天皇記『履中 反正 允恭天皇』

履中天皇 反正天皇 允恭天皇

墨江の謀反

仁徳天皇(にんとくてんのう)とイワノの息子は4人、そのうち3人が皇位を継ぐことになる。しかし、いつの時代もキャラの濃い親を持つ子供ってのは、影になりがちで ・ ・ ・ 今回は3人まとめてお送りする。

まずは、長男の履中(りちゅう)だ。

履中(りちゅう)は、イワノに次期天皇として大切に育てられたからか、世間知らずのお坊ちゃんって感じで、ちょっと頼りない性格だった。ぶっちゃけ、次男の墨江(すみえ)の方が仕事はできたのだが、変に弟を皇太子に立てて、兄弟同士で揉めるのも嫌だな。と考えた仁徳は、無難に長男を皇太子にしていた。

 

残念ながら、その配慮が逆効果になってしまうのだが ・ ・ ・ ・ ・ ・

 

さて、仁徳が亡くなった翌年。大阪の皇居で新嘗祭(にいなめさい)という口実の元、大宴会が開かれた。家臣たちはゾロゾロと履中(りちゅう)の前に集まって「よっ!天皇!!」「大王かっちょいいっ!!」とか何とか言いながら、次々に酒をついできた。履中(りちゅう)はまだ天皇に即位していなかったのだが、みんなに持ち上げられて、嬉(うれ)しくなってしまい、つい、ガブガブと酒を飲みすぎてしまう。

完全に悪酔いしてしまい、わけわかんない歌は詠うわ、粗相はするわ、すっかり上機嫌になり、ついにはパタリと倒れてしまった。

 

そして数時間後 ・ ・ ・ ・ ・ ・

 

「履中様っ!!いいかげん起きてください!!履中様ってばっ!!!」

 

履中(りちゅう)が気付くと、目の前に家来のアチノが心配そうに覗き込んでいた。

 

「ん~アチノ??もぉ~無理ってば。飲めないって ・ ・ ・ う"ぅ・・うおえぇぇぇ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 」

 

べちゃべちゃべちゃ ・ ・ ・ ・ ・

 

「あぁ ・ ・ ・ ったく。しょーがねぇな ・ ・ ・ ・ ・ ・ 」

 

「あぅ ・ ・ ・ あれ ・ ・ ・ ・ みんなは??てか、ここどこ????何か焦げ臭くない??あ・ ・ ・ ・ あれ? ・ ・ ・ ・ ヤバイ。俺、新嘗祭の後どうしたんだっけ?完全記憶無い。」

「そりゃ、あんた、ずっと爆睡してましたからね。墨江様が屋敷を全部焼き払っちまったんです。謀反ですよ。」

墨江(すみえ)とは、あの仕事ができる次男のことだ。

「えっ ・ ・ ・ ・ 嘘 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 」

「今、大阪の羽曳野らへんです。ほら、追いつかれる前に早く馬乗ってください。大和に向かいます。」

「えっ、何でっっ??なんで、墨江が裏切ったの?? ・ ・ ・ 同じ母親を持った兄弟の謀反なんて聞いたことない ・ ・ ・ ・ ・ 」

「そんなん下っ端の自分が事情を知るわけないでしょう。もう、事は起こっちゃったんです。とにかく、逃げますよ。」

「え ・ ・ ・ ・ もう行くの?」

「追いつかれたら殺されます。あと、もう吐かないでください。敵に場所が知れます。」

 

履中(りちゅう)は、無理やり馬に乗せられた。馬の縦揺れがめちゃめちゃ気持ち悪かったが、頑張って我慢した。

 

「野宿するってわかってたらムシロ(藁を編んだやつ)持ってきたのに ・ ・ ・ 」

「ムシロを常備してる皇太子なんて見たことないっすよ。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ほら、履中様、アレ。」

小高い丘の上まで登ると、仁徳が治めていた大阪の町が一望できた。しかし辺りは一面火に覆われ、美しかった都は見る影も無い。

「嘘 ・ ・ ・ だろ ・ ・ ・ ・ あれ ・ ・ ・ 嫁の家らへんだ ・ ・ ・ ・ ・ ・ みんなちゃんと逃げられたのかな ・ ・ ・ 」

「わかんないです。でも命を狙われていたのは履中様だけでしたから ・ ・ ・ 奥様達はきっと大丈夫ですよ。」

 

