天皇記『赤猪子との約束』
赤猪子との約束
性格がアレすぎて、色々と問題を起こしまくってきた
また、道端で女子を襲っちゃうような
雄略天皇
・ ・ ・ ・ なぁ、ワカクサカ?
ワカクサカ
はい?
雄略天皇
若い頃は、たくさん迷惑掛けて悪かったな。
ワカクサカ
えっ!?あなた ・ ・ ・ ・
雄略天皇
あ??
ワカクサカ
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 大好きっっ!!!!
雄略天皇
はぁぁ??いやいや、くっつくなよ。いい歳して恥ずかしいだろ。
ワカクサカ
ブフッッッッ♡♡♡♡♡♡
そんなある日。
思わぬ来客があった。
見ず知らずの老婆が、机100台分はありそうな大量の
???
ぜひとも雄略様にお目通りさせてください。会えば分かるはずです。
と訴えて来たが、門番もこんな怪しい老婆をみすみす通すわけにもいかない。
門番
突然来たって、陛下に会えるわけがないだろう。知らない人間からの
???
しかし ・ ・ ・ ・ ここまで来て、引き下がれません。どうか通してください!!
門番
だめだ、だめだ。
???
お願いします!!雄略様にどうしてもお会いしたいのですっ!!!
門番
だから、だめだと言ってるだろう ・ ・ ・ ・
断っても断ってもなかなか帰ってもらえず、徐々に野次馬も増えていく。
門番が困りきっていると、たまたま
雄略天皇
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 騒がしいな。何かあったのか?
門番
あっ、陛下 ・ ・ ・ すみません、こちらの老婆がどうしても陛下に会いたいと ・ ・ ・ ・ お知り合いでしたか?
雄略天皇
え ・ ・ ・ ・ ・ ・ いや、わかんねーな。ばあさん、アンタ、どこの人だ?
雄略が不思議そうに尋ねると、彼女はボロボロと涙を流し出す。
???
あぁ!!雄略様っ!!また、お会いできて良かった ・ ・ ・ ・ ・ ・
雄略天皇
・ ・ ・ えっ、何っっ??俺ら会ったことあったっけ??
???
はい ・ ・ ・ ・ 私と結婚の約束を♡♡♡
雄略天皇
へ?
雄略をはじめ、周りにいた人間が一斉にふいた。
雄略天皇
ちょっ ・ ・ ・ はぁ??結婚??? ・ ・ ・ そりゃ悪りぃなばあさん、確かにオレ、若いときは女好きで有名だったかもしんないけど、さすがにもう落ち着いたし ・ ・ ・ ・
雄略天皇
あん時も、ばあさんに手を出す程じゃなかったぜ?
アンタ、今、いくつだよ??
???
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 数年前に卒寿を迎えました。
雄略天皇
んーーそうかぁ ・ ・ ・ ・ ・ ・ もう少し早く出会ってれば良かったんだけどなぁ ・ ・ ・ ・ ・ ・
周りの人はまだクスクス笑っている。
???
・ ・ ・ ・ ・ っっ雄略様 ・ ・ ・ やはりお忘れなんですね ・ ・ ・ ・ ・ ・
???
雄略天皇
ん?あかいこ?
彼女の名前を聞くと、
雄略天皇
あれ、
雄略天皇
あ ・ ・ ・ えっと ・ ・ ・
赤猪子
もう、70年前以上前の話になります。三輪山の近くで洗濯をしていたところ、雄略様に声をかけられました。
雄略天皇
あふっっ ・ ・ ・ ・ ・ ・ぇ ・ ・ ・ えっと ・ ・ ・ あの、まさか ・ ・ ・ ・ ・
雄略天皇
ガキのくせにやたら首筋がエロかった女 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
赤猪子
あぁ!!思い出してくださったのですかっ??
雄略天皇
うおおおお思い出しましたぁぁぁぁーーーー!!!!!!
雄略は
門番やまわりのヤジ馬が『マジかよっっ!?』って顔でこちらを見ている。
雄略天皇
あぁ ・ ・ ・ あれだ。あのめっちゃ可愛かった子だ ・ ・ ・ ・ 思い出したよ。言ったよ。オレ。他の男のところへは行くなって。どっか嫁いだら殺すって。
雄略天皇
あの時の俺!!
