国生み神話 原文

このページでわかること

日本の国土が次々と誕生!

結婚の儀式をやり直したイザナキとイザナミ。
今度こそ、二柱の国生みが本格的に始まる! 淡路島を皮切りに、四国、九州、本州など、日本を形づくる島々が次々と生まれていく。

とにかく数が多い。怒涛の国生み編!!

天武

よっしゃー! 阿礼ちゃん、いくぞぉぉー!!!

阿礼

おおー!!! 大丈夫! ボクならできる! ボクならできる! ボクならできるっ!!!

安万侶

!?!?!?

安万侶

あ、あのぉ……「国生み神話」って一体どんなお話なのでしょうか?

天武

国土が生まれまくる

安万侶

おおっ! ということは、無事に赤ちゃんが生まれて来たんですね!

天武

そう、つまり……

天武

国土が生まれまくるっ!!!

安万侶

二回言われた……

古事記の原文

原文安万侶 生子、淡道之穂之狭別島。次生伊予之二名島。此島者、身一而有面四。毎面有名。故、伊予国謂愛比売、讃岐国謂飯依比古、粟国謂大宜都比売、土左国謂建依別。次生隠伎之三子島。亦名天之忍許呂別。(許呂二字以音。)次生筑紫島。此島亦、身一而有面四。毎面有名。故、筑紫国謂白日別、豊国謂豊日別、肥国謂建日向日豊久士比泥別。(自久至泥以音。)熊曽国謂建日別。(曽字以音。)次生伊伎島。亦名謂天比登都柱。(自比至都以音。訓天如天。)次生津島。亦名謂天之狭手依比売。次生佐度島。次生大倭豊秋津島。亦名謂天御虚空豊秋津根別。故、因此八島先所生、謂大八島国。然後、還坐之時、生吉備児島。亦名謂建日方別。次生小豆島。亦名謂大野手比売。次生大島。亦名謂大多麻流別。次生女島。亦名謂天一根。次生知訶島。亦名謂天之忍男。次生両児島。亦名謂天両屋。(自吉備児島至天両屋島、并六島。)

読み下し文&現代語訳

読み下し文|阿礼

生める子は、淡道あわじの穂ほの狭別さわけの島

現代語訳|不比等

最初に生まれたのは、淡路の穂の狭別の島だった

読み下し文|阿礼

次に伊予いよの二名ふたなの島を生みき。この島は、身み一つにして面四おもよつあり。面毎おもごとに名あり

現代語訳|不比等

次に伊予の二名の島を生んだ。この島には四つの顔があり、それぞれに名がある

読み下し文|阿礼

故かれ、伊予いよの国は愛比売えひめと謂いい、讃岐さぬきの国は飯依比古いいよりひこと謂い、粟あわの国は大宜都比売おおげつひめと謂い、土左とさの国は建依別たけよりわけと謂う

現代語訳|不比等

そして、伊予の国をエヒメ、讃岐の国をイイヨリヒコ、粟の国をオオゲツヒメ、土佐の国をタケヨリワケという

読み下し文|阿礼

次に隠伎おきの三子みつごの島を生みき。亦またの名は天之忍許呂別あめのおしころわけ

現代語訳|不比等

次に隠岐の三子の島を生んだ。別名をアメノオシコロワケという

読み下し文|阿礼

次に筑紫つくしの島を生みき。この島もまた、身一つにして面四つあり、面毎に名あり

現代語訳|不比等

次に筑紫の島を生んだ。この島にも四つの顔があり、それぞれに名がある

読み下し文|阿礼

故かれ、筑紫つくしの国は白日別しらひわけと謂い、豊とよの国は豊日別とよひわけと謂い、肥ひの国は建日向日豊久士比泥別たけひむかひとよくじひねわけと謂い、熊曽くまその国は建日別たけひわけと謂う

