古事記の原文『反正天皇の活躍』

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『反正天皇の活躍』の原文

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原文の概要

天武天皇

天武天皇

のちの反正天皇は履中に会いに行く。履中は、反正を墨江と同じではないかと疑い、墨江を殺してくれば会うと伝える。反正は、墨江の近くに仕えるソバカリを騙して、墨江を殺させる。反正はソバカリを、褒美を与えてから殺す。反正は事を成したことを伝え、履中と語り合う。

安万侶

安万侶

功績を上げたから褒美は取らせるけど、簡単に主君を裏切るような人だから罰する ・ ・ ・ うぅ~ん、筋が通ってるような、通ってないような ・ ・ ・

天武天皇

天武天皇

はは、少なくとも反正の中では通っているみたいだな。

原文&読み下し文

反正天皇の活躍

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

於是其伊呂弟水歯別命参赴令謁。爾天皇令詔、吾疑汝命若与墨江中王同心乎。故、不相言。答白、僕者無穢邪心。亦不同墨江中王。

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

ここにその 同母弟 いろと 水歯別命、 参赴 まゐおもむ きて まを さしめたまひき。ここに天皇詔らしめたまひけらく、「 汝命 いましみこと のもし墨江中王と おや 心ならむかと疑ひつ。故、相言はじ」とのらしめたまへば、答へて白しけらく、「 穢邪 きたな き心無し。また墨江中王と おや じくあらず」とまをしたまひき。

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

亦令詔、然者今還下而、殺墨江中王而上来。彼時吾必相言。

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

また詔らしめたまひけらく、「然らば今還り くだ りて、墨江中王を殺して のぼ り来ませ。その時に あれ 必ず相言はむ」とのらしめたまひき。

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

故、即還下難波、欺所近習墨江中王之隼人、名曽婆加理云、若汝従吾言者、吾為天皇、汝作大臣、治天下那何。曽婆訶理答白随命。

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

故、すなはち難波に還り下りて、墨江中王に近く つか ふる 隼人 はやびと 、名は 曽婆加理 そばかり を欺きて りたまひしく、「もし なれ こと に従はば、 あれ 天皇となり、 大臣 おほおみ して、天の下治らしめさむは 那何 いかに ぞ」とのりたまひき。 曽婆訶理 そばかり 、「 みこと まにま に」と答へ白しき。

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

爾多禄給其隼人曰、然者殺汝王也。於是曽婆訶理、窃伺己王入厠、以矛刺而殺也。

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

ここに さは もの をその隼人に給ひて りたまひしく、「然らば みこ を殺せ」とのりたまひき。ここに曽婆訶理、 おの みこ かはや に入るを ひそ かに伺ひて、矛をもちて刺して殺しき。

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

故、率曽婆訶理、上幸於倭之時、到大坂山口以為、曽婆訶理、為吾雖有大功、既殺己君是不義。

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

故、曽婆訶理を て倭に上り でます時、大坂の山口に到りて 以為 おも ほしけらく、曽婆訶理、 ため には おほ いさを あれども、既に己が君を殺せし、これ みち ならず

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

然不賽其功、可謂無信。既行其信、還惶其情。故、雖報其功、滅其正身。

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

然れどもその いさを むく いぬは、 まこと 無しと謂ひつべし。既にその まこと を行なはば、還りてその こころ こそ かしこ けれ。故、その功に むく ゆれども、その 正身 ただみ を滅してむとおもほしき。

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

是以詔曽婆訶理、今日留此間而、先給大臣位、明日上幸、留其山口、即造仮宮、忽為豊楽、乃於其隼人賜大臣位、百官令拝、隼人歓喜、以為遂志。

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

ここをもちて曽婆訶理に詔りたまひしく、「今日は 此間 ここ に留まりて、まづ大臣の位を給ひて、 明日 あす 上り でまさむ」とのりたまひて、その山口に留まりて、すなはち 仮宮 かりみや を造りて、 には かに 豊楽 とよのあかり したまひて、すなはちその隼人に大臣の位を賜ひ、 百官 もものつかさ をして をろが ましめたまふに、隼人 歓喜 よろこ びて、志遂げぬと 以為 おも ひき。

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

爾詔其隼人、今日与大臣飲同盞酒、共飲之時、隠面大鋺、盛其進酒。於是王子先飲、隼人後飲。故、其隼人飲時、大鋺覆面。

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

ここにその隼人に詔りたまひしく、「今日大臣と おや つき の酒を飲まむ」とのりたまひて、共に飲みたまふ時に、 おも かく 大鋺 おほまり に、その進むる酒を りき。ここに 王子 みこ さき に飲みたまひて、隼人後に飲みき。故、その隼人飲む時に、 大鋺 おほまり おも おほ ひき。

