天皇記『アメノヒボコ』
アメノヒボコ
下巻に入る前に、お菓子の神様タジマモリのおじいちゃん、
新羅の王子様、ヒボコは諸事情あって、
ヒボコは、新羅でありがちなワガママ王子様キャラだった。
まぁ、実際に新羅の王子様なのでキャラ設定は全然間違っていないのだけれど。にしても新羅も新羅で1000年以上前から萌えポイントが変わっていないらしい。
彼は神宝を持って
しかしその話しはとっても不思議なものだった。
ある日、新羅の沼のほとりでアグヌマという女性が昼寝をしていたそうだ。すると、なんでか分からないけど、急に彼女の陰部が虹のように輝きだし、お腹がぽっこり膨れた。
一瞬で妊娠したのだ。しかも、今にも生まれそうだ。彼女は慌てて家に帰った。
こうして彼女が生んだのは、赤子ではなく、赤くて大きな玉だった。彼女はとても不気味に思ったが、この話を聞いた商人が『これはきっとスゴイ玉に違いない!』と彼女から玉を貰い受け、大切にしていた。
それから数年後、商人が牛で食べ物を山に運んでいると、ヒボコと出会った。
ヒボコは何を思ったのか「お前、この牛を殺して食べるつもりだろ!!」と食ってかかり、商人を牢屋に入れようとした。商人は「へ?いや、荷物を運んでいただけなのですが ・ ・ ・ 」と、ポカンとすると、ヒボコは顔を真っ赤にして「っっんなわけあるかぁー!!ボクが間違える訳ないだろっ!!ボクを疑うなっ!!バカァーー!!!」と謎の言いがかりをつけた。
困り果てた商人は、あの大切にしていた赤い玉を彼に差し出した。すると、ヒボコは『パァ ・ ・ ・ 』っと
「仕方ないな。貰ってやるよ。見逃してやるからありがたく思うんだなっ!!」
と言って宮殿に帰って行った。
その夜、ヒボコが持ち帰った玉を床に置くと、たちまち玉は美しい娘になった。
彼女の名前はアカルヒメと言い、どうやら父親は日本の神らしい。しかし、そんなことはヒボコにとってどうでもよかった。一目で恋に落ちたヒボコはアカルヒメを正妻として迎え、一緒に暮らすことにした。
それにしても、商人の前では人の姿にならなかったくせに、王子の前で姿を表すとは彼女もしたたかだ。
やがてアカルヒメとの間に子どもが生まれ、2人は幸せに暮らしていた。アカルヒメは毎日おいしい手料理を作ってくれ、ヒボコは彼女のことを心から愛していた。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ が、しかし。この王子様、とっても独占欲が強かった。
「君は黙ってボクのそばにいればいいんだ。」からはじまり、
「ボク以外の男に笑いかけるな!その笑顔はボクだけのものなんだ!!」
「外に出るな!ボク以外の男が君を見つめるのが嫌なんだ!!」
と日々束縛が増して行った。
そして終いには
「何で昨日ボクの夢を見なかったんだ!!ボクは3日も続けて君の夢を見たんだぞっ!!君はボクのことを愛していないのかっっ!?」
と、ブチ切れた。
こーいうのがたまらない女性にとっては良かったのかも知れないが、アカルヒメはそうじゃなかったらしい。彼女もついにブチ切れ、「んなワガママがリアルで通じると思ったら大間違いだっ!国に帰ってやる!!」と言い捨て、小舟で日本に帰ってしまった。
するとヒボコは
「嫌だあぁぁ!君はボクの全てなんだ!!君のいない世界なんて意味が無い!!君がいなかったらボクは生きている意味が無いんだあぁぁっっ!!!」
と言って子どもを連れて日本まで追いかけて来た。
こうして、
と言っても、数年後、彼もサホビメに捨てられることになるのだが ・ ・ ・ それはさておき。
こうしてアカルヒメが、難波に住んでいることを突き止めると、ヒボコは早速、船を出した。しかし、難波の海の神が彼女までの道を遮り、結局辿り着くことができず。船は流され、最終的に但馬国(兵庫県豊岡市)まで流れ着いた。
ヒボコは絶望の中で
やがてヒボコはこのマエツミと結婚し、家庭を築いた。
マエツミはヒボコとアカルヒメとの子どもも、自分の子どものように育ててくれた。そしてその子の孫が、お菓子の神様タジマモリだったのだ。
ヒボコは変な親近感からか4代にも渡って
ちなみにヒボコが