古事記の原文『大和平定』

『大和平定』の原文

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原文の概要

天武天皇

天武天皇

イワレビコの命を受けたミチノオミとオオクメは、エウカシを呼びつける。ミチノオミとオオクメに迫られたエウカシは、自分が仕掛けた罠で死ぬ。オトウカシが開いた宴で、みんなで久米歌くめうたを歌う。大室では、ヤソタケルが待ち受ける。イワレビコは、その土雲を討とうとして歌を歌う。

安万侶

安万侶

久米歌ってなんですか?

天武天皇

天武天皇

久米舞っていう宮中で行われた儀式的な舞の中で使われた歌でな、元々は久米氏が、宴会の席で舞ったり歌ったりしていたものだろうな。

原文&読み下し文

大和平定

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

爾大伴連等之祖、道臣命、久米直等之祖、大久米命二人、召兄宇迦斯罵詈云、

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

ここに 大伴連 おおとものむらじ おや 道臣 みちのおみの 命、 久米直 くめのあたへ の祖、大久米命の二人、兄宇迦斯を びて、 罵詈 りて云ひけらく、

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

伊賀所作仕奉於大殿内者、意礼先入、明白其将為仕奉之状而、即握横刀之手上、矛由気矢刺而、追入之時、乃己所作押見打而死。

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

が作り仕へ奉れる大殿の内には、おれまづ入りて、その仕へ奉らむとする さま あか まを せ」といひて、すなはち 横刀 たち 手上 たがみ とりしば り、 ほこ ゆけ 矢刺 やざ して、追ひ入るる時、すはなち己が作りし おし に打たえて死にき。

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

爾即控出斬散。故、其地謂宇陀之血原也。

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

ここにすなはち いだ して斬り はふ りき。故、 其地 そこ を宇陀の 血原 ちはら と謂ふ。

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

然而其弟宇迦斯之献大饗者、悉賜其御軍。此時歌曰、

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

しか してその弟宇迦斯が献りし 大饗 おほみあへ をば、悉にその御軍に賜ひき。この時に歌ひけらく、

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

宇陀能 多加紀爾 志芸和那波留

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

宇陀 うだ 高城 たかき 鴫罠 しぎわな

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

和賀麻都夜 志芸波佐夜良受
伊須久波斯 久治良佐夜流

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

が待つや しぎ さや らず
いすくはし くぢら さや

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

古那美賀 那許波佐婆
多知曽婆能 微能那祁久袁 許紀志斐恵泥

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

宇波那理賀 那許波佐婆
伊知佐加紀 微能意富祁久袁 許紀陀斐恵泥

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

後妻 うはなり はさば
いちさかき おほ けくを こきだひゑね

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

畳畳 志夜胡志夜 此者伊能碁布曽
阿阿 志夜胡志夜 此者嘲咲者也

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

ええ しやごしや こはいのごふぞ
ああ しやごしや こは 嘲咲 あざわら ふぞ
とうたひき。

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

故、其弟宇迦斯、(此者宇陀水取等之祖也。)

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

故、その弟宇迦斯、(こは宇陀の水取等の祖なり。)

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

自其地幸行、到忍坂大室之時、生尾土雲八十建、在其室待伊那流。

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

其地 そこ より 幸行 でまして、 忍坂 おさか 大室 おほむろ に到りたまひし時、 土雲 つちぐも 八十建 やそたける 、その室にありて待ちいなる。

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

故爾天神御子之命以、饗賜八十建。

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

故ここに天つ神の御子の みこと もちて、 あへ を八十建に賜ひき。

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

於是宛八十建、設八十膳夫、毎人佩刀、誨其膳夫等曰、聞歌之者、一時共斬。故、明将打其土雲之歌曰、

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

ここに八十建に てて、 八十膳夫 やそかしはで けて、人毎に たち けて、その 膳夫等 かしはでども をし へて ひしく、「歌を聞かば、 一時共 もろとも 斬れ」といひき。故、その土雲を打たむとすることを あか して、歌ひけらく、

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

意佐加能 意富牟盧夜爾
比登佐波爾 岐伊理袁理
比登佐波爾 伊理袁理登母

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

忍坂 おさか 大室屋 おほむろや
人多 ひとさは 来入 きい
さは に 入り居りとも

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

美都美都斯 久米能古賀
久夫都都伊 伊斯都都伊母知
宇知弖斯夜麻牟

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

美都美都斯 久米能古良賀
久夫都都伊 伊斯都都伊母知
伊麻宇多婆余良斯

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

みつみつし 久米の 子等 こら
頭椎 くぶつつい 石椎 いしつつい もち
今撃たば らし
とうたひき。

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

如此歌而、抜刀一時打殺也。

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

かく歌ひて、 たち を抜きて、 一時 もろとも に打ち殺しき。

大和平定

用語解説

安万侶

安万侶

罵詈りてって??

天武天皇

天武天皇

ののしってってこと。

安万侶

安万侶

は??

天武天皇

天武天皇

相手を軽蔑した呼び方で、お前ってとこだな。

天武天皇

天武天皇

矛を振り矢をつがえてってこと。

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

奈良県宇陀市菟田野宇賀志か同市室生田口元上田口あたり。

天武天皇

天武天皇

どちらにも血原橋があるが、宇賀志には大殿伝承地と宇賀神社もあるな。

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

高い所に造った城のこと。

天武天皇

天武天皇

伝承地は宇陀市菟田野の桜実神社あたりだな。

安万侶

安万侶

さやらずって??

天武天皇

天武天皇

罠にかからずってこと。

安万侶

安万侶

いすくはしって??

天武天皇

天武天皇

意味はわからないが、クジラにかかる枕詞だろう。

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

先に娶った妻のこと。

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

おかずを欲しがったらってこと。

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

立柧棱はソバノキのことで、『し』にかかる枕詞。

天武天皇

天武天皇

ソバノキの実は小さくて少ないんだ。

安万侶

安万侶

こきしひゑねって??

天武天皇

天武天皇

たくさんそぎ取ってやれってこと。

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

後から娶った妻のこと。

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

ヒサカキのことで、『おほし』にかかる枕詞。

天武天皇

天武天皇

この木は実が多いからな。

安万侶

安万侶

こきだひゑねって??

天武天皇

天武天皇

『こきだ』は『こきし』とほぼ同じ意味でいいんじゃないかな。

安万侶

安万侶

ええしやごしやって??

天武天皇

天武天皇

バカにしてからかうときの言葉だから、「やーいやーい」ってとこかな。

安万侶

安万侶

こはいのごふぞって??

天武天皇

天武天皇

『いのごふ』は相手を威圧する言葉だから、「ざまあみろ」ってとこだな。

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

奈良県桜井市忍坂あたりのこと。

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

反抗する地方の土着民のこと。

天武天皇

天武天皇

土蜘蛛とも書くな。

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

人名、もしくはたくさんの勇者という意味。

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

一斉にってこと。

安万侶

安万侶

みつみつしって??

天武天皇

天武天皇

『久米』にかかる枕詞だが、意味はよくわからない。

天武天皇

天武天皇

勇猛とか勢いがあるってとこかな~。

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

軍事を職業にしていた集団・久米部くめべの人たちのこと。

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

柄の先がコブ状になった剣のこと。

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

柄の先に石を付けた剣のこと。

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

撃って終わろうってこと。

天武天皇

天武天皇

撃たずに終われるかって感じかな。

安万侶

安万侶

らしって??

天武天皇

天武天皇

良いってこと。

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