古事記の原文『エウカシとオトウカシ』
『エウカシとオトウカシ』の原文
現在、古事記の原文は最低限の情報のみでお届けしております。詳細は『古事記の原文更新お休みのお知らせ』をご確認ください。
古事記の原文をそのまま載せても眠くなってしまうので、天武天皇の時代の人たちのセリフと合わせてお届けしています。
原文を記載するにあたってのルールについては、プロローグ内『原文掲載のルール』をご確認ください。
原文の概要
天武天皇
ヤタガラスの案内でイワレビコは吉野川の下流に着く。イワレビコは行く先々で仲間を増やしていく。宇陀のエウカシ・オトウカシという兄弟のうち、オトウカシはイワレビコに仕えたが、エウカシは反抗し、罠にはめようする。オトウカシはイワレビコに、兄の仕掛けた罠について教える。
安万侶
熊野から吉野までって、深い山の中をちゃんと案内してくれたんですね!
天武天皇
それだけじゃないぞ。もっと敵対する相手と出くわしそうなものなのに、仲間になる勢力のほうが多かったんだからな。
天武天皇
これもヤタガラスの、ひいては天つ神の加護と考えられるんじゃないかな。
原文&読み下し文
【原文】稗田阿礼
故随其教覚、従其八咫烏之後幸行者、到吉野河之河尻時、作筌有魚取人。
【原文】稗田阿礼
爾天神御子、問汝者誰也、答曰僕者国神、名謂贄持之子。(此者阿陀之鵜養之祖。)
【原文】稗田阿礼
従其地幸行者、生尾人、自井出来。其井有光。爾問汝者誰也、答曰僕者国神、名謂井氷鹿。(此者吉野首等祖也。)
【読み下し文】藤原不比等
【原文】稗田阿礼
即入其山之、亦遇生尾人。此人押分巌而出来。爾問汝者誰也、答曰僕者国神、名謂石押分之子。今聞天神御子幸行。故、参向耳。(此者吉野国巣之祖。)
【読み下し文】藤原不比等
【原文】稗田阿礼
自其地踏穿越幸宇陀。故、曰宇陀之穿也。故爾於宇陀有兄宇迦斯、弟宇迦斯二人。
【原文】稗田阿礼
故、先遣八咫烏問二人曰、今天神御子幸行。汝等仕奉乎。
【読み下し文】藤原不比等
故、まづ八咫烏を
【原文】稗田阿礼
於是兄宇迦斯、以鳴鏑待射返其使。故、其鳴鏑所落之地、謂訶夫羅前也。将待撃云而聚軍。
【原文】稗田阿礼
然不得聚軍者、欺陽仕奉而、作大殿、於其殿内作押機待時、弟宇迦斯先参向、拝曰、
【原文】稗田阿礼
僕兄兄宇迦斯、射返天神御子之使、将為待攻而聚軍、不得聚者、作殿其内張押機将待取。故、参向顕白。
【読み下し文】藤原不比等
「
用語解説
天武天皇
河口あるいは川の下流のこと。
安万侶
紀伊山地を越えてきたのに、吉野川の下流に出たの?山の中に河口ってどういうこと?
天武天皇
ああ、それね。川は流れている場所で名前が変わってな、紀伊の国を流れる紀の川の上流は、大和の国では吉野川と呼ばれていたんだ。
天武天皇
だから吉野川の始まりは、大和の国の端っこのほうってわけよ。
天武天皇
竹を編んで筒形にした、魚を取る道具のこと。
天武天皇
神や朝廷にささげ物をする人のこと。
天武天皇
井戸の中に水銀などの鉱物があって、それが光ったんだろうな。
天武天皇
井戸の光っていう意味の名前だな。
天武天皇
大きな岩石のこと。
天武天皇
石と石を間から押しのける人のこと。
天武天皇
ほら穴に住んでいる人のことだろうな。
天武天皇
奈良県宇陀市菟田野宇賀志あたりかな。
天武天皇
伝承地がどこなのかわからないんだ。
天武天皇
宮殿とか屋敷のこと。
天武天皇
踏むと挟まれて圧死する装置のこと。
天武天皇
頭を下げてってこと。