雄略天皇
バカッッ!!!
雄略が
赤猪子
雄略様のお迎えを待ち望んでいる間に、私も多くの年を重ねてしまいましたから ・ ・ ・ ・ 気付かれなくても無理はありませんよね。
雄略天皇
おっ、おおぉ ・ ・ ・ ・
赤猪子
こんなにやせ細って
雄略天皇
おふっ ・ ・ ・ ・ ・ ・ おぉぉぉ。
赤猪子
けれども、こうしてお待ち申し上げていたことを、伝えずにこのまま死んでいくのも、つらくて悲しくて耐えられなくて ・ ・ ・ ・
雄略天皇
ぐはっっ ・ ・ ・ そそっ、そうか ・ ・ ・ ・ ・ っっ。
もちろん、この時代も神の子老けない設定は健在だ。雄略は100才を超えていたが、見た目はあの頃のままだった。
雄略天皇
あの ・ ・ ・ ・ 昔のことで ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 俺、忘れちゃってて、いや、ほんと、申し訳なかったって言うか ・ ・ ・ ・
赤猪子
えぇ ・ ・ ・
雄略天皇
っっ、その、あんたがその
赤猪子
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
雄略天皇
でででっ、でも!!!それは、その分、ありがたいっつーか、その時間の分だけ、愛おしいは愛おしいっていうか ・ ・ ・ ・ ・ ・
赤猪子
お気遣い ・ ・ ・ ありがとうございます ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
赤猪子
こんな、老婆のために。
雄略天皇
あゔっっ ・ ・ ・
雄略はなんとかフォローしようとするが、言葉に詰まる。
雄略天皇
どうしよう ・ ・ ・ ・ ・ ・ あの、上の上レベルで可愛かった女が、俺のせいで
雄略天皇
ああああああああ、申し訳なさすぎる!!!!
雄略天皇
はっ、そうだ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ こうなったら、思い切って抱くか!!!
雄略はじっと老婆を見つめる。
雄略天皇
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
赤猪子
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
雄略天皇
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
赤猪子
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
雄略天皇
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
赤猪子
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
雄略天皇
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 無理だっっ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
そして、頭を抱えてうずくまった。
雄略天皇
あぁ!!三輪山の
赤猪子
雄略様 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
赤猪子
やっぱり私、根っこみたいに、しなしなですよね。
雄略天皇
いっ!!いやっ!!違うっっ!!!そうゆう意味じゃないっっ!!!!
そして、スグに次の歌を考える。
雄略天皇
引田にある若い栗が取れる林みたいに、若い時に時にあんたを抱いとけばな ・ ・ ・ ・ ・ ・ すげー老けちまったもんだから ・ ・ ・ ・ ・
赤猪子
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
雄略天皇
いや、俺がね??俺がよ???
だから、ちょ ・ ・ ・ その、あっちの方が元気なくて ・ ・ ・ ・ ・ ・
と、
雄略天皇
あああああああ ・ ・ ・ ・ ごめんんんんんん ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
そして、
赤猪子
三輪山の社に神聖で美しい囲いを作ったんです。でも気付かない間に作りすぎて、余ってしまっていたみたいです ・ ・ ・
赤猪子
はぁ。こんなに無駄に囲ってしまって、これから誰を頼りにしたらいいのだろう。一人で神の
雄略天皇
ファッッ!!!
雄略が声にならない声をあげる。
さらに、
赤猪子
赤猪子
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 彼女たちを見ると、どうしても羨ましい気持ちになってしまいます。
雄略天皇
グブフッッッ!!!!!
そして、しばらくの沈黙。
雄略天皇
本当にすみませんでした ・ ・ ・ ・
赤猪子
いえ ・ ・ ・ ・ ・ ・ この気持ちを伝えることができてよかったです。
雄略天皇
あ、そそそうだ ・ ・ ・
赤猪子
えっ?あ。あぁ、別に物が欲しくて来たわけではないのですが ・ ・ ・ ・ ・ でも、そう言うことでしたら ・ ・ ・
雄略天皇
あぅっっ ・ ・ ・ こここっちに蔵がある ・ ・ ・ ・ ・ くらっ ・ ・ ・
家臣
陛下っっ、足元お気をつけください!!
