古事記の原文『ヤタノワキの歌』

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『ヤタノワキの歌』の原文

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原文の概要

天武天皇

天武天皇

仁徳はヌリノミの家に、イワノを迎えに行く。仁徳はヤタノワキを惜しんで歌を詠む。ヤタノワキは歌を返し、独りで過ごす。

安万侶

安万侶

イワノヒメ様をお迎えに上がったのはいいけど、ヤタノワキ様に未練たらたらって感じですね ・ ・ ・

天武天皇

天武天皇

宮中に皇后不在という一大事が解消したから、ひとまず良しとしようか。

原文&読み下し文

ヤタノワキの歌

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

自大宮上幸行、入坐奴理能美之家時、其奴理能美、己所養之三種虫、献於大后。爾天皇、御立其大后所坐殿戸、歌曰、

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

大宮より上り 幸行 でまして、奴理能美の家に入りましし時、その奴理能美、己が へる 三種 みくさ の虫を大后に献りき。ここに天皇、その大后の坐せる殿戸に 御立 みた ちしたまひて、歌ひたまひしく、

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

都芸泥布 夜麻斯呂売能
許久波母知 宇知斯意富泥
佐和佐和爾 那賀伊幣勢許曽
宇知和多須 夜賀波延那須
岐伊理麻韋久礼

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

つぎねふ 山代女 やましろめ
木鍬 こくは 持ち 打ちし 大根 おほね
さわさわに いへせこそ
打ち渡す やがはえなす
来入 きい 参来 まゐく
とうたひたまひき。

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

此天皇与大后所歌之六歌者、志都歌之歌返也。

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

この天皇と大后と歌ひたまひし六歌は、 志都 しつ 歌返 うたひかへ しなり。

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

天皇恋八田若郎女、賜遣御歌。其歌曰、

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

天皇、八田若郎女を恋ひたまひて、御歌を賜ひ遣はしたまひき。その歌に ひしく、

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

夜多能 比登母登須宜波
古母多受 多知迦阿礼那牟
阿多良須賀波良
許登袁許曽 須宜波良登伊波米
阿多良須賀志売

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

八田 やた 一本菅 ひともとすげ
子持たず 立ちか荒れなむ
あたら 菅原 すがはら
こと をこそ 菅原 すげはら と言はめ
あたら すが
といひき。

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

爾八田若郎女、答歌曰、

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

ここに八田若郎女、答へて歌ひたまひしく、

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

夜多能 比登母登須宜波
比登理袁理登母
意富岐弥斯 与斯登岐許佐婆
比登理袁理登母

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

八田の 一本菅は
独居 ひとりを りとも
大君し よしと聞こさば
独居りとも
とうたひたまひき。

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

故、為八田若郎女之御名代、定八田部也。

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

故、八田若郎女の 御名代 みなしろ として、八田部を定めたまひき。

ヤタノワキの歌

用語解説

安万侶

安万侶

さわさわにって??

天武天皇

天武天皇

ダイコンがさわさわと音を立てる様子に、イワノヒメが騒いでいる様子をかけているってとこかな。

安万侶

安万侶

いへせこそって?

天武天皇

天武天皇

言い立てるからこそってとこかな。

安万侶

安万侶

打ち渡すって??

天武天皇

天武天皇

ここは、見渡されるってこと。

安万侶

安万侶

やがはえなすって??

天武天皇

天武天皇

桑の木の枝がたくさん生えているように、大勢でってとこかな。

天武天皇

天武天皇

桑の葉っぱはカイコのエサになるから、そういう連想から例えに出したんだろうな。

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

歌曲の名前だが、どういう歌い方の歌かはよくわからないんだ。

天武天皇

天武天皇

歌返うたひかへしと対になるもののようだな。

安万侶

安万侶

立ちか荒れなむって??

天武天皇

天武天皇

立ち枯れてしまうのだろうかってこと。

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

惜しい菅だってこと。

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

言葉でこそ、ってこと。

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

清らかな女のこと。

安万侶

安万侶

よしと聞こさばって??

天武天皇

天武天皇

それでよいとおっしゃるならってこと。

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