古事記の原文『黄泉の国』

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『黄泉の国』の原文

古事記の原文をそのまま載せても眠くなってしまうので、天武天皇の時代の人たちのセリフと合わせてお届けしています。

原文を記載するにあたってのルールについては、プロローグ内『原文掲載のルール』をご確認ください。

原文の概要

天武天皇

天武天皇

愛する妻を亡くしたイザナギは、「黄泉の国」までイザナミを迎えに行く。約束を破ってイザナギが見たものは、変わり果てたイザナミの姿だった。

安万侶

安万侶

約束って?

天武天皇

天武天皇

「見ないで」って言われたのに見ちゃったんだよ。

安万侶

安万侶

えー。でも、それはイザナギが悪くないですか??

天武天皇

天武天皇

見るなと言われたらかえって見たくなるのが、人のサガってやつさ。

安万侶

安万侶

イザナギ、神様なのに ・ ・ ・ ・

原文&読み下し文

イザナギ

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

於是欲相見其妹伊邪那美命、追往黄泉国。

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

ここにその 妹 ( いも ) 伊邪那美命を 相見 ( あひみ ) むと 欲 ( おも ) ひて、 黄泉 ( よみの ) 国に追ひ 往 ( ゆ ) きき。

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

爾自殿縢戸出向之時、伊邪那岐命語詔之、愛我那迩妹命、吾与汝所作之国、未作竟。故、可還。

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

ここに 殿 ( との ) の 縢戸 ( さしど ) より出で 向 ( む ) かへし時、伊邪那岐命、語らひ詔りたまひしく、「 愛 ( うつく ) しき 我 ( あ ) が 汝妹 ( なにも ) の 命 ( みこと ) 、 吾 ( あれ ) と 汝 ( いまし ) と作れる国、 未 ( いま ) だ作り竟へず。 故 ( かれ ) 、還るべし」とのりたまひき。

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

爾伊邪那美命答白、悔哉、不速来。吾者為黄泉戸喫。然愛我那勢命、入来坐之事恐。故、欲還、且与黄泉神相論。莫視我。

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

ここに伊邪那美命答へ 白 ( まを ) ししく、「 悔 ( くや ) しきかも、 速 ( と ) く 来 ( こ ) ずて。 吾 ( あ ) は 黄泉戸喫 ( よもつへぐひ ) しつ。然れども 愛 ( うつく ) しき 我 ( あ ) が 汝夫 ( なせ ) の命、入り 来 ( き ) ませる事 恐 ( かしこ ) し。 故 ( かれ ) 、還らむと 欲 ( おも ) ふを、 且 ( しばら ) く 黄泉 ( よもつ ) 神と 相論 ( あげつら ) はむ。 我 ( あ ) をな 視 ( み ) たまひそ」とまをしき。

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

如此白而、還入其殿内之間、甚久難待。

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

かく白してその殿の内に還り入りし 間 ( あひだ ) 、 甚 ( いと ) 久しくて待ち 難 ( かね ) たまひき。

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

故、刺左之御美豆良、湯津津間櫛之男柱一箇取闕而、燭一火入見之時、宇士多加礼許呂呂岐弖、

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

故 ( かれ ) 、左の 御角髪 ( みみづら ) に 刺 ( さ ) せる 湯津津間櫛 ( ゆつつまぐし ) の 男柱 ( をばしら ) 一箇 ( ひとつ ) 取り 闕 ( か ) きて、一つ 火 ( び ) 燭 ( とも ) して入り見たまひし時、 蛆 ( うじ ) たかれころろきて、

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

於頭者大雷居、於胸者火雷居、於腹者黒雷居、於陰者拆雷居、於左手者若雷居、於右手者土雷居、於左足者鳴雷居、於右足者伏雷居、并八雷神成居。

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

頭 ( かしら ) には 大雷 ( おほいかづち ) 居 ( を ) り、胸には 火雷 ( ほのいかづち ) 居 ( を ) り、腹には 黒 ( くろ ) 雷居り、 陰 ( ほと ) には 拆 ( さき ) 雷居り、左の手には 若 ( わか ) 雷居り、右の手には 土 ( つち ) 雷居り、左の足には 鳴 ( なり ) 雷居り、右の足には 伏 ( ふし ) 雷居り、 并 ( あは ) せて 八 ( や ) はしらの 雷神 ( いかづちがみ ) 成 ( な ) り居りき。

