古事記の原文『コノハナサクヤヒメ』
『コノハナサクヤヒメ』の原文
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原文の概要
天武天皇
ウズメはサルタビコから名前を受け継ぐ。サルタビコは海で溺れる。ニニギは美しい女神・サクヤビメと出会う。ニニギが求婚すると、サクヤビメの父神は姉のイワナガヒメを添えて応える。ニニギは、イワナガヒメがあまりに醜いので送り返し、サクヤビメとだけ結婚する。
安万侶
ニニギ様、何気にヒドいことしますね ・ ・ ・
天武天皇
この後さらにやらかすけどな。
安万侶
えっ。
天武天皇
ま、それはさておき、この話はいわゆるバナナ型神話ってやつ。
天武天皇
神が石とバナナのどちらかを選べと言うので、バナナを選んだら短命になってしまう。石を選べば不死になれたのにっていうのが、話のパターン。
原文&読み下し文
【原文】稗田阿礼
故爾詔天宇受売命、此立御前所仕奉、猿田毘古大神者、専所顕申之汝、送奉。亦其神御名者、汝負仕奉。
【読み下し文】藤原不比等
故ここに天宇受売命に詔りたまひしく、「この
【原文】稗田阿礼
是以猿女君等、負其猿田毘古之男神名而、女呼猿女君之事是也。
【原文】稗田阿礼
故、其猿田毘古神、坐阿邪訶時、為漁而、於比良夫貝、其手見咋合而、沈溺海塩。
【原文】稗田阿礼
故、其沈居底之時名、謂底度久御魂、其海水之都夫多都時名、謂都夫多都御魂、其阿和佐久時名、謂阿和佐久御魂。
【原文】稗田阿礼
於是送猿田毘古神而還到、乃悉追聚鰭広物鰭狭物以問言汝者天神御子仕奉耶之時、諸魚皆、仕奉白之中、海鼠不白。
【読み下し文】藤原不比等
【原文】稗田阿礼
爾天宇受売命、謂海鼠云、此口乎、不答之口而、以紐小刀拆其口。
【読み下し文】藤原不比等
ここに天宇受売命、海鼠に云ひしく、「この口や答へぬ口」といひて、
【原文】稗田阿礼
故、於今海鼠口拆也。是以御世、島之速贄献之時、給猿女君等也。
【原文】稗田阿礼
於是天津日高日子番能迩迩芸能命、於笠沙御前、遇麗美人。
【読み下し文】藤原不比等
ここに
【原文】稗田阿礼
爾問誰女、答白之、大山津見神之女、名神阿多都比売、亦名謂木花之佐久夜毘売。
【原文】稗田阿礼
又問有汝之兄弟乎、答白我姉石長比売在也。爾詔、吾欲目合汝奈何、答白僕不得白。僕父大山津見神将白。
【読み下し文】藤原不比等
また「
【原文】稗田阿礼
故、乞遣其父大山津見神之時、大歓喜而、副其姉石長比売、令持百取机代之物奉出。
【原文】稗田阿礼
故爾其姉者、因甚凶醜、見畏而返送、唯留其弟木花之佐久夜毘売以、一宿為婚。
【読み下し文】藤原不比等
故ここにその姉は
【原文】稗田阿礼
爾大山津見神、因返石長比売而、大恥、白送言、我之女二並立奉由者、使石長比売者、天神御子之命、雖雪零風吹、恒如石而、常堅不動坐。
【読み下し文】藤原不比等
【原文】稗田阿礼
亦使木花之佐久夜毘売者、如木花之栄栄坐、宇気比弖貢進。此令返石長比売而、独留木花之佐久夜毘売。故、天神御子之御寿者、木花之阿摩比能微坐。
【読み下し文】藤原不比等
また木花の佐久夜毘売を使はさば、
【原文】稗田阿礼
故、是以至于今、天皇命等之御命不長也。
【読み下し文】藤原不比等
故、ここをもちて今に至るまで、
用語解説
天武天皇
お前が引き受けて、自分の名としなさいってこと。
天武天皇
それでウズメがサルタビコの『猿』の名をもらって、
天武天皇
宮廷神事を担当する職務の名前よ。大嘗祭とか鎮魂祭に奉仕したんだ。
天武天皇
地名だな。現在の三重県松阪市に大阿坂町と小阿坂町があるぞ。
天武天皇
どちらの町にも阿射加神社って同じ名前の神社があるんだ。
天武天皇
タイラガイとかツキヒガイとかいわれているが、実際のところはよくわからないな。
天武天皇
海底に着くってことかな。
天武天皇
泡つぶが上がるってことかな。
天武天皇
泡が割れるってことかな。
天武天皇
鰭は魚のヒレのこと。だからヒレの大きい魚ってことな。
天武天皇
天武天皇
ナマコのこと。
天武天皇
島は
天武天皇
天武天皇
阿多は薩摩国の地名で、現在でいえば鹿児島県日置市と南さつま市あたりだな。
天武天皇
木の花が咲くように美しい女性ってこと。
天武天皇
木の花は特に桜や梅を指すんだが、すぐ散ってしまうところから、ここは桜のほうがしっくりくるな。
天武天皇
岩が長い間ずっと変わらないことを象徴した名前だな。
天武天皇
たくさんの台に山盛りの品物ってこと。結納品だろうな。
天武天皇
そばにおいて使うならばってこと。要するに、妻にするならってことな。
天武天皇
いつまでも変わらずにってこと。
天武天皇
桜の花のように儚いものになるだろうってこと。