ヤマタオロチ
(八俣遠呂智・八岐大蛇)
古事記に出てくる日本神話の神様『ヤマタオロチ』について、わかりやすく解説します。
ヤマタノオロチについて
古事記・日本書紀に記されている巨大な蛇。
目はホオヅキのように赤く,その体には檜(ひのき)や杉が生え,長さは八つの谷と八つの山に渡るほど大きく、その腹は一面に血が滲んで、赤くただれていたといいます。
出雲の斐伊川上流に住んでおり、三度の飯より酒が好きという大のお酒好きという一面もあります。越の国からやって来ては、毎年一人ずつ娘を食べていましたが、スサノオに退治されちゃいました。
名前の意味や由来について
八俣遠呂智
ヤマタの意味は
『八(やっつ)に俣(わかれた)』
という意味だと考えられています。
また『オロチ』の意味は
・『お』は峰または山。大きなという意味。
・『ろ』は接尾語
・『ち』は霊力、また霊力あるもののこと。蛇の古語である『ミヅチ』や、ヤマカガシ を古来『ヤマカガチ』と呼ぶなどのように、『ち』とは蛇の意味
とされています。
ヤマタノオロチは『八つにわかれた(八岐)大きな蛇(大蛇)』という意味。
そのことから、八つの支流をもつ河川を神格化したものがヤマタノオロチではないかと考えられています。なので、ヤマタノオロチは稲田を襲う水害や河川の氾濫の象徴とも捉えられるそうです。
ヤマタノオロチの別名
○八岐大蛇/ヤマタノオロチ
○八岐大蛇/ヤマタノオロチ
○大蛇/オロチ
○蛇/ヘビ
など
ヤマタノオロチが出てくる神話
古事記
八岐大蛇 >>
高天原から追放されたスサノオが出雲に来た。今迄ブイブイ言わせていたヤマタノオロチは、遂にスサノオに退治される。。
ヤマタノオロチ伝承の地
斐伊川
ヤマタノオロチが住んでいたとされる斐伊川の上流は、古来より良質な砂鉄がよく採れる場所で、たたら製鉄が盛んな地域であったそうです。
一方で斐伊川は、度々氾濫する暴れ川でもありました。古事記に記されているヤマタノオロチの姿について「その腹は一面に血が滲んで、赤くただれていた」という表記があります。
これはたたら製鉄の際に川に流れた鉄を指しており、ヤマタノオロチとたたら製鉄の関係性をあらわしているのではないかとも考えられています。
鳥上(鳥髪)
船通山とも。ヤマタノオロチ神話で有名な所。
スサノオが降り立った場所であり、ヤマタノオロチの住む場所でもあります。
山田神社
長野県佐久市常和の山田神社は蛇石神社とも呼ばれています。
出雲でスサノオがヤマタノオロチを退治した時、オロチの魂が鳥となってこの地まで飛んできて、大きな石に魂が宿ったとされる民話があります。
その他 補足
ヤマタノオロチは本来、山の神様または水神様であり、ヤマタノオロチを祀る民間信仰もあるそうです。また石見神楽演目で「大蛇(おろち)」もあります。
ヤマタノオロチの御利益
不明