現代語訳|不比等

そして、筑紫の国をシラヒワケ、豊国をトヨヒワケ、肥の国をタケヒムカヒトヨクジヒネワケ、熊曽の国をタケヒワケという

読み下し文|阿礼

次に伊岐いきの島を生みき。亦の名は天比登都柱あめひとつばしらと謂う

現代語訳|不比等

次に伊岐の島を生んだ。別名をアメヒトツバシラという

読み下し文|阿礼

次に津つ島を生みき。亦の名は天之狭手依比売あめのさでよりひめと謂う

現代語訳|不比等

次に津島を生んだ。別名をアメノサデヨリヒメという

読み下し文|阿礼

次に佐度さどの島を生みき

現代語訳|不比等

その次に佐度の島を生んだ

読み下し文|阿礼

次に大倭豊秋津おおやまととよあきづ島を生みき。亦の名は天御虚空豊秋津根別あまつみそらとよあきづねわけと謂う

現代語訳|不比等

次に大倭豊秋津島を生んだ。別名をアマツミソラトヨアキヅネワケという

読み下し文|阿礼

故かれ、この八島やしまを先さきに生めるによりて、大八島国おおやしまぐにと謂う

現代語訳|不比等

この八つの島を先に生んだことから、これを大八島国という

読み下し文|阿礼

然しかりて後のち、還かえります時、吉備児島きびのこじまを生みき。亦の名は建日方別たけひかたわけと謂う

現代語訳|不比等

その後、帰る途中で吉備児島を生んだ。別名をタケヒカタワケという

読み下し文|阿礼

次に小豆島あずきじまを生みき。亦の名は大野手比売おおのでひめと謂う

現代語訳|不比等

次に小豆島を生んだ。別名をオオノデヒメという

読み下し文|阿礼

次に大島を生みき。亦の名は大多麻流別おおたまるわけと謂う

現代語訳|不比等

その次に大島を生んだ。別名をオオタマルワケという

読み下し文|阿礼

次に女島ひめじまを生みき。亦の名は天一根あめひとつねと謂う

現代語訳|不比等

次に女島を生んだ。別名をアメヒトツネという

読み下し文|阿礼

次に知訶ちかの島を生みき。亦の名は天之忍男あめのおしおと謂う

現代語訳|不比等

次に知訶の島を生んだ。別名をアメノオシオという

読み下し文|阿礼

次に両児ふたごの島を生みき。亦の名は天両屋あめふたやと謂う

現代語訳|不比等

次に両児の島を生んだ。別名をアメフタヤという

読み下し文|阿礼

(吉備児島より天両屋島まで并あわせて六島)

現代語訳|不比等

(吉備児島からアメフタヤの島まで、合わせて六つの島である)

天武先生の用語解説!

安万侶

うっ……!

天武

安万侶、大丈夫か?

安万侶

まっ……まろ、将来、これを誤字脱字なしで墨で書かなきゃいけないのかって考えたら、プレッシャーで気持ち悪くなってきた……

天武

あはは……しかもこの後、神生みも控えてるからな

安万侶

うわー。まだ増えるんだ……

天武

ここは、サクッと行くか

安万侶

おっ、お願いします!

天武

じゃ、名前だけ並べても、どこのことか分かりにくいからな。まずは地図で確認しようか

安万侶

あーー! これ、助かるーーーーー!!

天武

細かい名前は、読み飛ばしてもOKだ

安万侶

はぁ……ゆうて、まろは一文字の間違いも見逃せないんですがね?

天武

ああ……書く方は苦労するところよなぁ……

安万侶

でも、なんだかんだ読み込んでくれる人もいるからなぁ……頑張らなくちゃ

天武

ははっ! えらいえらい。じゃあ、オレも頑張らなくちゃだな

天武

ざっくり今の地名に置き換えると、こんな感じだ

天武

淡道の穂の狭別の島は『淡路島』
伊予の二名島は『四国』で
伊予国は『愛媛県』
讃岐国は『香川県』
粟国は『徳島県』
土左国は『高知県』
隠伎の三子島は隠岐諸島
筑紫島は『九州』で
筑紫国は『福岡県』
豊国は『大分県』
肥国は『佐賀県と長崎県と熊本県北部』
熊曽国は『熊本県南部と鹿児島県』

天武

ま、古代は古代だから、現代の県境と同じだとは思わないでほしいけど……

安万侶

1つの島なのに顔が4つあるって、不思議な表現ですね?

