古事記の原文『イヅモタケル』

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『イヅモタケル』の原文

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原文の概要

天武天皇

天武天皇

ヤマトタケルは帰る途中、イズモタケルを討伐しようと思い、イズモタケルと友達になる。ヤマトタケルは、偽物の刀に交換させイズモタケルを騙し討ちにする。帰ってきたヤマトタケルの報告を聞いた景行天皇は、東国の平定を命じる。

安万侶

安万侶

今回も作戦が見事ですね。

天武天皇

天武天皇

ただ強いだけじゃなく、知恵があるのがより評価されているんだろうな。

原文&読み下し文

イヅモタケル

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

然而還上之時、山神、河神、及穴戸神、皆言向和而参上。即入坐出雲国、欲殺其出雲建而到、即結友。故、窃以赤梼、作詐刀、為御佩共沐肥河。

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

しか して還り のぼ ります時、山の神、河の神、また 穴戸 あなど の神を、皆言向け やは して 参上 まゐのぼ りたまひき。すなはち出雲国に入りまして、その 出雲建 いづもたける を殺さむと おも ひて到りまして、すなはち友と たまひき。故、 ひそ かに 赤梼 いちひ もちて、 詐刀 こだち に作り、 御佩 みはかし として、共に ひの 河に かはあみ たまひき。

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

爾倭建命、自河先上、取佩出雲建之解置横刀而詔易刀。故、後出雲建自河上而、佩倭建命之詐刀。

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

ここに倭建命、河より さき あが りまして、出雲建が解き置ける 横刀 たち を取り きて、「 たち へむ」と詔りたまひき。故、 のち に出雲建河より上りて、倭建命の 詐刀 こだち を佩きき。

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

於是倭建命、誂伊奢合刀。爾各抜其刀之時、出雲建不得抜詐刀。即倭建命、抜其刀而打殺出雲建。爾御歌曰、

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

ここに倭建命、「いざ たち 合はさむ」と あとら へて りたまひき。ここに各その刀を抜きし時、出雲建 詐刀 こだち 抜かざりき。すなはち倭建命、その刀を抜きて出雲建を打ち殺したまひき。ここに御歌よみしたまひしく、

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

夜都米佐須 伊豆毛多祁流賀
波祁流多知 都豆良佐波麻岐
佐味那志爾阿波礼

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

やつめさす 出雲建が
ける たち 黒葛 つづら さは
無しにあはれ
とうたひたまひき。

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

故、如此撥治、参上覆奏。

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

故、かく はら をさ めて、 参上 まゐのぼ りて 覆奏 かへりごとまを したまひき。

【原文】稗田阿礼

【原文】稗田阿礼

爾天皇、亦頻詔倭建命、言向和平東方十二道之荒夫琉神、及摩都樓波奴人等而、副吉備臣等之祖、名御鉏友耳建日子而遣之時、給比比羅木之八尋矛。

【読み下し文】藤原不比等

【読み下し文】藤原不比等

ここに天皇、また きて倭建命に詔りたまひしく、「東の方 十二道 とをまりふたみち あら ぶる神、また まつろ はぬ 人等 ひとども を言向け 和平 やは せ」とのりたまひて、吉備臣等の祖、名は 御鉏友耳建日子 みすきともみみたけひこ を副へて遣はしし時、 杠谷樹 ひひらぎ 八尋矛 やひろほこ を給ひき。

用語解説

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

海峡の神のこと。

安万侶

安万侶

友とって??

天武天皇

天武天皇

親しい友達になってってこと。

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

イチイガシという木のこと。

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

偽物の刀のこと。

天武天皇

天武天皇

一見すると鞘に収まった刀のようだが、ただの木刀というわけ。

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

川に入って水を浴びてってこと。

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

さあ試合をしようってこと。

安万侶

安万侶

やつめさすって??

天武天皇

天武天皇

意味はわからないが、『出雲』にかかる枕詞。

安万侶

安万侶

『出雲』にかかる枕詞といえば、『八雲立つ』ってありましたよね?

天武天皇

天武天皇

そうそう、それと同じ仲間だな。

天武天皇

天武天皇

つる草をたくさん巻いていてってこと。

天武天皇

天武天皇

立派な飾りが付いているのにって言いたいんだ。

安万侶

安万侶

天武天皇

天武天皇

刀身がなくてってこと。

安万侶

安万侶

あはれは??

天武天皇

天武天皇

喜怒哀楽の感動を表す言葉で、「ああ」って感じ。

天武天皇

天武天皇

「ああ気の毒に」と取るか「ああおかしい」と取るかで、この歌の印象がちょっと変わるよな。

安万侶

安万侶

きてって??

天武天皇

天武天皇

重ねてってこと。

天武天皇

天武天皇

ヒイラギで作った長い矛のこと。

天武天皇

天武天皇

葉にトゲがあるヒイラギには、邪気を払う力があると考えられていたんだ。

天武天皇

天武天皇

今でも節分にヒイラギイワシを門に挿す習慣が残っていて、これも魔除けのためだな。

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監修:春比等 Site:いまどき風土記
イラスト:駒碧 Site:わたり雪

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