古事記の原文『日本のはじまり』
『日本のはじまり』の原文
古事記の原文をそのまま載せても眠くなってしまうので、天武天皇の時代の人たちのセリフと合わせてお届けしています。
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原文の概要

天武天皇
まずは日本のはじまりの神話からだ。天と地が分かれて、神々が生まれ、イザナギとイザナミが生まれ、国づくりを任される。

安万侶
イザナギとイザナミ??

天武天皇
この国を生んだ神様。

天武天皇
ここからは神々の名前がたくさん出てきて混乱するだろうけど、とりあえず先に進める。わからないことは、後でまとめて質問してね。

安万侶
はーい!
原文&読み下し文

【原文】稗田阿礼
天地初発之時、於高天原成神名、天之御中主神。次高御産巣日神。次神産巣日神。此三柱神者、並独神成坐而、隠身也。

【読み下し文】藤原不比等

【原文】稗田阿礼
次国稚如浮脂而、久羅下那州多陀用弊流之時、如葦牙因萌騰之物而成神名、宇摩志阿斯訶備比古遅神。次天之常立神。此二柱神亦、独神成坐而、隠身也。

【読み下し文】藤原不比等

【原文】稗田阿礼
上件五柱神者、別天神。

【原文】稗田阿礼
次成神名、国之常立神。次豊雲野神。此二柱神亦、独神成坐而、隠身也。

【読み下し文】藤原不比等
次に成れる神の名は、

【原文】稗田阿礼
次成神名、宇比地迩神、次妹須比智迩神。次角杙神、次妹活杙神。次意富斗能地神、次妹大斗乃弁神。次於母陀流神、次妹阿夜訶志古泥神。次伊邪那岐神、次妹伊邪那美神。

【読み下し文】藤原不比等

【原文】稗田阿礼
上件自国之常立神以下、伊邪那美神以前、并称神世七代。

【読み下し文】藤原不比等

【原文】稗田阿礼
(上二柱独神、各云一代。次双十神、各合二神云一代也。)

【読み下し文】藤原不比等
(上の二柱の独神は、各一代と云ふ。次に双へる十神は、各二神を合はせて一代と云ふ。)

【原文】稗田阿礼
於是天神諸命以、詔伊邪那岐命、伊邪那美命、二柱神、修理固成是多陀用弊流之国、賜天沼矛而、言依賜也。

【読み下し文】藤原不比等
用語解説

安万侶
はいはい、へーか、質問してもいいですかー??

天武天皇
はい、安万侶くん。

安万侶
何がわからないのかわからない。

天武天皇
だよなー。

天武天皇
ま、最初は難しいと思うけど、そのうち慣れるから。とりあえずは、分からない用語をざっくばらんに聞いてくれ。

安万侶
はーい!

天武天皇
神様の住む天界のこと。『高い天の上にある原っぱ』ってそのまんまの意味だな。

天武天皇
そ。神様は柱で数えるんだ。1人2人じゃなくて、1柱2柱ってね。

天武天皇
後で男女一対になった神様が出てきただろ?それに対して単独の神様ってこと。

天武天皇
クラゲのようにぷかぷか漂う様子を表している。

天武天皇

天武天皇
高天原の神様のことを『

安万侶
あとは ・ ・ ・ この辺からたくさん神様の名前ばっかり出てきて、ついていけなかった。

天武天皇
だよなー。

天武天皇
『妹』は名前に含まれていないよ。『

天武天皇
それと、『
ま、続けて生まれてきてるから兄妹と呼ぶこともあるけど、現代の感覚で言う『兄妹』とは違う。

天武天皇
飛鳥時代を代表する名歌『紫草のにほへる妹を憎くあらば人妻ゆゑに我恋ひめやも』の中でも元妻に対して『妹』が使われているな。

稗田阿礼
・ ・ ・ 名歌?

安万侶
へー。なんか、すごく昼ドラ臭い歌ですね。

天武天皇
へ?

藤原不比等
フッ!

