古事記 -日本神話-

オオクニヌシ様たちが国造りをしているのに、アマテラス様はどうしてそんなことを言い出したんですか？

はーい。

天照大御神の 命 （ みこと ） もちて、「 豊葦原 （ とよあしはら ） の 千秋長五百秋 （ ちあきのながいほあき ） の 水穂 （ みづほの ） 国は、我が御子、 正勝吾勝勝速日天忍穂耳 （ まさかつあかつかちはやひあめのおしほみみの ） 命の知らす国ぞ」と 言 （ こと ） よさしたまひて、 天降 （ あまくだ ） したまひき。

ここに天忍穂耳命、 天 （ あめ ） の 浮橋 （ うきはし ） に立たして 詔 （ の ） りたまひしく、「豊葦原の千秋長五百秋の水穂国はいたく 騒 （ さや ） ぎてありなり」と 告 （ の ） りたまひて、更に還り 上 （ のぼ ） りて、天照大神に 請 （ まを ） したまひき。

ここに 高御産巣日 （ たかみむすひの ） 神、天照大御神の 命 （ みこと ） もちて、天の安の河の 河原 （ かはら ） に、 八百万 （ やほよろづ ） の神を 神集 （ かむつど ） へに 集 （ つど ） へて、 思金 （ おもひかねの ） 神に思はしめて詔りたまひしく、

「この葦原中国は、我が御子の知らす国と 言依 （ ことよ ） さしたまへりし国なり。 故 （ かれ ） 、この国に 道速振 （ ちはやぶ ） る 荒振 （ あらぶ ） る国つ神 等 （ ども ） の 多 （ さは ） なりと 以為 （ おも ） ほす。これ 何 （ いづ ） れの神を 使 （ つか ） はしてか 言趣 （ ことむ ） けむ」とのりたまひき。

ここに思金神また八百万の神、 議 （ はか ） りて 白 （ まを ） ししく、「 天菩比 （ あめのほひの ） 神、これ遣はすべし」とまをしき。

故、天菩比神を遣はしつれば、すなはち大国主神に 媚 （ こ ） び附きて、 三年 （ みとせ ） に至るまで 復奏 （ かへりごとまを ） さざりき。

豊葦原（とよあしはら）の千秋長五百秋（ちあきのながいほあき）の水穂（みづほの）国って？？

知らすって？？

いたく騒（さや）ぎてありなりって？？

道速振（ちはやぶ）るって？？

言趣（ことむ）けむって？？

媚（こ）び附きてって？？

復奏（かへりごとまを）さざりきって？？