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神産巣日神(カムムスビノカミ)とは
神産巣日神(かむむすび、かみむすび、かみむすひ)は、日本でに3番目に生まれた神です。アメノミナカヌシとタカミムスビの次。
この、アメノミナカヌシ、タカミムスビ、カムムスビの3柱は、日本の神様の中でも特別で「造化三神(ぞうかのさんしん)」と呼ばれています。また、この後に生まれる2柱を含めて合計5柱を「別天つ神(ことあまつかみ)」と呼びます。
別天つ神はみんな「独神(ひとりがみ)」ってっゆう、性別の無い神様なのですが、カムムスビは女神の属性を持っています。タカミムスビが男神の属性を持っているので、男女対の神として考えられてきたようです。
(ちなみに、独神なのに女の格好してるってゆうから、うちのカムムスビは、オネェキャラにしましたが、そんな説はありまません。)
「タカミムスビ」と「カムムスビ」の「ムスビ」を男女の「結び」とする考え方もあります。
名前の由来
『古事記』では神産巣日神、『日本書紀』では神皇産霊尊と書かれるカムムスビ。
「産巣日(むすび)」には、苔が生すなどの
「むす」→生産、生成、生命の誕生。
+
「び」→太陽。
って意味と、
「結び」→えっち。
って2つの意味があります。
どっちが本当の意味かってのは諸説あるけど、私は両方派です。
「神」を「むすぶ」という意味の神様なので、万物を創造する神様と言われています。
また、女神であることから、大地母神だという説があります。古事記の中でも農業の起源のお話にカムムスビが出てくることから、大地に力を与える属性があると考えられています。
カムムスビノカミの神話
カムムスビは、出雲神話(スサノオとか、オオクニヌシが出てくる神話)で活躍します。
『出雲風土記』では神魂命として登場し、出雲の神々の母とも言われています。
古事記の中では、オオクニヌシ贔屓。
イザナミが死んだときにはガン無視だったくせに、オオナムチ(オオクニヌシ)が死んだときにはすぐに遣いを送ったことから、うちではイケメン好き設定にしました。
『天地開闢』
アメノミナカヌシが生まれ姿を隠し、タカミムスビが生まれ姿を隠し、カムムスビが生まれ姿を隠す。
『農業の起源』
スサノオが食物の神であるオオゲツヒメを斬り殺した後、オオゲツヒメの頭から蚕、目から稲、耳から粟、鼻から小豆、陰部から麦、尻から大豆が生まれたので、カムムスビがそれらをとって地上に蒔いた。
『因幡の白兎』
因幡の白兎の物語の後、オオナムチ(オオクニヌシ)は八十神に殺される。それを知ったオオナムチのお母さんはひどく悲しみ、カムムスビに「息子を生き返らせてほしい」とお願いに行く。カムムスビは蚶貝姫と蛤貝姫を遣わし、オオナムチを治療。オオナムチは、ちゃっかり蘇生する。
『オオクニヌシの国造り』
オオクニヌシ(オオナムチ)が国造りに悩んで、岬でぼーっとしていると、ちっこい神、スクナビコナが登場。カムムスビの息子だと知ったオオクニヌシはカムムスビに会いに行く。すると、スクナビコナが国造りを手伝ってくれることに。ちゃっかりサポートしてもらう。
以上が古事記に書かれたカムムスビの神話です。
これらのお話から、カムムスビの「オオクニヌシ贔屓全開っぷり」を感じていただければ幸いです。
その他
日本書紀では「オオクニヌシの国譲り」の際、カムムスビが出雲大社の造営もサポートしたという説も載っています。
カムムスビ自ら出雲の神々を招集し、自分が住む高天原の神殿をモデルにして出雲大社を建設したとか。
「どんだけオオクニヌシ好きなんだよ。」
と、思わずツッコみたくなります。
これだけオオクニヌシ贔屓だと、元々出雲の神様なんじゃ・・・と思いますが、タカミムスビと同一神説があることと、古くから宮中で重要な神様とされていることから、「元々は、皇室に深い関係の神だ」という説の方が有力らしいです。
ご利益(神徳)
豊作・縁結び・厄除け・開運招福
祀られている神社
●出雲大社
●八所神社
●四柱神社
●阿羅波比神社
●安達太良神社
●東京大神宮
●高牟神社
●御祖神社
など。