アチノは履中(りちゅう)の乗った馬を引き、夜通し大和に向かった。

 

朝方、大阪と奈良の県境ら辺まで来ると、何かに怯えたように少女が走ってきた。彼女に気づき、アチノが声をかける。

「おい、どうかしたのか?」

「この先に武器を持ったおじちゃんたちがたくさん待ち伏せしてるの ・ ・ ・ ・ 大和に行くの??遠回りした方がいいと思うけど ・ ・ ・ 」

「 ・ ・ ・ そうか、ありがとう。助かったよ。」

こうして2人は、遠回りをして大和へ逃げ延び、石上神宮(奈良県天理市)に隠れた。

 

それから数日後、三男の反正(はんぜい)が訪ねてきた。反正(はんぜい)は、なんと身長が3m以上もある巨体で、歯の長さも3cm以上あり、ピチーっと綺麗に整っていて、笑うと眩くギランと光った。履中(りちゅう)はぶっちゃけ小さい頃から、本当に彼が兄弟なのか、いや、人間なのか疑っていた。

 

『あいつ、いつの日か絶対俺のこと食う気だよ ・ ・ ・ 』

 

そんな三男に急に尋ねて来られて、しかも次男に裏切られたばっかりで、不信感丸出しの履中(りちゅう)は、「やだ。無理。怖い。信じらんない。帰って。」と部屋に引きこもった。すると、反正(はんぜい)の大声が聞こえてきた。

 

「兄者ーーー!!!ワシの声が聞こえんのですかあぁぁーー!!??このワシが裏切るとお思いかぁぁーーー!!??」

 

「 ・ ・ ・ ・ ・ つってますけど、どうします?」

と、家来のアチノが履中(りちゅう)の部屋を覗く。

「無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理!!!めっちゃ怖い。何?今のご時世『ワシ』って一人称の弟いる?いないでしょ??あの人、絶対、俺のこと食べる気だよ。」

「はぁ ・ ・ ・ ・ ・ ・ じゃあ、帰ってもらうように言いますね。」

アチノは、反正(はんぜい)に伝言しに向かった。しばらくすると、また大声が聞こえた。

 

「兄者ーー!!!ワシは帰りませんぞーーーー!!!同じ腹から産まれた兄者を殺そうなどと、考えた墨江をワシはもう兄弟とは思いませぬ!!!!兄者をお助けしたいのですーーーっっ!!!」

 

「 ・ ・ ・ ・ ・ ・ つってますけど。」

「なら、墨江を殺してきてよ。そしたら部屋に入れてあげる。」

「はぁ ・ ・ ・ ・ ・ じゃあ、そう伝えますね。」

 

「兄者ーーー!!!分かりましたぞーーー!!!!必ず墨江の首を持って参りましょうっっっっ!!!!」

 

「いやっっ!!首は持って帰って来ないでっっ!!怖いからっっっ!!!見たくないからっっっ!!!!」

 

履中(りちゅう)は大声で返事をした。兄の元気そうな声を聞いた反正(はんぜい)は安心した様子で、意気揚々と大阪に向かった。

 

しかし、反正(はんぜい)は道理をとても大切にする人で、兄を殺そうとした墨江(すみえ)は許せないものの、そのために自分が兄の墨江を殺すのも道理に反していると思った。

そこで考えた反正(はんぜい)は大阪に帰るとすぐに、墨江の側近をしているソバカリという男に声をかけ「墨江を殺るならワシが天皇になり、お主を大臣にしてやる。」と話しを持ちかけた。すると、ソバカリはあっさりと墨江を裏切り、あっという間に殺してしまった。

次男の墨江が殺され、目的を達成した三男の反正(はんぜい)は大和に向かった。だが、反正(はんぜい)にはもうひとつ果たさなければならない約束がある。墨江を殺したソバカリを大臣にすると約束してしまったのだ。

しかし、あんなにあっさり主人を裏切ることができる人間なんて信用できるわけがない。でも、約束を果たさないなんて道理に反する。そこでまた考えた反正(はんぜい)は、大和に向かう道中で自分の家来を集めて、ソバカリのために宴会を開いた。

 

