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オモイカネとは
思慮深く、多くの知恵を持ち、高天原の知恵袋ともいえる存在です。
天岩戸開きや国譲りでもアドバイスをしたりと、重大な場面で頼りにされるインテリ派。
アイディア企画と企画力に優れたイベントプロデューサーといった感じです。
天岩戸開きという企画により、後の色々な産業や芸能文化の源流となったと考えると、オモイカネは優れたクリエーターだったといえます。
天孫降臨ではニニギに同行しました。また、知恵の神、学問や受験の神様、文の神様として信仰されています。栲幡千千姫命(タクハタチヂヒメノミコト)は、オモイカネの妹です。
名前の由来
思・・・オモイ。思慮
兼・・・カネ。兼ね備える
神・・・カミ。神様
思兼は『沢山の人の知恵と思慮を、一柱で兼ね備えるほど智謀に長けている神様』という意味。また、思想や思考、知恵を神格化したものと考えられています。
常世から訪れて長寿・富・幸福をもたらす『常世の神様』とも記されています。
常世(とこよ)とは、古代日本人が思い描く海のはるか彼方にある住人が不老不死の理想郷のことです。死者が行く永遠の世界とされています。
八意(やごころ)は『多くの知恵』という意味であり、立場を変えて思い考えることを意味します。
また、注意深く八方に配慮が行き届くことから、木工職人守護のほか、家運隆昌、出世開運、技術向上をはじめ、特に学問・入試合格の守護神としても信仰を集めています。
オモイカネの別名
八意思兼神/ヤゴコロオモイカネノカミ
思兼神/オモイカネノカミ
思金神/オモイカネノカミ
天思金神/アメノオモイカネノカミ
天思兼神/アメノオモイカネノカミ
常世思金神/トコヨオモイカネノカミ
など
オモイカネの神話
天岩屋戸 >>
アマテラスが引き籠ったので、岩屋から出そうと作戦会議を開くことに。 その時、天の安原に集まった八百万の神様にオモイカネが知恵を授ける。
天之菩卑神と天若日子 >>
国譲りの際、オモイカネはアマテラス達と相談をした。 次々と使者を行かせるも、失敗に終わる。
建御雷神と国譲り >>
再び誰を行かせようかと再び相談をし、タケミカヅチを行かた。 今度は国譲りに成功する。
天孫降臨 >>
ニニギが天孫降臨する際に、同行した。
思兼神は信濃国(しなののくに。長野県)に降り立って信之阿智祝の祖になり、また、秩父国造(ちちぶのくにつくりみやつこ。武蔵国西部を治めた県知事みたいな役職)の祖ともなったとしている。子どもにウワハル・シタハルがいます。
タクハタチヂヒメノミコトはオモイカネの妹と記されています。
オモイカネの『カネ』は、大工道具の最も大切な道具である『カネジャク(曲尺、矩尺)』のカネに通じる事から、大工が家を建築する時に最初に行う手斧初(ちょうなはじめ)の儀式の主祭神ともされています。
思金の文字から、大工道具のカネジャク(曲尺・矩尺)を連想され、 建築の建前で行われる手斧初(ちょうなはじめ)の儀式の主神ともなっています。
*手斧初(ちょうなはじめ)の儀式とは・・
建前にかかる初の日に、正面を南向きにして頭柱を立て、柱の正面に天思兼命(アメノオモイカネノミコト)と書き、右側に手置帆乃神(タオキホオイノミコト)、左側に彦狭命(ヒコサシリノミコト)と記します。 さらに裏面に年月日・建主名を墨で書くという儀式のことです。
御利益(神徳)
技能上達・学問上達・受験合格・出世・開運招福・木工職人守護・入試合格・昇進試験・家運隆昌・出世開運・技術向上 など
祀られている神社
●天安河原宮
●秩父神社
●静神社
●思金神社
●気象神社
●戸隠神社・中社
●蟻通神社
●阿智神社(長野)
など。