古事記の原文『仁徳天皇とクロヒメ』
『仁徳天皇とクロヒメ』の原文
現在、古事記の原文は最低限の情報のみでお届けしております。詳細は『古事記の原文更新お休みのお知らせ』をご確認ください。
古事記の原文をそのまま載せても眠くなってしまうので、天武天皇の時代の人たちのセリフと合わせてお届けしています。
原文を記載するにあたってのルールについては、プロローグ内『原文掲載のルール』をご確認ください。
原文の概要
天武天皇
仁徳の皇后イワノヒメは大のヤキモチ焼き。仁徳は、美人と噂のクロヒメを妻に迎える。クロヒメは、イワノの嫉妬を恐れて故郷に帰る。仁徳は、イワノを騙してクロヒメに会いに行く。仁徳とクロヒメは歌を贈り合う。
安万侶
神代では、スセリビメ様がオオクニヌシ様にヤキモチ焼いてましたね。
天武天皇
仁徳とオオクニヌシを比べてみても、面白いかもな。
原文&読み下し文
【原文】稗田阿礼
其大后石之日売命、甚多嫉妬。故、天皇所使之妾者、不得臨宮中、言立者、足母阿賀迦迩嫉妬。
【原文】稗田阿礼
爾天皇、聞看吉備海部直之女、名黒日売、其容姿端正、喚上而使也。然畏大后之嫉、逃下本国。天皇坐高台、望瞻其黒日売之船出浮海以歌曰、
【読み下し文】藤原不比等
ここに天皇、吉備の
【原文】稗田阿礼
淤岐幣迩波 袁夫泥都羅羅玖
久漏邪夜能 摩佐豆古和芸毛
玖迩幣玖陀良須
【原文】稗田阿礼
故、大后聞是之御歌、大忿、遣人於大浦、追下而、自歩追去。於是天皇、恋其黒日売、欺大后曰、欲見淡道島而、幸行之時、坐淡道島、遥望歌曰、
【読み下し文】藤原不比等
故、大后この御歌を聞きて、
【原文】稗田阿礼
淤志弖流夜 那爾波能佐岐用
伊伝多知弖 和賀久迩美礼婆
阿波志摩 淤能碁呂志摩
阿遅摩佐能 志麻母美由
佐気都志摩美由
【原文】稗田阿礼
乃自其島伝而、幸行吉備国。爾黒日売、令大坐其国之山方地而、献大御飯。於是為煮大御羹、採其地之菘菜時、天皇到坐其嬢子之採菘処歌曰、
【読み下し文】藤原不比等
【原文】稗田阿礼
夜麻賀多迩 麻祁流阿袁那母
岐備比登登 等母迩斯都米婆
多奴斯久母阿流迦
【読み下し文】藤原不比等
とうたひたまひき。
【原文】稗田阿礼
天皇上幸之時、黒日売献御歌曰、
【読み下し文】藤原不比等
天皇
【原文】稗田阿礼
夜麻登幣迩 爾斯布岐阿宜弖
玖毛婆那礼 曽岐袁理登母
和礼和須礼米夜
【原文】稗田阿礼
又歌曰、
【読み下し文】藤原不比等
また歌ひけらく、
【原文】稗田阿礼
夜麻登幣迩 由玖波多賀都麻
許母理豆能 志多用波閉都都
由久波多賀都麻
用語解説
天武天皇
噂が立つとってこと。
天武天皇
足をバタバタさせてってこと。
天武天皇
連なっているってこと。
天武天皇
黒いさやに入った刀って意味で、「さ」にかかる枕詞といわれているな。
天武天皇
はっきりわからないんだが、美しい子ってとこかな。
天武天皇
ここは、船から追い立てて無理に下ろしてってこと。
天武天皇
徒歩で追い出したってこと。
天武天皇
照り輝くって意味で、難波にかかる枕詞。
天武天皇
遠く離れている島のことかな。
天武天皇
山の田畑のこと。
天武天皇
居らせてってことだけど、その最上級の敬語だから、ここはご案内申し上げてってとこかな。
天武天皇
熱い汁物料理のこと。
天武天皇
字からして、アブラナ科の葉野菜のタカナのことだろうな。
天武天皇
遠く離れていてもってこと。
天武天皇
草の下とかに隠れて流れる水って意味で、「下」にかかる枕詞。
天武天皇
ここは、人目を忍んでってとこかな。