「ソバカリよ、お主の活躍見事であった!!!!」

「はっ!!ありがとうございます。 ・ ・ ・ しかし何でまたこんな時に宴会を??」

「うむ、実はお主にサプライズを用意しておるのだっっ!!!!」

パンパンッ!!と、反正(はんぜい)が手を叩くと家来が次々と宝の山を運んで来た。

「へっ!?こっっ ・ ・ ・ ・ ・ ・ これは??」

「全てお主への褒美だ。お主を大臣として任命するっ!!!」

ソバカリはパァァ~っと目を輝かせ「ありがとうございます!!ありがとうございますっ!!」と喜んだ。

反正(はんぜい)は家来にソバカリを敬うよう指示し、家来たちは次々と「おめでとうございます」といいながら拝んで来た。ソバカリにとっては夢のような時間だった。だって、貴族でもなんでもない自分が大臣になれたのだ。

続いて反正(はんぜい)はでっかい盃を用意し、酒を飲み交わそうと提案した。まずは、反正(はんぜい)が酒を一気に飲み干す。そしてソバカリに盃を渡した。盃は両手じゃないと持てないくらい大きかった。そこに酒を注がれ、ソバカリも一気に酒を飲み干そうと盃を持ち上げた。そして、顔がすっぽりと隠れた瞬間 ・ ・ ・

 

ザシュッッ ・ ・ ・ !!!

 

ソバカリの首が天高く飛んだ。反正(はんぜい)がソバカリの首を刎ねたのだ。超ひどい。しかし、反正(はんぜい)の中での道理はしっかり守られていた。次男を殺す約束も、ソバカリを大臣にする約束も果たしたのだ。首だけになってしまったソバカリは、それでもなんだか幸せそうだった。

 

人を殺めた反正(はんぜい)は「禊(みそぎ)をしてから『明日』石神神宮に行こう。」と言った。このことからこの辺は「飛鳥」と呼ばれるようになった。

次の日。石神神宮についた反正(はんぜい)は、なんとか兄の履中(りちゅう)に信用してもらうことができ、今後について話し合った。そして、履中(りちゅう)は天皇に即位し、履中(りちゅう)を助けた家来のアチノに高い位と褒美を与え、そんなに大した実績も無く64歳で亡くなった。

そして続いて反正(はんぜい)が天皇になり、特に何の実績も無く、60才で亡くなった。

応神天皇、仁徳天皇、履中天皇、反正天皇、允恭天皇、系譜

允恭天皇

最後に残ったのは四男の允恭(いんぎょう)だ。何で今までこんなに影が薄かったのかというと、允恭(いんぎょう)は身体が弱く、小さい頃から病気がちだったのだ。 天皇になるなんて他人事だとずっと考えていた允恭(いんぎょう)は、いざ自分の番が回ってきたときは、全力で断った。

 

「え ・ ・ 無理ですよ ・ ・ ・ ボク持病あるし、もうおじいちゃんですもん ・ ・ ・ ・ ・ 」

 

確かに年齢的にはおじいちゃんなのだが、神の子は老けない設定は健在なので、体の弱い美少年にしか見えない。皇后をはじめ、女中達は「そんなことありません!!允恭様しかいらっしゃいません!!!」とハァハァしながら必死に訴えかけ、ついには断りきれず皇位を継ぐことになった。

允恭(いんぎょう)は皇位を継ぐ前から、貿易などのやり取りで新羅の王と仲が良かった。そのため、この知らせを聞いた新羅の王は、お祝いに81隻分もの船にたくさんの宝を詰め込んで献上してくれた。さらに彼の病気を心配し、新羅イチの名医まで送ってくれた。そしてその医者はたちまち允恭(いんぎょう)の病気を治してしまった。

こうして新羅のおかげで病気が完治した允恭(いんぎょう)は、前々から気になっていた氏と姓の乱れを正すことにした。神話の時代からかなり経っており、神の子孫や、名家を名乗る輩が続出していたのだ。

やり方は、至って簡単。

1)まず、煮えたぎる熱湯鍋を用意します。

2)次に、氏や姓を持つ人に熱湯鍋の前に一列に並んでもらいます。

3)そして、自分の氏または姓を名乗ってもらい、1人づつ熱湯に手を突っ込んでもらいます。

4)最後に彼らが手を火傷(やけど)したか否かを見て火傷(やけど)していたら偽物。火傷(やけど)していなければ本物。

というわけだ。現代の感覚からしてみると、こんなやり方して、余計に氏と姓が乱れたんじゃ ・ ・ ・ と考えてしまうが、当時はこれで正確な判断ができると考えられており、裁判でも用いられた方法だった。

