古事記の原文『赤猪子との約束』
『赤猪子との約束』の原文
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原文の概要
天武天皇
雄略は、三輪山の近くで美しい乙女、
安万侶
結婚の約束しておいてそれを忘れてしまうなんて、最低じゃないですか。
天武天皇
そうだなー。
天武天皇
赤猪子はすっかり老いてしまったのに、雄略のほうはまだまだ若々しい感じなのが、見所のひとつでもあるな。
原文&読み下し文
【原文】稗田阿礼
亦一時、天皇遊行到美和河之時、河辺有洗衣童女。其容姿甚麗。天皇問其童女、汝者誰子、答白、己名謂引田部赤猪子。
【読み下し文】藤原不比等
また
【原文】稗田阿礼
爾令詔者、汝不嫁夫。今将喚而、還坐於宮。故、其赤猪子、仰待天皇之命、既経八十歳。
【読み下し文】藤原不比等
ここに詔らしめたまひしく、「
【原文】稗田阿礼
於是赤猪子以為、望命之間、已経多年、姿体痩萎、更無所恃。然非顕待情、不忍於悒而、令持百取之机代物、参出貢献。
【読み下し文】藤原不比等
ここに赤猪子、
【原文】稗田阿礼
然天皇、既忘先所命之事、問其赤猪子曰、汝者誰老女。何由以参来。
【読み下し文】藤原不比等
然るに天皇、既に先に
【原文】稗田阿礼
爾赤猪子答白、其年其月、被天皇之命、仰待大命、至于今日経八十歳。今容姿既耆、更無所恃。然顕白己志以参出耳。
【読み下し文】藤原不比等
ここに赤猪子、答へて白ししく、「その年のその月、天皇の命を
【原文】稗田阿礼
於是天皇、大驚、吾既忘先事。然汝守志待命、徒過盛年、是甚愛悲。心裏欲婚、憚其極老、不得成婚而、賜御歌。其歌曰、
【読み下し文】藤原不比等
ここに天皇、
【原文】稗田阿礼
美母呂能 伊都加斯賀母登
加斯賀母登 由由斯伎加母
加志波良袁登売
【原文】稗田阿礼
又歌曰、
【読み下し文】藤原不比等
また歌ひたまひしく、
【原文】稗田阿礼
比気多能 和加久流須婆良
和加久閉爾 韋泥弖麻斯母能
淤伊爾祁流加母
【原文】稗田阿礼
爾赤猪子之泣涙、悉湿其所服之丹摺袖。答其大御歌而歌曰、
【原文】稗田阿礼
美母呂爾 都久夜多麻加岐
都岐阿麻斯 多爾加母余良牟
加微能美夜比登
【原文】稗田阿礼
又歌曰、
【読み下し文】藤原不比等
また歌ひけらく、
【原文】稗田阿礼
久佐迦延能 伊理延能波知須
波那婆知須 微能佐加理毘登
登母志岐呂加母
【原文】稗田阿礼
爾多禄給其老女以返遣也。故、此四歌、志都歌也。
【読み下し文】藤原不比等
ここに
用語解説
天武天皇
初瀬川の下流の三輪山あたりの流れのこと。
天武天皇
某年某月のこと。
天武天皇
奈良県桜井市にある三輪山のこと。
天武天皇
大神神社があるところだな。
天武天皇
神聖なカシの木の下のことかな。
天武天皇
神聖でおそれ多いなぁってこと。
天武天皇
現在の奈良県桜井市白河あたりのこと。
天武天皇
若いクリの木の林のこと。
天武天皇
若かった時にってこと。
天武天皇
赤土をすりつけて染めた衣服の袖のこと。
天武天皇
築く垣根のこと。
天武天皇
あまりに長く神に仕えて過ごしてとか、築くときに余った土のように取り残されて、って感じかな。
天武天皇
誰に頼ればいいでしょうか、陛下しかおりませんってこと。
天武天皇
神の宮に仕える人のことだから、ここは巫女のこと。
天武天皇
日下の入江のこと。
天武天皇
ハスのこと。
天武天皇
羨ましいなぁってこと。
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