古事記の原文『タケミカヅチの派遣』

アマゾンキャンペーン

『タケミカヅチの派遣』の原文

現在、古事記の原文は最低限の情報のみでお届けしております。詳細は『古事記の原文更新お休みのお知らせ』をご確認ください。

古事記の原文をそのまま載せても眠くなってしまうので、天武天皇の時代の人たちのセリフと合わせてお届けしています。

原文を記載するにあたってのルールについては、プロローグ内『原文掲載のルール』をご確認ください。

原文の概要

天武天皇

天武天皇

タケミカヅチはオオクニヌシとの話し合いに臨む。オオクニヌシは、自分ではなく子のコトシロヌシ、タケミナカタなら答えられると言う。コトシロヌシはこの国を天つ神の子に献上すると答える。タケミナカタは巨石を軽々と持って現れる。

安万侶

安万侶

オオクニヌシ様はどうして二人の子供に国のことを任せたんですか?

天武天皇

天武天皇

国を支配するのに呪術力と軍事力の2つが必要って話は、前にしたな。コトシロヌシは呪術力の、タケミナカタは軍事力の象徴なんだ。宗教と政治と言い換えてもいい。

原文&読み下し文

オオクニヌシ、タケミカヅチ

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

是以此二神、降到出雲国伊那佐之小浜而、抜十掬剣、逆刺立于浪穂、趺坐其剣前、問其大国主神言、

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

ここをもちてこの ふた はしらの神、出雲国の 伊那佐 いなさ 小浜 をばま に降り到りて、 十掬剣 とつかつるぎ を抜きて、 さかしま に浪の穂に刺し立て、その剣の さき あぐ して、その大国主神に問ひて りたまひしく、

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

天照大御神、高木神之命以、問使之。汝之宇志波祁流葦原中国者、我御子之所知国、言依賜。故、汝心奈何。

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

「天照大御神、高木神の みこと もちて、問ひに使はせり。 いまし うしはける葦原中国は、我が御子の知らす国ぞと 言依 ことよ さしたまひき。 かれ 、汝が心は 奈何 いか に」とのりたまひき。

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

爾答白之、僕者不得白。我子八重事代主神、是可白。然為鳥遊取魚而、往御大之前、未還来。

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

ここに答へ白ししく、「 得白 えまを さじ。我が子、 八重事代主 やへことしろぬしの 神、これ白すべし。然るに 鳥遊 とがり をし、 取りて 御大 みほ さき に往きて、未だ還り ず」とまをしき。

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

故爾遣天鳥船神、徴来八重事代主神而、問賜之時、語其父大神言、恐之。此国者、立奉天神之御子。即踏傾其船而、天逆手矣、於青柴垣打成而隠也。

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

故ここに天鳥船神を遣はして、八重事代主神を て、問ひたまひし時に、その父の大神に語りて言ひしく、「 かしこ し。この国は、 あま つ神の 御子 みこ 立奉 たてまつ らむ」といひて、すなはちその船を踏み かたぶ けて、 あま 逆手 さかて 青柴垣 あをふしかき に打ち成して かく りき。

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

故爾問其大国主神、今汝子、事代主神、如此白訖。亦有可白子乎。

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

故ここにその大国主神に問ひたまひしく、「今 いまし が子、事代主神、かく白しぬ。また白すべき子ありや」ととひたまひき。

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

於是亦白之、亦我子有建御名方神。除此者無也。

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

ここにまた白ししく、「また我が子、 建御名方 たけみなかたの あり。これを きては し」とまをしき。

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

如白之間、其建御名方神、千引石擎手末而来、

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

かく白す間に、その建御名方神、 千引 ちびき いは 手末 たなすゑ ささ げて来て、

用語解説

天武天皇

天武天皇

島根県出雲市大社町にあるわ。名前もそのまま、稲佐の浜。

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

足を組んで座ってって意味。

安万侶

安万侶

うしはけるって??

天武天皇

天武天皇

領有するってこと。

安万侶

安万侶

知らす」とはまた違うの??

天武天皇

天武天皇

「しらす」はお治めになるって意味だったよな。違いを簡潔に説明するのはなかなか難しいところだが、やってみるか。

天武天皇

天武天皇

自分の物にして権力で支配するのが「うしはく」、みんなで力を合わせて治めるのが「しらす」ってこと。専制政治と君民共治って対比もできるな。

天武天皇

天武天皇

言葉を分解すると「うし」はぬしで、オオクニヌシの名前とリンクするあたりは示唆的よな。

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

鳥を狩ること。

安万侶

安万侶

取りてって??

天武天皇

天武天皇

さかなを取ってってこと。漁だな。

天武天皇

天武天皇

相手を呪うために、普通とは違う方法で手を打つことなんだが、具体的なやり方はわからないんだ。

天武天皇

天武天皇

手を使った呪い方といえば、後手しりえでもあったよな。

天武天皇

天武天皇

青い柴垣に変化させてってこと。変化させた元は船な。

天武天皇

天武天皇

長野県の諏訪大社の祭神よ。名前の意味は色々説があるけど、はっきりしないな。

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

手の先とか指先のこと。

原文で続きを読む

ラノベ訳に戻る

監修:春比等 Site:いまどき風土記
イラスト:駒碧 Site:わたり雪

ラノベ古事記がついに書籍化しました!!

サイトで読んでくださった方も楽しんでいただけるように、さらに愛を詰め込みました!!日本神話だけでかなり分厚くなっちゃいましたが、ポチっと応援していただけたら喜びます!!

 『ラノベ古事記』を購入 > 

アマゾンキャンペーン

スポンサードリンク

Amebaマンガは古事記関連の漫画が充実!また、U-NEXTからはラノベ古事記の購入が可能です。無料のおまけの方が豪華なので、よければご利用ください!

人気の記事


日本の神話「古事記」 おすすめ本

古事記(池澤 夏樹)

古事記

現代語訳がとにかく丁寧で美しくて読みやすい作品です。上段に現代語訳、下段に解説が書かれています。現代語訳だけであれば、1日でサラッと読めます。

現代語古事記(竹田 恒泰)

現代語古事記

明治天皇の曾孫にあたる、竹田 恒泰先生の作品です。現代語訳は少し固い印象ですが、解説が面白いのでスラスラ読めてしまいます。日本が好きになります。

愛と涙と勇気の神様ものがたり まんが古事記

まんが古事記

おそらく一番売れている古事記本です。ふわ先生の初版サイン付きの本を持っているのが自慢。優しいイラストとわかりやすい漫画でスイスイ読めてしまします!