古事記には、『こうして允恭天皇は国中の氏と姓を正確に正しました。』とドヤ顔で綴ってある。

禁断の恋

キナシ、カルノ

さて、允恭(いんぎょう)は体が弱かったという割りには、皇后との間に5男4女と、子だくさんに恵まれていた。その中で允恭(いんぎょう)は長男のキナシを皇太子に立て、皇位を継がせることにしていた。キナシはロマンチストの熱い青年で、家臣にも慕われていたため、允恭(いんぎょう)も安心し切っていた。

しかしある日、そのキナシが詠ったという、とんでもない歌が2つも朝廷内に出回ってしまう。

 

「高い山の上の田んぼに水を通すため、地下を走った管のように、人目につかないよう愛を伝えよう。密かに慕って泣いてくれた君の肌に、今夜こそ触れてみせる。」

 

「笹の葉にあられが打ち付ける音のように、君と激しく体を重ね合うことができたなら、他の人が自分から離れて行ったって構わない。一度でいい。乱れに乱れて抱き合うことさえできたなら、君と離れ離れになったって構わない。」

 

キナシの青春時代の恥ずかしいポエムが朝廷内にばらまかれたのかと思いきや、そうではなかった。この歌を送った相手はカルノ。彼女は同じ母親を持つ妹だ。妹萌え公認の古代でも、同母兄妹の恋はタブーだった。

しかも、この時代の歌はTwitter並の拡散効果があり、瞬く間に国中に2人の関係は知れ渡った。家臣達は、近親相姦など気持ちが悪い。とキナシから離れて行き、3男の安康(あんこう)を皇太子にするべきだと訴えた。

日に日に悪化する家臣たちの態度(たいど)に身の危険を感じたキナシは、武器を用意して家臣のオオマエの家に身を隠すことにした。 すると、三男の安康は先手を打とうと、軍を集めてオオマエの家の前に集まって来た。

 

安康は、小雨が降る中メガホンを片手にキナシに訴えかける。

 

「キナシーキナシ兄ーー!!貴様は完全に包囲されているー!!雨が止んだら出てくるんだーー!!!国の母さんが悲しむぞ!!いい加減、観念しなさーーい!!早く出てこないと攻め込むからなーーっっ!!」

 

すると、慌てて家主のオオマエが外に出てきた。

 

「安康様 ・ ・ ・ 待ってください。これから天皇になるって方が、自分の兄を殺す気ですか??そんなことしたら世の人になんて言われるかわかりませんよ。キナシ様は後ほど私と一緒に自首しますから ・ ・ ・ 今日のところはお引き取りください。」

それもそうだと考えた安康(あんこう)は、素直に引き下がり、キナシはオオマエに連れられて皇居に戻ることになった。しかし近親相姦は罪だ。どんな罰が下るかわからなかった。

 

翌日、オオマエに連れられ、キナシが皇居に向かっていると、道の途中で妹のカルノが現れた。彼女はずっと探してくれていたのだろうか。着物の裾が泥だらけだ。

「キナシ、戻っちゃダメだよ ・ ・ ・ 何されるか分からない。殺されちゃうかもしれないでしょ!?そんなの嫌だっ!!!」

道中でポロポロ涙を流すカルノの姿を見て、キナシは困ったように歌を詠った。

「カルノ ・ ・ ・ お願いだから泣かないで。こんなところで泣かれると君まで変な目で見られるだろ ・ ・ ・ 家に帰るんだ。泣くなら山鳩みたいに忍び泣いてくれ。」

 

結局カルノは、兄を止めることができなかった。キナシは大和から追放(ついほう)され、伊予(愛媛県)に島流しにされることが決まった。

 

そして、刑執行の当日。キナシはカルノに2つの歌を届けた。

 

「空を飛ぶ鳥は恋の遣いだから ・ ・ ・ 鶴の鳴く声が聞こえたら、僕のことを尋ねてくれ。」

「いつの日か必ず君の元に帰るよ。だから僕が留守の間も寝具が汚れないようにしていて欲しい。そしてカルノの寝具も汚れませんように。」

 

