古事記の原文『伊吹山の神』

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『伊吹山の神』の原文

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原文の概要

天武天皇

天武天皇

尾張に戻ったヤマトタケルは、ミヤズヒメと結婚する。ヤマトタケルとミヤズヒメは歌を詠み合う。ヤマトタケルは草薙の剣をミヤズヒメの元に残して、伊吹山の神を討伐しに行く。伊吹山の神は、雹を降らせてヤマトタケルを惑わせる。

安万侶

安万侶

どうして剣を置いていったんですか?

天武天皇

天武天皇

ミヤズヒメを守りたかったとか、剣に頼らず自身の力を試したかったとか、相手を甘く見て自分を過信したとか、ここも色々考えられるな。

原文&読み下し文

伊吹山の神

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

自其国越科野国、乃言向科野之坂神而、還来尾張国、入坐先日所期美夜受比売之許。於是献大御食之時、其美夜受比売、捧大御酒盞以献。

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

その国より 科野 しなのの を越えて、すなはち科野の坂の神を 言向 ことむ けて、尾張国に還り来て、 さき の日に ちぎ りたまひし 美夜受 みやず 比売の もと に入りましき。ここに 大御食 おほみけ 献りし時、その美夜受比売、大御 酒盞 さかづき を捧げて献りき。

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

爾美夜受比売、其於意須比之襴、著月経。故、見其月経、御歌曰、

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

ここに美夜受比売、それ おすひ すそ に、 月経 つきのさはり 著きたりき。故、その月経を見て 御歌 みうた よみしたまひしく、

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

比佐迦多能 阿米能迦具夜麻
斗迦麻迩 佐和多流久毘

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

ひさかたの あま 香久 かぐ
利鎌 とかま さ渡る くび

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

比波煩曽 多和夜賀比那袁
麻迦牟登波 阿礼波須礼杼

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

弱細 ひはぼそ 手弱腕 たわやがひな
かむとは あれ はすれど

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

佐泥牟登波 阿礼波意母閉杼
那賀祁勢流 意須比能須蘇爾
都紀多知迩祁理

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

むとは あれ は思へど
せる おすひ すそ
月立ちにけり
とうたひたまひき。

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

爾美夜受比売、答御歌曰、

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

ここに美夜受比売、御歌に答へて ひしく、

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

多迦比迦流 比能美古
夜須美斯志 和賀意富岐美

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

高光 たかひか 日の御子
やすみしし が大君

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

阿良多麻能 登斯賀岐布礼婆
阿良多麻能 都紀波岐閉由久

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

あらたまの とし 来経 きふ れば
あらたまの 月は 来経往 きへゆ

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

宇倍那宇倍那宇倍那 岐美麻知賀多爾
和賀祁勢流 意須比能須蘇爾
都紀多多那牟余

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

うべ うべ うべ 君待ち がた
せる おすひ の裾に
月立たなむよ
といひき。

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

故爾御合而、以其御刀之草那芸剣、置其美夜受比売之許而、取伊服岐能山之神幸行。

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

故ここに 御合 みあひ したまひて、その 御刀 みはかし の草薙剣を、その美夜受比売の許に置きて、 伊吹 いぶき の山の神を取りに 幸行 でましき。

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

於是詔、茲山神者、徒手直取而、騰其山之時、白猪逢于山辺。其大如牛。

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

ここに詔りたまひしく、「この山の神は、 徒手 むなで ただ に取りてむ」とのりたまひて、その山に のぼ りましし時、 白猪 しろゐ 山の辺に へり。その大きさ牛の如くなりき。

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

爾為言挙而詔、是化白猪者、其神之使者。雖今不殺、還時将殺而騰坐。

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

ここに 言挙 ことあげ して詔りたまひしく、「この白猪に れるは、その神の 使者 つかひ ぞ。今殺さずとも、還らむ時に殺さむ」とのりたまひて のぼ りましき。

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

於是零大氷雨、打惑倭建命。(此化白猪者、非其神之使者、当其神之正身、因言挙見惑也。)

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

ここに おほ 氷雨 ひさめ らして、倭建命を打ち まど はしき。(この白猪に化れるは、その神の使者にあらずて、その神の正身に当たりしを、言挙によりて惑はさえつるなり。)

ヤマトタケル

用語解説

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

現在の長野県あたりのこと。

天武天皇

天武天皇

信濃とも書くな。

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

女性の生理現象のこと。

天武天皇

天武天皇

血が出るから、それが上着の裾に付いていたんだな。

安万侶

安万侶

ひさかたのって??

天武天皇

天武天皇

天とか、空に関係する言葉にかかる枕詞。

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

鋭い鎌のようにってこと。

天武天皇

天武天皇

か弱くて細いしなやかな腕のこと。

安万侶

安万侶

月立ちにけりって??

天武天皇

天武天皇

月が出ているなぁってこと。

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

日にかかる枕詞で、天高く光るって意味。

安万侶

安万侶

やすみししって??

天武天皇

天武天皇

我が大君にかかる枕詞で、安らかにお治めになるとか、国の隅々までお治めになるって意味。

安万侶

安万侶

あらたまのって??

天武天皇

天武天皇

年とか月とかにかかる枕詞。

安万侶

安万侶

うべって??

天武天皇

天武天皇

もっともだなぁとか、いかにもその通りだなぁってこと。

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

あなたを待ちきれないでってこと。

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

滋賀県と岐阜県の間にある、伊吹山のこと。

天武天皇

天武天皇

素手で真正面から殺そうってこと。

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

声に出して言い立てること。

天武天皇

天武天皇

悪い結果を招くから、タブーとされていたんだけどな。

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

あられとかひょうのこと。

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