學の公開資料をはじめとする古典文献の厳密な記述を参考にしつつ、作家・クリエイターである小野寺 優(ラノベ古事記 著者)の視点から、独自の解釈で構成しています。

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