罪悪感から足元もおぼつかなくなってしまった雄略を、家臣が後ろから心配そうに支える。
雄略は、家臣に助けてもらいながら、赤猪子を蔵へと案内した。
赤猪子
わぁ!!
しかし、最初は乗り気でなかった
赤猪子
こんなに綺麗なアクセサリーがたくさん ・ ・ ・ ・ ・ ・
雄略天皇
どれでもいいから ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 遠慮するな。
赤猪子
これなんか、若い頃につけることができたら素敵だったろうな。
赤猪子
・ ・ ・ ・ もう、手遅れだけど。
雄略天皇
あふっ!!
雄略天皇
そそそっっ ・ ・ ・ ・ ・ ・ そうだ、
赤猪子
はい?
雄略天皇
この
赤猪子
あぁ ・ ・ ・ ・ ・
家臣
待った、陛下!!それ、
雄略天皇
やるよ。
家臣
ダメです、陛下!!落ち着いてっっっ!!てか、いつの間に持ち出したの!?!?
赤猪子
あ、でも、こっちの真新しくて綺麗な布の方が。実用性もあるし ・ ・ ・ ・ ・
雄略天皇
わかった、持ってけ。
家臣
陛下っ!!!そっちはこの前、
赤猪子
これは?
雄略天皇
いいぞ、持ってけ。
家臣
あああぁっっ、それはっっっっっ!!!!
雄略天皇
とりあえず喜んでるみたいで、よかった ・ ・ ・ ・
雄略天皇
しかし、このまま帰すのも
ふと考えた雄略は、家臣に声をかける。
雄略天皇
なぁ、朝廷内で一番顔の良い家臣を連れて来てくれ。
家臣
あ、はぁ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ うちの息子じゃ役不足ですかね??
雄略天皇
んーーーー。まぁ、合格ラインか。
家臣
であれば、連れてきますね。
やがて、
雄略天皇
気に入ったものはあったか?
赤猪子
えぇ。こんなにたくさん、ありがとうございますっ!!!これで、老後も安心です。
雄略天皇
ほんと、悪かったな。
赤猪子
いえ、お陰様でスッキリしました!
雄略天皇
そりゃ良かった。
雄略天皇
あぁ、あと、コレ、ウチの若いモンだ。荷物持ちに使ってくれ。
家臣の息子
あ、
赤猪子
はっ ・ ・ ・ ・ あ、ありがとう ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ございます ・ ・ ・
雄略天皇
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
恥ずかしそうに顔を赤らめた
そして、雄略は門のところまで2人を見送った。
赤猪子
勇気を出して来て良かったです。ありがとうございました。
家臣の息子
では、お送りして参りますね。
雄略天皇
あぁ ・ ・ ・ ・ 頼んだぞ。
と、家臣の息子も後ろを振り向こうとした
その瞬間。
家臣の息子
えっ!?
雄略は、彼の肩を力強く掴み、あの大悪天皇の顔つきで耳打ちをした。
雄略天皇
オィ ・ ・ ・ ・ ・
家臣の息子
はっ!!
雄略天皇
今晩、
家臣の息子
へっ???
雄略天皇
逆らったら殺す。
家臣の息子
ヒィィッ!!!
その家臣は恐怖に引き
雄略天皇
じゃあなー。
雄略が笑顔で二人を見送る。
その後、彼らがどうなったのかは誰も知らない。
この可愛すぎる僕らのアイドル雄略は、たくさんの『アホの子』伝説を残したが、その後病気を患ってしまう。
となれば、問題になるのは後継者だ。
雄略天皇
シラカさ、生まれた時から髪が真っ白だっただろ??それ、絶対、神秘的な何かなんだって。
白髪皇子
いや、これは父上が若い頃に散々やらかした呪いだと私は思っていますよ。
雄略天皇
シラカ、皇太子 決定な ★
白髪皇子
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 言われると思った。
こうして、息子の
雄略の子供は、皇后のワカクサカとの間にはおらず、カラヒメとの間に白髪皇子とワカタラシヒメの二人。
御陵は
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