こうして、キナシは伊予に流された。キナシが伊予に発つ前、家臣のオオマエがこっそり手紙を渡してくれた。船の中でそれを開くとカルノの歌が書いてあった。

「夏草の茂るあの浜は牡蠣の貝殻が多いそうです。足を踏み入れて怪我をしないように、夜明けを待って返って来てください。」

カルノも、キナシが島を抜けて帰ってくることを願っていた。そしてキナシも隙あらば必ず逃げてカルノの元に戻るつもりだった。

 

しかし、罪人のキナシがそう簡単に島を抜けられるわけもない。キナシは散々帰る方法を探したが、結局、船を手に入れることすらできなかった。
そうこうしているうちに何ヶ月も経過してしまい、妹のカルノはいてもたってもいられなくなってしまう。

 

「あなたがいなくなってからあまりにも長い時間が経ち過ぎました。こんな生活もう耐えられない。山を越えて海を越えて会いに行きます!!今すぐにっっ!!!」

 

そう歌を残すと船に乗ってキナシの元に旅立った。もちろんそんなことは許されることではない。でももうそんな事、どうだってよかった。キナシと結ばれない世界なんてあるだけ無駄なんだ。

 

一方その頃、キナシもカルノを想って歌を歌っていた。

 

「2人で過ごした隠れ家から見えた大きな峰と小さな峰みたいに、当たり前に寄り添いたいだけなのに ・ ・ ・

部屋の隅の飾り矢を普段は手に取ることは無いけれど、いざとなれば手に取るだろう。その日になれば必ず君のことを手に取り抱きしめに行く。だって君は誰よりも大切な僕の妻なんだから。」

 

なかなか、大和に戻れなかったキナシも、毎日カルノの事を想っていた。

 

カルノは伊予に着くと、牡蠣の貝殻の浅瀬を越えて、浜辺を越えてキナシが追放(ついほう)された民家へと向かった。小高い岡の上に人影が見える。キナシだ。間違える訳が無い。

 

「キナシっっっ!!!」

 

「 ・ ・ ・ っっ!? ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ カルノ ・ ・ ・ !!!」

 

カルノはキナシに飛びつき、キナシも強く強く抱きしめた。2人は今、同じ想いだった。キナシは彼女を抱きしめたまま歌を詠う。

 

「ねぇ、カルノ、川辺で鏡に照らされた水晶玉がキラキラ輝いていたのを覚えてる?あの神の宿った宝玉みたいに君のことが愛しくて愛しくてしょうがないんだ。 ・ ・ ・ 君がいる故郷なら帰りたいし、懐かしくも想う。でも君がここにいる今、そんな必要はどこにも無いっ!!」

 

この歌を残し、2人は心中をした。

 

2人の父親である允恭(いんぎょう)はとても悲しんだが、近親相姦の犯罪者を許す訳にもいかなかった。その後、3男の安康を皇太子に立てると78歳で亡くなった。

『系図』仁徳天皇、イワノヒメ、履中天皇、墨江、反正天皇、允恭天皇、キナシ、カルノ、安康、ハツセ

ラノベ古事記がついに書籍化しました!!

サイトで読んでくださった方も楽しんでいただけるように、さらに愛を詰め込みました!!日本神話だけでかなり分厚くなっちゃいましたが、ポチっと応援していただけたら泣いて喜びます。゚(゚^ω^゚)゚。

 『ラノベ古事記』を購入 > 

スポンサードリンク

Amebaマンガは古事記関連の漫画が充実!また、U-NEXTからはラノベ古事記の購入が可能です。無料のおまけの方が豪華なので、よければご利用ください!

人気の記事


日本の神話「古事記」 おすすめ本

古事記(池澤 夏樹)

古事記

現代語訳がとにかく丁寧で美しくて読みやすい作品です。上段に現代語訳、下段に解説が書かれています。現代語訳だけであれば、1日でサラッと読めます。

現代語古事記(竹田 恒泰)

現代語古事記

明治天皇の曾孫にあたる、竹田 恒泰先生の作品です。現代語訳は少し固い印象ですが、解説が面白いのでスラスラ読めてしまいます。日本が好きになります。

愛と涙と勇気の神様ものがたり まんが古事記

まんが古事記

おそらく、一番売れている古事記本です。ふわ先生の初版サイン付きの本を持っているのが自慢。優しいイラストとわかりやすい漫画でスイスイ読めてしまします!