古事記の原文『武烈天皇~推古天皇』
『武烈天皇~推古天皇』の原文
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原文の概要
天武天皇
仁賢以降も皇位は継承され、代々続いていく。
安万侶
遂に古事記完結なんですね ・ ・ ・
天武天皇
ああ、終わり方はあっさりしたもんだよな。
天武天皇
なぜ推古で終わっているのかも色々議論があるところだが、今は触れないでおこうか。
原文&読み下し文
【原文】稗田阿礼
小長谷若雀命、坐長谷之列木宮、治天下捌歳也。
【原文】稗田阿礼
此天皇、無太子。故、為御子代、定小長谷部也。御陵在片岡之石坏岡也。
【原文】稗田阿礼
天皇既崩、無可知日続之王。故、品太天皇五世之孫、袁本杼命、自近淡海国、令上坐而、合於手白髪命、授奉天下也。
【読み下し文】藤原不比等
天皇既に崩りまして、
【原文】稗田阿礼
品太王五世孫、袁本杼命、坐伊波礼之玉穂宮、治天下也。
【原文】稗田阿礼
天皇、娶三尾君等祖、名若比売、生御子、大郎子。次出雲郎女。(二柱)
【読み下し文】藤原不比等
天皇、
【原文】稗田阿礼
又娶尾張連等之祖、凡連之妹、目子郎女、生御子、広国押建金日命。次建小広国押楯命。(二柱)
【読み下し文】藤原不比等
また尾張連等の祖、
【原文】稗田阿礼
又娶意祁天皇之御子、手白髪命(是大后也。)、生御子、天国押波流岐広庭命。(一柱)
【読み下し文】藤原不比等
また意祁天皇の御子、手白髪命(こは大后なり。)を娶して、生みませる御子、
【原文】稗田阿礼
又娶息長真手王之女、麻組郎女、生御子、佐佐宜郎女。(一柱)
【読み下し文】藤原不比等
また
【原文】稗田阿礼
又娶坂田大俣王之女、黒比売、生御子、神前郎女。次田郎女。次白坂活日子郎女。次野郎女、亦名長目比売。(四柱)
【読み下し文】藤原不比等
また坂田
【原文】稗田阿礼
又娶三尾君加多夫之妹、倭比売、生御子、大郎女。次丸高王。次耳王。次赤比売郎女。(四柱)
【読み下し文】藤原不比等
また三尾君
【原文】稗田阿礼
又娶阿倍之波延比売、生御子、若屋郎女。次都夫良郎女。次阿豆王。(三柱)
【読み下し文】藤原不比等
また
【原文】稗田阿礼
此天皇之御子等、并十九王。(男七、女十二。)
【読み下し文】藤原不比等
この天皇の
【原文】稗田阿礼
此之中、天国押波流岐広庭命者、治天下。次広国押建金日命、治天下。次建小広国押楯命、治天下。次佐佐宜王者、拝伊勢神宮也。
【読み下し文】藤原不比等
この中に、天国押波流岐広庭命は、天の下治らしめしき。次に広国押建金日命、天の下治らしめしき。次に建小広国押楯命、天の下治らしめしき。次に
【原文】稗田阿礼
此御世、竺紫君石井、不従天皇之命、多無礼。故、遣物部荒甲之大連、大伴之金村連二人而、殺石井也。
【読み下し文】藤原不比等
この御世に、
【原文】稗田阿礼
天皇御年、肆拾参歳。(丁未年四月九日崩也。)御陵者、三島之藍御陵也。
【原文】稗田阿礼
御子、広国押建金日命、坐勾之金箸宮、治天下也。此天皇、無御子也。(乙卯年三月十三日崩。)御陵在河内之古市高屋村也。
【読み下し文】藤原不比等
御子、
【原文】稗田阿礼
弟、建小広国押楯命、坐桧坰之廬入野宮、治天下也。
【原文】稗田阿礼
天皇、娶意祁天皇之御子、橘之中比売命、生御子、石比売命。
【読み下し文】藤原不比等
天皇、意祁天皇の御子、橘の中比売命を娶して、生みませる御子、
【原文】稗田阿礼
次小石比売命。次倉之若江王。又娶川内之若子比売、生御子、火穂王。次恵波王。此天皇之御子等、并五王。(男三、女二。)
【読み下し文】藤原不比等
次に
【原文】稗田阿礼
故、火穂王者、(志比陀君之祖。)恵波王者、(韋那君、多治比君之祖也。)
【読み下し文】藤原不比等
故、
【原文】稗田阿礼
弟、天国押波流岐広庭天皇、坐師木島大宮、治天下也。
【原文】稗田阿礼
天皇、娶桧坰天皇之御子、石比売命、生御子、八田王。次沼名倉太玉敷命。次笠縫王。(三柱)
【読み下し文】藤原不比等
天皇、
【原文】稗田阿礼
又娶其弟小石比売命、生御子、上王。(一柱)
【読み下し文】藤原不比等
またその
【原文】稗田阿礼