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

爾取出置席下之剣、斬其隼人之頚、乃明日上幸。故、号其地謂近飛鳥也。

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

ここに むしろ の下に置きし剣を取り出して、その隼人の くび を斬りたまひて、すなはち 明日 あす 上り でましき。故、 其地 そこ なづ けて 近飛鳥 ちかつあすか と謂ふ。

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

上到于倭詔之、今日留此間、為祓禊而、明日参出、将拝神宮。故、号其地謂遠飛鳥也。

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

上りて倭に到りて詔りたまひしく、「今日は 此間 ここ に留まりて 祓禊 はらへ をして、 明日 あす 参出 まゐで て神宮を をろが まむとす」とのりたまひき。故、其地を号けて 遠飛鳥 とほつあすか と謂ふ。

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

故、参出石上神宮、令奏天皇、政既平訖参上侍之。爾召入而相語也。天皇、於是阿知直、始任蔵官、亦給糧地。

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

故、 石上 いそのかみの 神宮に参出て、天皇に まを さしめたまひしく、「 まつりごと 既に ことむ へて 参上 まゐのぼ りて さもら ふ」とまをさしめたまひき。ここに召し入れて相語らひたまひき。天皇、ここに阿知直を始めて 蔵官 くらのつかさ け、また 糧地 たどころ を給ひき。

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

亦此御世、於若桜部臣等、賜若桜部名、又比売陀君等、賜姓謂比売陀君也。亦定伊波礼部也。

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

またこの御世に、若桜部臣 ども に若桜部の名を賜ひ、また 比売陀 ひめだの ども かばね を賜ひて比売陀君と謂ひき。また 伊波礼部 いはれべ を定めたまひき。

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

天皇之御年、陸拾肆歳。(壬申年正月三日崩。)御陵在毛受也。

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

天皇の御年、 六十四歳 むそぢまりよとせ 。(壬申の年の正月三日に崩りましき。)御陵は 毛受 もず にあり。

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

弟、水歯別命、坐多治比之柴垣宮、治天下也。此天皇、御身之長、九尺二寸半。御歯長一寸広二分、上下等斉、既如貫珠。

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

いろと 、水歯別命、 多治比 たぢひ 柴垣 しばかきの に坐しまして、天の下治らしめしき。この天皇、 御身 みみ たけ 九尺二寸半 ここのさかあまりふたきいつきだ 。御歯の長さ 一寸 ひとき 、広さ 二分 ふたきだ 上下 かみしも ひと しく ととの ひて、既に たま けるが如くなりき。

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

天皇、娶丸迩之許碁登臣之女、都怒郎女、生御子、甲斐郎女。次都夫良郎女。(二柱)

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

天皇、 丸迩 わに 許碁登 こごとの 臣の女、 都怒 つのの 郎女を娶して、生みませる御子、 甲斐 かひの 郎女。次に 都夫良 つぶらの 郎女。(二柱)

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

亦娶同臣之女、弟比売、生御子、財王。次多訶弁郎女。并四王也。

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

また おや じ臣の女、弟比売を娶して、生みませる御子、 たからの 王。次に 多訶弁 たかべの 郎女。并せて 四王 よはしら なり。

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

天皇之御年、陸拾歳。(丁丑年七月崩。)御陵在毛受野也。

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

天皇の御年、 六十歳 むそとせ 。(丁丑の年の七月に崩りましき。)御陵は 毛受野 もずの にあり。

反正天皇

用語解説

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

面会を申し入れさせたってこと。

安万侶

安万侶

おやって??

天武天皇

天武天皇

おなじってこと。

安万侶

安万侶

相言はじって??

天武天皇

天武天皇

語り合いたくないってこと。

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

九州南部に住んでいた種族のこと。

安万侶

安万侶

ものは??

天武天皇

天武天皇

褒美の品のこと。

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

お前が仕えている王子のこと。

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

手柄とか功績のこと。

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

人としての正しい道から外れているってこと。

安万侶

安万侶

むくいぬって??

天武天皇

天武天皇

報いない、受けたことに対して返さないってこと。

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

誠意がないってこと。

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

本人自身のこと。

天武天皇

天武天皇

顔を隠すほど大きなまるい器のこと。

天武天皇

天武天皇

現在の大阪府羽曳野市飛鳥あたりのこと。

天武天皇

天武天皇

現在の奈良県高市郡明日香村あたりのこと。

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

財宝の出し入れを管理する人のこと。

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

田んぼになっている土地のこと。

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

大阪府堺市にある上石津ミサンザイ古墳に治定されているな。

天武天皇

天武天皇

現在の大阪府松原市上田あたりとか、羽曳野市郡戸あたりとかいわれているな。

天武天皇

天武天皇

松原市の柴籬神社しばかきじんじゃの境内には、宮跡碑が立っているぞ。

天武天皇

天武天皇

約185センチってとこ。

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

約2センチ。

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

約4ミリ。

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

大阪府堺市にある田出井山古墳に治定されているな。

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