天武天皇
おい、笑ってんじゃねーよ、不比等。みんな大好きだろうが。昼ドラ。

藤原不比等
ええ。陛下は特にお好きですよね。昼ドラ張りのドロッッドロな展開。

天武天皇
お前さ ・ ・ ・ ・ ・ スルーしてやるから感謝しろな。

藤原不比等
お心遣い、痛み入ります。

天武天皇
・ ・ ・ ま、ここの『妹』は『その妻の』と捉えた方が自然ってコトだ。OK?

安万侶
はい、わかりました!

天武天皇
んー。スルーしてもこの後の話に支障はないけど、1柱ずつ意味を追うのも面白いから、簡単に説明しようか。

天武天皇
安万侶も言葉の意味から、何が起こっているのか想像してごらん。

安万侶
はーい!

天武天皇
最初に生まれたアメノミナカヌシは『天の中心の神』だな。
タカミムスヒとカムムスヒは『
ウマシアシカビヒコヂはさっきも出てきた「アシカビ」。芽吹きを表す『成長の神』、
アメノトコタチは天が固まったことを表す『天の神』、
クニノトコタチは地が固まったことを表す『地の神』、
トヨクモは天と大地を分ける『雲の神』、
ウヒヂニ・スヒヂニは『土や泥の神』、
ツノグヒ・イクグヒは「クヒ」。つまり『杭の神』、
オホトノヂ・オホトノベは「ト」。つまり『戸の神』。

安万侶
あっ!わかりましたっ!!!天界と地上が固まって、地上に空と大地ができて、土地に杭を打ち込んで家を建てるまでを、神様の名前で表現してるんですねっ!!

天武天皇
ふっ!ピュア ・ ・ ・ ・ ・

安万侶
えっ!?違いました???

天武天皇
いや、間違ってないよ。この辺は、合ってるとか間違ってるとかは特になくて、それぞれの神がどんな性質を持っているのか、名前から想像するしかないから ・ ・ ・ いろんな説のある箇所なんだ。

安万侶
ふーん。

天武天皇
オレは、『杭』で『男性』、『戸』で『女性』という概念が生まれたって説推しだな。

安万侶
む?何でですか??それぞれ男女ペアの神様なのに、さらに男女???

天武天皇
ん〜?女性ってのは、誰しも見えないところに扉を隠し持っていてだな ・ ・ ・

稗田阿礼
オイ、天武。『家の完成を表す』って説もあるんだから、別に安万侶が言った通りでいいだろ。

藤原不比等
何でも下ネタに結びつけようとするジジイっているよな。キモチワル。

天武天皇
あらやだ。ジジイ劣勢。

安万侶
えっ!?下ネタ???なんで????

天武天皇
ま、生命がカタチ作られる過程を表している説もあるって話しだ。じゃ、続き。

安万侶
むぅぅ ・ ・ ・ なんか誤魔化された。

天武天皇
続いて生まれた、オモダルは「

天武天皇
アヤカシコネは「ああ!なんて

安万侶
ふーん。だからココだけ名前が

安万侶
む??ねぇねぇ、へーか、ここまでカタチの成り立ちだったのに、なんで急に誘う神様が出てきたんですか??

天武天皇
そりゃ、戸に杭を打つためにはまず誘わないと。

安万侶
戸と杭??さっき不比等さんが下ネタとか言ってた ・ ・ ・

藤原不比等
説のうちの一つだ。ソイツの話をマトモに聞くな。思考回路がジジイ化するぞ。

安万侶
む??

安万侶
・ ・ ・ ・ 戸に杭を打つ下ネタ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

安万侶
はっっ!!!

稗田阿礼
ほれ。おこちゃまが何か気づいたぞ。

安万侶
はぁぁ??まろ、おこちゃまじゃないしっ!!!!ちゃんとわかるしっっ!!!!!!

天武天皇
ふっ ・ ・ ・ だってさ。可愛くない??

稗田阿礼
からかうなよ。

天武天皇
はいはい。

天武天皇
安万侶、他に質問は?

天武天皇
玉で飾った矛。玉はヒスイとかの宝石のことな。

天武天皇
委任すること。

安万侶
わかりましたっ!!ありがとうございますっっ!!!!完璧ですっっ!!!!!

天武天皇
ふっ、よかった。じゃー、続き行くか。

安万侶
わはいっっっ!!!

天武天皇
・ ・ ・ ・ ・ ・ っっ♡