天武

ああ、ここ面白いよな!

天武

四国と九州を一つの体として、それぞれの中にある四つの国を『四つの顔』みたいに表現してるんだ

天武

これも現代の県とは区切りが違うけど

天武

まぁ、専門家でもなければ、細かく気にしなくていい

安万侶

あれ? そういえば、宮崎県がなくないですか??

天武

ああ。日向国が、だいたい今の宮崎県にあたるんだけど、この国生みでは「日向国」って名前では出てこない

安万侶

む? なんでですか??

天武

それはオレにもわからないな。天孫降臨の地だし、イザナキの禊でも「日向」は出てくるんだけど……

天武

ここでは肥国の別名に「日向」って文字が入ってるから、日向を肥国に含めてるんじゃないかって説もある

天武

ほかにも熊曽国との関係とか、いろんな説があってな。議論し始めると収拾がつかなくなるところだ

安万侶

ふーん

天武

ま、古事記はわからないことだらけだから

天武

答えが欲しいなら、多角的に見て自分が一番しっくりくる説を探すんだな

安万侶

はーい!

天武

じゃー、残りの島を一気に紹介しよう

天武

伊岐島は『壱岐島』
津島は『対馬』
佐度島は『佐渡島』
大倭豊秋津島は、一般には『本州』のこと

天武

ただし、大倭豊秋津島のどこまでを一つの島として意識していたのかは、はっきりとはわからない

安万侶

ああー。本州、広いですもんね……

天武

大八島国はこの国……『日本』のこと

天武

最初に生まれた八つの島をまとめて『大八島国』って呼んでる。だから、このあと生まれる六島はこの『八島』には入らない

安万侶

あ、だから八島なんですね!

天武

そういうこと。で、ラストスパート

天武

吉備児島は岡山県の『児島半島』
小豆島は香川県の『小豆島しょうどしま』
大島は山口県の『屋代島』
女島は大分県の『姫島』
知訶島は『五島列島』
両児島は『男女群島』

安万侶

や……やっと、生み切った……

天武

生むことに関しては、オレらは何もできないからな……もう、尊敬しかないね

安万侶

むん

天武

兎にも角にも、ここで生まれた日本の島々は、みんな名前のある神々なんだ

天武

こうして、イザナミが頑張って生んでくれたんだから、大切にするんだよ?

安万侶

はーい!

天武

じゃ……「国生み神話」は以上だ

天武

続いて「神生み神話」に行くぞー

阿礼

て、天武……お菓子のおかわりが欲しい……

天武

うん……ちょっと、一服してから次行こうな?

このページの神々

国生みをする神
大八島国
伊豫之二名嶋の四つの面
・ 愛比売
エヒメ
伊予国
・ 隠伎之三子島
オキノミツゴ島
隠岐/別名:天之忍許呂別
筑紫嶋の四つの面
大八島国の続き
・ 伊岐嶋
イキ島
壱岐島/別名:天比登都柱
・ 津嶋
ツ島
対馬/別名:天之狭手依比売
・ 佐度嶋
サド島
佐渡島
・ 大倭豊秋津嶋
オホヤマトトヨアキヅ島
本州/別名:天御虚空豊秋津根別
六島
・ 吉備児嶋
キビノコ島
児島半島/別名:建日方別
・ 小豆嶋
アヅキ島
小豆島/別名:大野手比売
・ 大嶋
オオ島
屋代島とする説など/別名:大多麻流別
・ 女嶋
ヒメ島
姫島/別名:天一根
・ 知訶嶋
チカ島
五島列島/別名:天之忍男
・ 両児嶋
フタゴ島
別名:天両屋
Author & Historical Supervisor:小野寺優
Illust:駒碧 × AI × Canva
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