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

於是伊邪那岐命、見畏而逃還之時、其妹伊邪那美命、言令見辱吾、

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

ここに伊邪那岐命、 見畏 ( みかしこ ) みて 逃 ( に ) げ 還 ( かへ ) る時、その 妹 ( いも ) 伊邪那美命、「 吾 ( あれ ) に 辱 ( はぢ ) 見せつ」と言ひて ・ ・ ・

用語解説

安万侶

安万侶

ぎゃああああ!!!!!!

藤原不比等

藤原不比等

まだ途中だが?

安万侶

安万侶

えっと、黄泉(よみの)国ってなんですかっ??

天武天皇

天武天皇

地下にあるっていう「死者の国」のことだ ・ ・ ・ ・

天武天皇

天武天皇

家の閉じている戸口のことね。

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

黄泉の国のかまどで炊いた物を食べること。これをすると、黄泉の国の者になりきってしまって、地上には戻れなくなってしまうんだ。一種の儀式だな。

安万侶

安万侶

あぅ ・ ・ ・ ・

藤原不比等

藤原不比等

では、続きを。

安万侶

安万侶

いやっ、相論(あげつら)うって??

天武天皇

天武天皇

「良い」のか「ダメ」なのか議論すること。

安万侶

安万侶

あとあと、ミヅラは??

藤原不比等

藤原不比等

自分も結ってんだろうが。

天武天皇

天武天皇

髪を左右に分けて、耳の辺りで束ねた、古代の成人男子の髪型。ラノベ訳のイザナギも結ってるやつだよ。

安万侶

安万侶

む?成人男性??まろのミヅラは???

藤原不比等

藤原不比等

ググって一番最初に出てきた童子ミヅラだろうな。平安時代にはあったようだが、飛鳥時代は知らん。

安万侶

安万侶

えぇっ!?適当!!!

安万侶

安万侶

む??でも、考えてみれば、「古代人のミヅラ」って言ったら普通、ぴっちりセンター分けですよね。もしかして、前髪があるのもおかしい????

稗田阿礼

稗田阿礼

安万侶、そこは突っ込まないでやれ。

安万侶

安万侶

へ?なんで???

稗田阿礼

稗田阿礼

管理人がどうしてもミヅラに馴染めず、資料をガン無視してキャラデザしたそうだ。

安万侶

安万侶

なんで!?ミヅラ可愛いじゃないですかっっ!!!!

稗田阿礼

稗田阿礼

古代の髪型や服装を史実に基づいて創作したい場合は、自分で調べてもらうしかないな。資料は少ないけど ・ ・ ・

天武天皇

天武天皇

それと余談だが、ミヅラはオレが廃止した。

安万侶

安万侶

え?なんでですか???

天武天皇

天武天皇

・ ・ ・ ・ 冠とミヅラのセットが、クッッッソダサかったからだ。

安万侶

安万侶

ええっ??なんか、この世界、ミヅラに優しくないっっ!!!

天武天皇

天武天皇

ありゃ、日本の黒歴史だな。

安万侶

安万侶

そんなことないですっっ!!!ミヅラ可愛いですっっ!!!!!ミヅラブームこぉぉぉぉぉぉい!!!!!!!

天武天皇

天武天皇

はい。他に質問は??

安万侶

安万侶

むぅぅ。あとは ・ ・ ・ 湯津津間櫛(ゆつつまぐし)って??

天武天皇

天武天皇

歯が多い爪型の櫛ってことかな。縦長の櫛を、髪留めとして挿してたんだろう。

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

櫛の両端にある太い歯。

安万侶

安万侶

えっと、あと、、、うじたかれころろきて ・ ・ ・ ・ ・ は??

天武天皇

天武天皇

・ ・ ・ ・ ・ ウジ虫が集(たか)ってコロロと音を立てているんだな。

安万侶

安万侶

ヒッ!!!

藤原不比等

藤原不比等

じゃ、続きな。

安万侶

安万侶

ふぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!!!

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監修:春比等 Site:いまどき風土記
イラスト:駒碧 Site:わたり雪

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