そもそも古事記とは
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伊邪那岐命イザナキノミコト
伊弉諾尊イザナキノミコト

イザナギノミコト
イザナキノミコト

イザナキノミコト(伊邪那岐命)とは

イザナキは日本のお父さんとも言える男の神様です。

妹神のイザナミと一緒に日本の島々と神々を産みました。

え!?妹っ!?近親相姦っっ!?

兄妹恋愛キター!!!!

と、お好きな方はなるかもですが、残念ながら当時の「妹」は、「妻」や「愛しい人」。英語の「Honey」と似た意味なので、「妹 伊邪那美」の訳は「妻のイザナミ」と考えられています。

ただ、日本のはじまりの時に対(つい)でナリナリ生まれて来た神様のため、兄妹とも言えなくはないので、兄妹愛がお好きな方も希望は捨てないで!!同じお父さんとお母さんを持つわけではないですが、神話ならではの兄妹夫婦になります。

イザナキとイザナミは『別天つ神』の後に生まれて来た『神世七代』と呼ばれる12柱の神様の中で一番末っ子で、天界(高天原)から地上(葦原の中つ国)に降りて国を作ることになりました。

エッチをして子供を産めば国ができるんじゃないかと考えた二人は、日本で初めての夫婦になります。

ちゃっかり日本初の結婚式まで挙げていたりします。

色々あって、イザナミとは死別してしまうのですが、今でも夫婦神として多賀神社などたくさんの神社に2柱一緒に祀られています。

名前の由来

古事記では『伊邪那岐命』、日本書紀では『伊弉諾尊』と表記されています。読み方は『イザナキノミコト』または『イザナギノミコト』。男神、夫とも記されます。

イザナキとイザナギどっち?

イザナキとイザナギどちらが正しいのか問題について、

現代ではゲームのキャラクターなどで「イザナギ」と呼ばれることが多いので、濁音の方が馴染みがあるでしょう。しかし、元々の表記の「伊邪那岐」の「岐」は清音の「キ」と読むため、記紀においては「イザナキ」が正解となります。

ただ、時代の流れと共に音が濁り、神社の神職さんが唱える祓詞でも「イザナギ」と読まれているので、今やどちらも正解と言えます。

名前の意味

古事記では、イザナキが黄泉の国から帰った後、神様レベルがアップしたことを表すために伊邪那岐大神(イザナキノオオカミ)とも記されています。

言葉の意味を分解すると、

イザナ→誘う(いざなう/さそう)

  キ→男性

になるので、『誘う男性の神様』という意味。

イザナキとイザナミがセットになると、『互いに誘い合う神様』という意味になります。

イザナキノミコトの神話

古事記

別天つ神と神世七代 >>
天と地が別れるといろんな神様が生まれてくる。イザナキとイザナミは神世七代の末っ子。

おのごろ島 >>
別天つ神の命令(無茶ブリ)でイザナキとイザナミは国を作ることに。別天つ神に渡された矛を海に刺してクルクルしたら島ができる。日本初の島。

二神の結婚 >>
イザナキがいきなり「男子の出っ張ってるところと、女子のヘコんでるところをジョイントすれば国ができるんでない??」と誘ってくる。

国生みと神産み >>
人々が国に住めるように島々を生み、人々の暮らしを守るために神々を産む。とにかくバンバン産む。

火の神を斬る >>
イザナミが火の神を産むと、陰部を大火傷して死んでしまう。イザナキが怒りからその神を切り刻むと、製鉄の神々と山の神々が生まれて来た。

黄泉の国 >>
死んでしまったイザナミにどうしても会いたくて、死者の住む黄泉の国へ行くことに。カクカクシカジカあって、それまで不死だった人に寿命ができ、1日1000人死に、1日1500人が産まれることになった。

禊 >>
黄泉の穢れを清めるために日向へ。川で身を清めるとたくさんの神々が生まれる。アマテラス、ツクヨミ、スサノオが有名。

三貴子の分治 >>
アマテラス、ツクヨミ、スサノオにそれぞれ得意分野を活かして国を治めるように頼んだイザナキだが、スサノオが反抗期に。全然言うことを聞かないので、スサノオを追放して自分は隠居生活することに。

日本書紀

鶺鴒(セキレイ)

国を産むためにエッチをしようと思い立ったイザナキとイザナミ。しかし、やり方がわからずに困っていると、どこからかセキレイが飛んできた。そのセキレイが尻尾を上下に振っている姿を見て二神は、エッチの方法を知る。

このことから、セキレイは「教え鳥」や「恋教え鳥」と呼ばれるようになった。 この神話から昔は婚礼の儀式の時には『鶺鴒台』と言う、つがいのセキレイの床飾りを供えていた。

(余談だけど、一血卍傑の鶺鴒台の元ネタもこれ。)

三貴神の誕生

日本書紀ではイザナミがアマテラス、ツクヨミ、スサノオも産む。これは、彼女の死の原因となったヒノカグツチを産んだのが、三貴神の後だったから。

その他、日本書紀の一書(あるふみ=別説のこと)

・イザナキが左手で白銅鏡(ますみのかがみ)を取った時にアマテラス、右手で白銅鏡を取った時にツクヨミが生まれた。首を後に回して見た時にスサノオが生まれた。

・黄泉の国から逃げたイザナキは、黄泉平坂でイザナミと言い争い、ククリヒメに仲介をして貰う。

・神の仕事を全て終えて、あの世に行こうとしていたイザナキは、幽宮を淡路の地に造り、静かに永く隠れた。その淡路の地は、淡路島の伊弉諾神社だという説も。

・仕事を終え、徳もおおきかったので、天に帰って報告をし、日の少宮(わかみや)に留まり住んだ。

イザナキノミコトの伝承の地

天椅立

日本三景で有名な『天橋立』とイザナキの神話が「丹波国風土記」に残っています。

イザナキは『天』に通うために『椅』(ハシゴ)を作って空に『立』てた。しかし、ちょっと目を離して休んでいる間にその椅が倒れてしまう。その倒れた椅が、あの「天椅立」になったとか。今では『椅』が『橋』に変わり「天橋立」と呼ばれています。

倒れないと思っていた椅が倒れてしまい『くしび』に思ったイザナキはその浜を「久志備浜」と名付けた。(くしび→奇び・霊び:霊妙なこと。不思議なこと。)

阿波岐原(あわぎはら)

イザナキが禊を行ったとされる場所。宮崎県の江田神社の近くにある「御池・みそぎが池」ではないかと伝えられています。

比婆山

イザナキが妻のイザナミが葬られたとされる場所。

・鳥取県と島根県の県境の山とする説

・広島県と島根県の県境の山とする説

があります。

吾妻山

イザナキが比婆山に向かって「ああ、吾が妻よ」と山頂に立って呼びかけたことから名前が付いたと伝えられる「吾妻山」があります。

御利益(神徳)

国家安泰・縁結び・夫婦円満・子孫繁栄・商売繁盛・出世・開運招福・家内安全・延命長寿・病気平癒・子宝・安産・子育て

祀られている神社

おのころ島神社
多賀大社
伊弉諾神宮
雄山神社
江田神社
伊佐須美神社
筑波山神社
檜原神社
白山比咩神社
伊佐奈岐宮
三峰神社

など。