又娶春日之日爪臣之女、糠子郎女、生御子、春日山田郎女。次麻呂古王。次宗賀之倉王。(三柱)
【読み下し文】藤原不比等
また春日の
【原文】稗田阿礼
又娶宗賀之稲目宿祢大臣之女、岐多斯比売、生御子、橘之豊日命。次妹石坰王。次足取王。次豊御気炊屋比売命。次亦麻呂古王。
【読み下し文】藤原不比等
また
【原文】稗田阿礼
次大宅王。次伊美賀古王。次山代王。次妹大伴王。次桜井之玄王。次麻奴王。次橘本之若子王。次泥杼王。(十三柱)
【読み下し文】藤原不比等
次に
【原文】稗田阿礼
又娶岐多志比売命之姨、小兄比売、生御子、馬木王。次葛城王。次間人穴太部王。次三枝部穴太部王、亦名須売伊呂杼。次長谷部若雀命。(五柱)
【読み下し文】藤原不比等
また
【原文】稗田阿礼
凡此天皇之御子等、并廿五王。
【読み下し文】藤原不比等
凡そこの天皇の御子等、并せて
【原文】稗田阿礼
此之中、沼名倉太玉敷命者、治天下。次橘之豊日命、治天下。次豊御気炊屋比売命、治天下。次長谷部之若雀命、治天下也。并四王治天下也。
【読み下し文】藤原不比等
この中に、沼名倉太玉敷命は、天の下治らしめしき。次に橘の豊日命、天の下治らしめしき。次に豊御気炊屋比売命、天の下治らしめしき。次に長谷部の若雀命、天の下治らしめしき。并せて
【原文】稗田阿礼
御子、沼名倉太玉敷命、坐他田宮、治天下壱拾肆歳也。
【原文】稗田阿礼
此天皇、娶庶妹豊御食炊屋比売命、生御子、静貝王、亦名貝蛸王。
【読み下し文】藤原不比等
この天皇、
【原文】稗田阿礼
次竹田王、亦名小貝王。次小治田王。次葛城王。次宇毛理王。次小張王。次多米王。次桜井玄王。(八柱)
【読み下し文】藤原不比等
次に竹田王、亦の名は
【原文】稗田阿礼
又娶伊勢大鹿首之女、小熊子郎女、生御子、布斗比売命。次宝王、亦名糠代比売王。(二柱)
【読み下し文】藤原不比等
また伊勢の
【原文】稗田阿礼
又娶息長真手王之女、比呂比売命、生御子、忍坂日子人太子、亦名麻呂古王。次坂騰王。次宇遅王。(三柱)
【読み下し文】藤原不比等
また
【原文】稗田阿礼
又娶春日中若子之女、老女子郎女、生御子、難波王。次桑田王。次春日王。次大俣王。(四柱)
【読み下し文】藤原不比等
また春日の中若子の女、
【原文】稗田阿礼
此天皇之御子等、并十七王之中、日子人太子、娶庶妹田村王、亦名糠代比売命、生御子、坐岡本宮治天下之天皇。次中津王。次多良王。(三柱)
【読み下し文】藤原不比等
この天皇の御子等、并せて
【原文】稗田阿礼
又娶漢王之妹、大俣王、生御子、智奴王。次妹桑田王。(二柱)
【読み下し文】藤原不比等
また
【原文】稗田阿礼
又娶庶妹玄王、生御子、山代王。次笠縫王。(二柱)
【読み下し文】藤原不比等
また庶妹玄王を娶して、生みませる御子、山代王。次に笠縫王。(二柱)
【原文】稗田阿礼
并七王。(甲辰年四月六日崩。)御陵在川内科長也。
【原文】稗田阿礼
弟、橘豊日命、坐池辺宮、治天下参歳。
【原文】稗田阿礼
此天皇、娶稲目宿祢大臣之女、意富芸多志比売、生御子、多米王。(一柱)
【読み下し文】藤原不比等
この天皇、
【原文】稗田阿礼
又娶庶妹間人穴太部王、生御子、上宮之厩戸豊聡耳命。次久米王。次植栗王。次茨田王。(四柱)
【読み下し文】藤原不比等
また
【原文】稗田阿礼
又娶当麻之倉首比呂之女、飯女之子、生御子、当麻王。次妹須賀志呂古郎女。
【読み下し文】藤原不比等
また
【原文】稗田阿礼
此天皇、(丁未年四月十五日崩。)御陵在石寸掖上、後遷科長中陵也。
【原文】稗田阿礼
弟、長谷部若雀天皇、坐倉椅柴垣宮、治天下肆歳。(壬子年十一月十三日崩也。)御陵在倉椅岡上也。
【原文】稗田阿礼
妹、豊御食炊屋比売命、坐小治田宮、治天下、参拾漆歳。(戊子年三月十五日癸丑日崩。)御陵在大野岡上、後遷科長大陵也。
【読み下し文】藤原不比等
用語解説
安万侶
ここからはまたお話が全然ないんですね。
天武天皇
ああ。ただ欠史八代と違って、日本書紀には詳しい業績が載っているからな、古事記に書くほど古い時代ではなくなったってことなんだろう。
天武天皇
というわけでここも、各代の天皇の宮と御陵に絞って紹介していくとするか。
天武天皇
ただし、大阪府高槻市の今城塚古墳が真の継体天皇陵というのが定説になっている。