古事記 -日本神話-

また禁断の恋愛 ･ ･ ･ 悲しい結末の予感しかないです ･ ･ ･

天皇 崩 （ かむあが ） りましし 後 （ のち ） 、木梨の軽太子、日継知らしめすに定まれるを、未だ位に 即 （ つ ） きたまはざりし間に、その 同母妹 （ いろも ） 軽大郎女に 奸 （ たは ） けて歌ひたまひしく、

あしひきの 山田を作り
山 高 （ たか ） み 下樋 （ したび ） を 走 （ わし ） せ
下娉 （ したど ） ひに 我 （ わ ） が 娉 （ と ） ふ 妹 （ いも ） を
下泣 （ したな ） きに 我 （ わ ） が泣く妻を
昨夜 （ こぞ ） こそは 安 （ やす ） く 肌 （ はだ ） 触 （ ふ ） れ
とうたひたまひき。

こは 志良宜 （ しらげ ） 歌なり。また歌ひたまひしく、

笹葉 （ ささば ） に 打つや 霰 （ あられ ） の
たしだしに 率寝 （ ゐね ） てむ 後 （ のち ） は
人は 離 （ か ） ゆとも
愛 （ うるは ） しと さ寝しさ寝てば
刈薦 （ かりこも ） の 乱れば乱れ
さ寝しさ寝てば
とうたひたまひき。

こは 夷振 （ ひなぶり ） の 上歌 （ あげうた ） なり。

ここをもちて 百官 （ もものつかさ ） また天の下の 人等 （ ひとども ） 、軽太子に背きて、穴穂御子に 帰 （ よ ） りき。

ここに軽太子畏みて、 大前小前 （ おほまへをまへの ） 宿祢の 大臣 （ おほおみ ） の家に逃げ入りて、 兵器 （ つはもの ） を備へ作りたまひき。（その時に作りたまひし矢は、その箭の内を銅にせり。故、その矢を号けて軽箭と謂ふ。）

穴穂御子もまた、 兵器 （ つはもの ） を作りたまひき。（この王子の作りたまひし矢は、すなはち今時の矢なり。これを穴穂箭と謂ふ。）

ここに穴穂御子、 軍 （ いくさ ） を興して大前小前宿祢の家を 囲 （ かく ） みたまひき。ここにその 門 （ かど ） に到りましし時、 大 （ いた ） く 氷雨 （ ひさめ ） 零 （ ふ ） りき。故、歌ひたまひしく、

大前 （ おほまえ ） 小前宿祢 （ をまへすくね ） が
金門蔭 （ かなとかげ ） かく寄り 来 （ こ ） ね
雨立ち止めむ
とうたひたまひき。

ここにその大前小前宿祢、手を挙げ膝を打ち、 舞 （ ま ） ひかなで歌ひ 参来 （ まゐき ） つ。その歌に 曰 （ い ） ひしく、

宮人 （ みやひと ） の 脚結 （ あゆひ ） の 子鈴 （ こすず ）
落ちにきと 宮人 （ みやひと ） とよむ
里人 （ さとびと ） もゆめ
といひき。

この歌は 宮人振 （ みやひとぶり ） なり。かく歌ひ 参帰 （ まゐき ） て白しけらく、「我が 天皇 （ おほきみ ） の御子、 同母兄 （ いろせ ） の 王 （ みこ ） に 兵 （ いくさ ） をな 及 （ や ） りたまひそ。もし兵を 及 （ や ） りたまはば、必ず人 咲 （ わら ） はむ。 僕 （ あれ ） 捕へて 貢進 （ たてまつ ） らむ」とまをしき。ここに 兵 （ いくさ ） を 解 （ と ） きて 退 （ そ ） きましき。故、大前小前宿祢、その軽太子を捕へて、

日継知らしめすに定まれるをって？？

奸（たは）けてって？？

あしひきのって？？

下樋（したび）は？？

走（わし）せって？？

下娉（したど）ひって？？

我（わ）が娉（と）ふ妹（いも）は？？

下泣（したな）きって？？

昨夜（こぞ）は？？

安（やす）くって？？

志良宜（しらげ）歌は？？

たしだしにって？？

人は離（か）ゆともって？？

さ寝しさ寝てばって？？

刈薦（かりこも）のって？？

夷振（ひなぶり）の上歌（あげうた）は？？

今時の矢は？？

金門蔭（かなとかげ）は？？

雨立ち止めむって？？

舞（ま）ひかなでって？？

宮人（みやひと）は？？

脚結（あゆひ）は？？

とよむって？？

里人（さとびと）もゆめって？？

宮人振（みやひとぶり）は？？