古事記の原文『オオクニヌシの誕生』
『オオクニヌシの誕生』の原文
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原文の概要
天武天皇
オオナムチはスセリビメを背負い、大刀・弓矢・琴を持ち逃げする。追いかけるスサノオはオオナムチに、オオクニヌシとなって国を治めよと言う。言われたとおりにしたオオナムチ改めオオクニヌシは、スセリビメと結婚する。
安万侶
オオナムチ様がオオクニヌシ様になった!
天武天皇
ああ。スサノオはオオクニヌシに、自分の娘も力の象徴も全部渡してるんだよな。
安万侶
後継者として認められたわけですね。
原文&読み下し文
【原文】稗田阿礼
五百引石、取塞其室戸、負其妻須世理比売、即取持其大神之生大刀与生弓矢、及其天詔琴而、逃出之時、其天詔琴、払樹而地動鳴。
【読み下し文】藤原不比等
【原文】稗田阿礼
故、其所寝大神、聞驚而、引仆其室。然解結椽髪之間、遠逃。
【読み下し文】藤原不比等
【原文】稗田阿礼
故爾追至黄泉比良坂、遥望、呼謂大穴牟遅神曰、其汝所持之生大刀、生弓矢以而、汝庶兄弟者、追伏坂之御尾、亦追撥河之瀬而、
【読み下し文】藤原不比等
【原文】稗田阿礼
意礼為大国主神、亦為宇都志国玉神而、其我之女須世理比売、為嫡妻而、於宇迦能山之山本、於底津石根宮柱布刀斯理、於高天原氷椽多迦斯理而居。是奴也。
【読み下し文】藤原不比等
【原文】稗田阿礼
故、持其大刀、弓、追避其八十神之時、毎坂御尾追伏、毎河瀬追撥、始作国也。
【読み下し文】藤原不比等
故、その大刀・弓を持ちて、その八十神を追ひ
【原文】稗田阿礼
故、其八上比売者、如先期美刀阿多波志都。
用語解説
天武天皇
五百人がかりでないと引けない大岩。イザナギが黄泉から逃げる時に置いた岩の、半分の大きさだな。
天武天皇
活力にあふれた太刀と弓矢。スサノオの力の象徴ってとこかな。
天武天皇
神のお告げを聞くときに使う琴。これも支配力のシンボル。
天武天皇
ここは色んな解釈があるところなんだが、まぁスサノオの力を受け継いだって考えておけば、いいんじゃない。
天武天皇
これはオレの考えだって前置きしておくが、古代のクニは軍事的指導者と宗教的指導者による共同統治をしていたって説があってな、太刀と弓矢が軍事力、詔琴が呪力を表していると考えられるな。
天武天皇
鳴り響いたってこと。
天武天皇
はるかに遠くを見やってって意味。
天武天皇
坂の裾の延びた所。
天武天皇
いや、逆ね。「お前」って相手を下に見た呼び方よ。
天武天皇
正妻ってこと。
天武天皇
天武天皇
・ ・ ・ といいたいところなんだが、後のセリフからすると、出雲大社の東北にある山のことかもしれないな。
天武天皇
地底にある岩。
天武天皇
宮殿の柱。
天武天皇
しっかり立ててってこと。
天武天皇
天武天皇
高く上げてってこと。
天武天皇
壮大な宮殿を建てて住めって言っているわけね。「底つ石根に宮柱ふとしり、高天原に氷椽たかしり」は祝詞の常套句よ。
天武天皇
こいつめ!とかこの野郎!とか、そんな感じかな。
天武天皇
「みと」は寝室だったよな?だから、一緒に寝たってこと。男と女が共に寝るってことは ・ ・ ・ ?
安万侶
はう!
天武天皇
結婚したって意味だ。